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GOMA28

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ブランカとギター弾き

BLANKA001.jpg

BLANKA
2015年
イタリア

長谷井宏紀 監督・脚本
大西健之 撮影
アスカ・マツミヤ 、 フランシス・デヴェラ 、 アルベルト・ボフ 音楽

サイデル・ガブテロ、、、ブランカ(孤児の少女)
ピーター・ミラリ、、、ピーター(盲目のギター弾き)
ジョマル・ビスヨ、、、セバスチャン(孤児の少年)
レイモンド・カマチョ、、、ラウル(孤児の少年のボス)


フィリピンを舞台にした映画。
自分のフィリピンに対する無知がよく分かった。特にスラム街。
”フィリピン”という場所をリアルにじっくりと感じた。
路地や雑踏、広場での人々の息遣い、たむろする出生証明書のなさそうな荒んだちびっこギャングたちや人情味のある風俗嬢(男含む)、、、。
人の隙を見る眼差し、、、敵意を秘めた目つき、、、人攫いの魔の手、、、街には落とし穴だらけ、、、しかし物乞いにお金を出す人も少なくない。
捨て子たち~ストリート・チルドレンは、徒党を組み身を守り、連携してスリなどで日銭を稼ぐ。
ヒロインのブランカもそうだ。しかし彼女はかなりのお金を貯めている。母親を買う目的で貯めたお金だ。
父を知らず、母はいつも酔っぱらっていて、ある時男と逃げてしまった。

わたしの方が恵まれているなどと謂うつもりは毛頭ないが、これも大変過酷な環境~現実だ。
親がしっかりした家がないと、子供はどうなるのか、、、これは何処の国だろうと変わらぬが(わたしの場合もそうであったが)、改めて家庭環境の大切さを痛感する。
環境は過酷なものだが、その猥雑な風景は何故かとても美しい。


ブランカはギターの音色に導かれピーターに出逢う。
彼は盲目で老齢のギター弾きで、広場に寝泊まりするホームレスだ。
二人は何となく気心の合う~波長の合う歳を越えた友達になる。

ある日、警察からピーターが立ち退きを宣告されたところに出くわしブランカは彼を誘い他の地に移ることにする。
そこは、彼女を捨てた母がかつて彼女を連れて行ったことのある場所であった。
(実は騙され違う場所でバスを降ろされてしまうのだが)。

BLANKA002.jpg

彼女の唄う「Carinosa」は大変印象に残る民族音楽であった。
その歌を彼女に教えるピーターがまた渋くて良い。
とても素敵な老人である。ギターもレイドバックしてブルージーでとても沁みる。
時折見せる年輪の刻まれた微笑みが暖かくてチャーミングだ。
彼ら二人で組み、パブで唄うと観客も増え、マスターにも喜ばれとても良い流れとなる。
だが、そのことで隅に追いやられた者が彼らに恨みを持つ。
こういった力学(権力抗争)が至る所に見え隠れしている。
彼女は、店の雑用係に陥れられ店をクビになり貯めて来た有り金全て奪われてしまう。
こんな風に彼女は何度も自分が貯めたお金を巻き上げられてしまう。
とは言え、そのお金は、元は人から盗んだお金であった。悪銭身に付かずか。

ピーターから母親はお金では買えないんだよと諭され、だって大人はお金で子供を買うでしょと言い返すブランカ。
彼女の気持ちの中で、金持ちの財布をくすねることの正当化の意識が窺える。
合法的に(又は法を巧みにすり抜けて)人を搾取するか、ゲリラ的に金持ちから失敬するかの違いか、、、。
しかし、スリや車上荒らし、ひったくり置き引きみたいなことを繰り返すうちに、彼女の身に危険が忍び寄る。

BLANKA004.jpg

ギャング仲間の権力関係と人身売買の売人との姦計でブランカは売り飛ばされそうになる。
これまでになかった彼女の人生で最大のピンチであった。
ここで彼女を姉貴と慕うセバスチャンの助けもあって、ピーターと共に何とか難を乗り切る。
紆余曲折を経て結局、彼女はピーターから教えられた歌を唄ってお金を稼ぐ方法で身を立てることになろう。
お金で買う事の出来ないものがあるんだ、とピーターの語る関係が彼と結べる。


最後に夜に孤児院を脱走して、街に戻りピーターの演奏するギターの音を頼りに広場に辿り着いたブランカと彼女を察知したピーターの交わす笑顔の美しいこと、、、。
(そこには彼女を捨て身で庇ったセバスチャンが足を洗い、ピーターの下で煙草売りをしていた)。

これまで見た映画のエンディングの中でも最も美しいシーンであった。

BLANKA003.jpg

ビックリしたが、サイデル・ガブテロ以外のキャストは、皆ストリートで見つけた素人であるとのこと。
笑ってしまったが、素人の良い所だけを抽出したかのような朴訥だが味のある演技は、自然で誰も素晴らしかった。
特にピーターに関しては格別であった。もう人格の魅力のレベルである。
彼は上演された直ぐ後に亡くなってしまったという。しかし彼の優しさはずっと映画のなかに生き続ける。

BLANKA005.jpgサイデル・ガブテロ
フィリピンで歌姫としても活躍中とのこと。確かに声も良い。注目の若手女優だ。








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COMMENT

こんにちは

GOMAさんの書かれたことに誘われ、今日はこの映画を観ました。
まず、僕もフィリピンのこと知らなさすぎでした。
自分の生きている世界とは特殊なものだとつくづく思いました。
この映画で描かれているような純粋な感情(よい感情も悪い感情も)で生きてみたいと思いました。
自分の悩みを客観的に見ることに少し役立った気がしましたし、何より心が洗われた気がしました。
音楽もいいですね。

ありがとうございます☆彡


> 自分の生きている世界とは特殊なものだとつくづく思いました。

そう思います。
特殊な場所~時空に生きているとつくづく思っています。わたしも。
ちょっと引いて見ても、われわれは地球の最も穏やかな一時に生きているのは確かです。
ペルム紀には地球全生命の96%が死滅する地質学的(及び気候)変動がありました。
それに近い変動も地球は4回経験してきています。
何だかぼんやり生きているな、、、これでよいのかな、、、と思いつつ目先の事に関わっています。
(今現在もかつてない速度で変動が起きているようですが)。


> この映画で描かれているような純粋な感情(よい感情も悪い感情も)で生きてみたいと思いました。

純粋な感情って大切ですよね。
ノーマルに感情を保つことは、困難ですが極めて大切なことだと思います。
感情で、わたしは、全ての出来事を判断します。
それ以外の方法も指標もありません。

> 自分の悩みを客観的に見ることに少し役立った気がしましたし、何より心が洗われた気がしました。

わたしも同感です。
このヒロインのような感性は何とか自分でも持っていきたいと思っています。

> 音楽もいいですね。

音楽が、映像を更に美しいものにしていますね。

見て頂き感謝です(笑。(製作者に代わり)。
渋いギター弾きのおじいさんが、亡くなる前に出演出来て良かったと思います。

また宜しくお願いします。

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