ハウンター

Haunter
2013年
カナダ
ヴィンチェンゾ・ナタリ監督
ブライアン・キング脚本
アレックス・カスキン音楽
アビゲイル・ブレスリン、、、リサ
ピーター・アウターブリッジ、、、ブルース(父)
ピーター・ダグーニャ、、、ロビー(弟)
ミシェル・ノルデン、、、キャロル(母)
スティーヴン・マクハティ、、、青白い男
エレノア・ジィシー、、、オリビア
デヴィッド・ヒューレット、、、デヴィッド(オリヴィアの父)
サラ・マンニネン、、、アン(オリヴィアの母)
マルティーヌ・キャンベル、、、エミリー(オリヴィアの妹)
サマンサ・ワインスタイン、、、フランシス
これは、死んだ霊が生きている者を救う噺か。
生きている少女が以前一家心中で亡くなった少女の霊と彼女のネックレスを通して繋がり、霊に助けを求め、霊はそれに応えるという、、、物語。霊になると時間の移動は自在のようだ。
一つの家の3つの時間が描かれそこを行き来するリサ。
その家で、殺人鬼が誘拐した少女を惨殺(焼却)した1950年代~1970年代。
リサの一家4人が引っ越してきて、父に殺人鬼の悪霊が憑りつきリサの誕生日の前日に一家全員が一酸化炭素中毒で死亡する。その後、彼らの霊はその日(日曜日)を無限ループする1980年代。
リサ一家の後に引っ越してきたオリビアの一家の2010年代。悪霊が父親に憑りつき、リサの一家と同じ運命を辿ろうとしたときに、オリビアとリサが繋がり、オリビアに憑依したリサが悪霊退治に打って出る。

スージー・アンド・ザ・バンシーズのTシャツを着て、デビッドボウイの”Low”とJoy Divisionの”Love Will Tear Us Apart”のポスターを部屋に飾っている女の子がヒロイン。センス抜群。ゴシックロマン。
ちなみに弟はパックマンをやっている。
TVでは、レーガン大統領が演説していた。
リサ一家の時代である。この時代を基本にして話が進む。
基本的に「日曜日」がループし続けているのだが、リサ自身~思考と行動は自由のようだ。
では何を持っての日曜日かというと、他の家族が全く同じ日曜日のルーチンを無意識的にきっちりと繰り返しているからである。
リサも家の外にはどうしても出られない。自由は家の中に限られている。
そしてリサの誕生日の前日の日曜日の枠内で、リサの揺さぶりに従い周囲の状況もちょっとずつ変わってゆく。
妙な物音や声がどこからか聴こえてくる。
気味の悪い男が何者にも関わるなと忠告に来る。忠告は脅しになってゆく。
外はいつも凄い霧。何も見渡せない。
家族は、リサの謂うことが理解できない。いや、しようとしない。
リサは毎日16歳になる前日の繰り返しに耐えられなくなり、自転車で外に出ようとしても、戻ってきてしまう。
父は車の故障を直し続けており、確かに外には出られない。完全に幽閉されている。

リサは自分が死んで永遠にある一日を繰り返していることに気づいている。
家から離れられない霊であることを知りつつ、囚われた場所と反復からの解放を目指し状況の打開に努める。
少なくとも抗おうとする意識の自由はあるため、その場所に対し超越的な視座は確保されているのだ。例の忠告男に謂わせれば、目覚めたからだという。
つまり「涼宮ハルヒの憂鬱」の”エンドレスエイト”状態ではない。時間流がループを繰り返すというのではなく、その中の要素の問題なのだ。人間の想念というか残存した記憶がそうさせており夢遊病などに近いものか。彼女の覚醒度は長門 有希に準えるが、立ち位置は長門と異なり、観測ではなく、内部にあって事態を変えようとするもの。
やがて眼鏡を探し出した弟も、自分の死んだことをはっきりと認める。しかしこの中に居続けゲームをやり続けていれば死なないと主張する(死んだことにならないと。この主張は長続きするものではない)。
洗濯機の裏の壁に隠された扉を見つけ秘密の地下室で、少女の失踪の新聞記事のスクラップを観てしまう。
地下には決まって何かがある。
しかしそこに関わることをやめさせようとする例の男が恐ろし気に介入してくる。
その度々現れるその男こそ、その家の初代の主で、子供時代に両親を殺害し、長じては次々に(スクラップブックにあった)女子を攫っては惨殺~焼却を繰り返してきた老人であった。
地下には殺された少女たちの遺品が転がっていた。リサが後に全て拾い集める。

オリビアとはだれか。
何故か彼女もリサと同じにクラリネットでプロコフィエフの交響的物語「ピーターと狼」を吹いている。
これが何かのカギかどうかと思ったが、彼女らの交信とは特別関係していないようだ。一種の対(鏡像)関係をなしているが。
(同時期に過ごし、友人になれば気の合う友達になったか、、、いや、リサは基本ゴシックロマンである)。
ウィジャボードもさほど役はなしていない。
オリビアは、アップルのiPadを普通に使っている現在の家の住人~娘である。
(後にiPadがもっとも意思の疎通に役立つ)。
その一家は生存しており生活しているが、父親が急に粗暴になり様子がおかしい。
一世代前の住人であるリサたちが死亡した時と同様の兆候が見られる。
リサのネームの入ったネックレスで、その一家の娘オリビアとお互いに存在を感じあえるところまで繋がった。
オリビアは以前ここで亡くなった一家の娘リサのことを知り、必死で助けを求めてくる。
例の老人がオリビアの父に憑依し、リサの時のように、父が一家全員を殺害するように仕向けている危機的状況であることが分かる。
幽霊は家を離れられない。ここで初めて知ったが、、、
この家で殺された霊は、全て代々ここに憑りついているようである。
リサのように鏡などを通して、別の時代の様子が若干探れたり、気を失ったところで、別の時間のこの家の家族の一人(オリビア)に乗り移りその家族に逢ったり~働きかけたり出来るようだ。
次第にリサの母親が自分が死んだことを思い出してゆく。というより無くした洗濯物をしまっていたことを自ら明かす。
そして、この前の日曜日に死んだと。
リサを理解し詫びる。そして父も、、、(隠していた)パワープラグをリサに促されて見つけ出す。
誰もがあの記憶を半ば抑圧隠蔽していたことも浮き彫りになる(メンドクサイ奴らだ)。
家族全員が目覚めたところで(現実に向き合ったところで)、リサは自分以外の者を家の外に出す。
霧はなく空は輝いていた。リサの家族は皆、家から解放され行くべき場所に旅立ったのか。
リサはオリビア一家を救うべく、家に残る。
殺人を子供のころから積み重ねてきた老人が相手だが、ヒトに乗り移る能力を持っていることから、この人物もすでに霊の存在であろう。とても手強い相手でリサは劣勢に立つが、かつて殺された少女たちの霊も結集してリサに協力し、周りを高速でぐるぐる回っていたが、結局彼を倒したようだ。
オリビア一家はこうして救われ、リサは自分に戻る。
気づくと彼女の家族とともに無事に翌日を迎え、皆で彼女の誕生日を祝った。
プレゼントは自転車である。
漸く彼女らも家を離れて外へと昇天することになった。
外には「望むもの全てがある」という、、、。
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