ときめくカエルたち

サリー・トムソン監督
デヴィッド・アッテンボロー(イギリスの動物学者、植物学者、プロデューサー、作家)
カエルはわたしにとって特別な生き物である。
幼少期に一時期預けられていた田舎の祖父母の家近くの川辺の水溜まりで彼らに出逢った。
生みつけられた卵の様相も神秘的で、印象に残っている。
わたしの動物のフィギュア・コレクションだと、ガメラ(亀)を入れれば、一番多いのがフクロウで二番目がカエル、3番目が亀(ガメラ含む)であった。カエルもこれまでに二、三度くらいは飼ったことがある。お祭りとかで手に入れたものや、田んぼで掬ってきたオタマジャクシからカエルに変態したものなどだ。見た目が可愛く、ほっぺをぷくっとふくらましたり目が大きくて飛び出したところが特に魅力的。首がなくて頭が回らなくてもあの目で360度見渡せるというから凄い。そう、動作もそれぞれ個性的で観ていて飽きないものだ。
海から陸に上がった最初の動物が両生類であるが、彼らカエルは極寒の地から灼熱の砂漠にも生息している。
水が必要な変温動物であるが、あらゆる環境に適応・進化してきたと言えよう。
最大の結構グロテスクなものから、親指の爪ほどの最小のカエルまで、様々なカエルがデヴィッド・アッテンボロー氏により愛情たっぷりに紹介されてゆく。
それらのカエルの生態の剽軽でカワイイこと。彼らにとっては生死をかけた行動であるも。
飛んだり、跳ねたり、登ったり、滑空したり、穴を掘ったり、水上を走ったり、、、それぞれの環境・種類により興味深いものだが、一番見ものだったのは、様々な子育て方法である。
子育てに労を惜しまないカエルが沢山いることが分かった。
そして天敵から身を守る術である。子育てとも不可分なものである。
擬態やユニークな逃走法や強烈な色合い(警告色)で脅したりと、色々だ。
幾つものパタンがあったが何れも、見応えがあった。
更に舌である。
彼らは皆、ハンターでもある。
喉の奥からではなく、口の前部に付いている獲物を瞬時に捕らえる武器でもある舌。
凄いメカニズムである。足と同様によくできたもの~機能だ。
それから鳴き声である。
音の増幅器を備えており、お互いに語り合っているという。
結婚はその声~語りが決定打となるらしい。
それに加えて、手を振ることで合図をしあったりもする。
なかなか粋なものだ。
この映画で、一番可愛かったカエルは「フタイロネコメアマガエル」で、皮膚の分泌腺から日焼け止めクリームを出して手足で器用に体中に丁寧に塗っているのだ。このお手入れの様子に、かなりの女子力を感じた(笑。
そして一番、気に入ったカエルは、「アフリカウシガエル」である。
「ダーウィンハナガエル」が次点。
いずれもお父さんが一生懸命、子育てに奮闘している姿、他人事には思えず、親近感をもった(笑。
進化を重ねて逞しく繁栄してきた彼らだが、そんな彼らも今世界レベルで特殊なカビ(ツボカビ病)により、3分の1が絶滅の脅威に晒されているという。皮膚呼吸が疎外されてしまうのだ。
(他にも生育地の減少と殺虫剤の使用が彼らを酷く追い詰めている)。
デヴィッド・アッテンボロー氏がかつて紹介した珍しいカエルの幾種類かはすでに絶滅してしまったそうだ。
とても珍しい個性的なカエルであり、フィルム上にしか残っていないとは、実に淋しいものである、、、。
それにしても、このような世界各地からカエルの貴重な瞬間をこれだけフィルムに収める作業に要した労力と時間はどれほどのものか。
ちょっと気の遠くなるような思いがした。
カエルが水を飲まないということも知った。
彼らは皮膚から水と空気を取り込んでいるのだ。
とても意義深い労作である。
そしてカエルへの愛情である。
これも半端でないことがよく伝わってきた。
全体のトーンが暖かい。
それで楽しめるものとなっている。
破格の値段で5つ★ホテルと豪華な食事の愉しめる旅を! 東京オリンピックまでに自由を手にする無料動画
- 関連記事
-
- ディープ・ブルー
- イクメン・オオカワウソ奮闘中
- ときめくカエルたち
- 彼女が目覚めるその日まで
- whales