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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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ソール・ライター

Saul Leiter001

Saul Leiter

「何を手に入れるかではなく、何を捨てるかだ」
まさに。
わたしも常にそうありたいとおもいつつ、捨てるところまでいっていない。
つまらぬものにしがみついている。
(わたしはコレクション癖が強く、モノで自分を支えている部分が大きい。支えている部分が足を引っ張るところもある)。
N-1を基本におきたい。

bunkamuraでも日曜美術館でも特集されていたが、Saul Leiterがクローズ・アップされている。
AmazonPrimeでも彼の映画があり、滅法評判が良い。

わたしがこの写真家を知ったのは、最近のことだ。
確かにインスタでも「ソール・ライター風」のスナップの流行りを見た気がする。
ちょっと雰囲気を真似しやすいか。とても洒落て見えるし、、、。
ストリート・スナップということからも、お気楽に入って行きやすいかも知れない。

Saul Leiter006

「外で働くのが好きだ」
有名ファッション誌の花形フォトグラファーであったが、室内での食事会~社交界が面倒だったのか。
やがて、背後からスポンサーたちの余計な注文が飛び交うようになり、さっさと華やかな世界から抜け出てしまった。
名声~名誉を捨てる勇気であろうか。 

しかし、偶々横切った板に遮られたモデルなど意表を突くファッション写真など、華々しい活動をしていたころも偶然を取り込んだ(チャンスオペレーションした)風通しの良い世界を沢山提供してきた作家である。
そのテクニックは、一線を退いた後もより洗練されていたようだ。

Saul Leiter003

イーストビレッジの毎日の同じ風景のなかに、異化された光景を捉える。
絵を描いて、コーヒーを啜り、散歩する道すがら、上から覗き込んだり、大きなカーテン(天蓋)の下に切り取られた明るい光景であったり、雨の降る中、雪の積もる中、雨滴に包まれた窓から見た通りであったり、、、「つまらないもの、単純なものの美」を、彼ならではの視点から切り取ることをルーチンとして暮らしていた。

わたしも写真を趣味で撮っていたころ、ガラスや水面の反映は面白くてよく撮っていた。
映り込みにも拘ったものだ。
それから雨の日の風景も好んで撮った。月時雨の光景など妖気も漂いウキウキしたものだ。葛飾北斎みたいな調子になる。
そういえばソール・ライターのカラースナップにもそんな風情を感じるところがある。
何よりも構図の妙である。
わたしも構図とフレーミングにはかなり注意を払った。

しかし彼の、「三分の一構図」のような、分割構成は考えなかった。
小さな区画に密かな謎~物語を発生させる。一つの方法論の発見か。
全体の片隅、この小さい場所に誘うことに、ウキウキする面白さがある。
フレーミングばかり気にし過ぎて、内側の構造はほったらかしていた。
その意識でファインダーを覗けば、切り取る空間は全く異なってくるはず。
やってみたい(笑。

Saul Leiter005

そして「ポイント・カラー」である。
日常の何でもない光景がひとつの色にフォーカスすることで、シンプルにビビットに再構成される。
それは激走する車のボディのレッドだったり、黄色いドットにもなり、雪の中の真っ赤な傘であったり、赤と黒にシックに構成された街角であったりする(昨日の映画もこの赤と黒の世界が際立っていた)。
ある色の強調により、シンプルにしたりぼかしたり、かなりの自在さである。

「窓の水滴の方が有名人のポートレートなどよりよっぽど面白い」
わたしの場合、その有名人が誰かにもよるが、確かに水滴の表情の作る光景の方が精神が解放される。
斬新な見方~特殊な世界を圧しつけられるのではなく、名状し難い郷愁と心地よさを感じるだけ。
自我がない。スッキリする。

Saul Leiter002

だが、繊細で知的な妹のモノクロ写真は、彼の他の写真とは異なる。
ユダヤ教の厳格な学者である父に従い聖職者としての路を歩んでいたが、大学を中退し芸術家になる決心を伝える。
すると父は、小説家か画家なら良いが、写真家だけは最低の職であり、それだけは禁じるということであった。
ユダヤ教は偶像崇拝を認めない為、他人を写真に撮ること自体がタブーなのだ。
確かにそれでは、写真家にはなれない。

最初は彼も画家を目指すが、やがて趣味でやっていた写真に傾いてゆく。
そういう時、ただ一人彼に味方し、支持してくれたのが妹のデボラであったという。
当然、彼(と妹との関係)の濃密な物語がそこに凝縮してくるだろうし、写真も軽やかなものにはなり難い。
妹は30代で精神を病み病院に収容されて戻らなかったそうだ。
妹のポートレートだけは異質で感情的な響きがある。

Saul Leiter007

彼は富みや名誉とは全く関係しない場所で撮り続けた写真家であると言える。
見るからに、とても良い顔をした人だとつくづく思う。

彼の作風を真似する人が増えているようだ。
真似をすることで、彼の思想~方法論が身体化するだろうか。
そういった、形から入る方向性もあるかとは思う、、、。





永遠のソール・ライター




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