ダーケスト・ウォーター

THE LODGERS
2017年
アイルランド
ブライアン・オマリー監督
シャルロッテ・ベガ、、、レイチェル(双子の姉)
ビル・ミルナー、、、エドワード(双子の弟)
ユージン・サイモン、、、ショーン・ナリー(傷痍軍人)
デイヴィッド・ブラッドリー、、、バーミンガム(顧問弁護士)
モー・ダンフォード、、、デジー(ゴロツキ)
ロイジン・マーフィー、、、ケイ・ナリー(ショーンの妹)
大変な「同居人」である。
まさに識域下に潜み支配し続ける何者か。
誰にとっても桎梏となる親~先祖の意志~遺伝子であったりする。
蒼暗い色調で、なかなかスタイリッシュに絵作りされた映画であった。
深い水の中での出来事、これはまた羊水の中のような場面~イメージが印象に残る。

この家には掟が3つある。
「0時の鐘が鳴る前に、ベッドに入りなさい」
「よそ者を家に入れてはいけません」
「2人(姉弟)は離れてはいけません」
子供の躾か、、、。
双子の姉弟が18歳の誕生日を迎え、いよいよ穏やかではなくなる姉。
この一家は代々、双子の男女が生まれ、双子同士の近親相姦により続いて来たという。
必ず生まれる子は双子なのだと。
何だそれ。
しかも、子供がある年齢に達すると、両親は屋敷の敷地内の湖に二人で入水自殺するのだ。
どういう掟だ。
そして恐ろしい先祖たちが、屋敷の地下の湖に潜み彼らの行いを監視している。
プライバシーがないのか?というより怖いだろ!これは病むな。
何かあると、警告のサインであろうか、水滴が重力に逆らい床から天井に向けて落下し部屋がずぶ濡れになる。
先祖~父母か~が突然、鏡に映り込む。
勘弁して、、、心臓に悪い。
弟は掟にがんじがらめで、家に籠り大人しくビクビクしながら暮らしているが、姉は掟を破り外に出てゆく気持ちを強くもっている。
両親のようになりたくないからだ。普通そう考えるのが自然に思えるが、、、。
そして買い物に出たところで、以前屋敷で働いていたナリーの店の息子ショーンと知り合い、やがて二人は恋に落ちる。
外に恋愛対象を持つ姉は健全な感覚を持っている。
顧問弁護士のバーミンガムがもう信託財産も尽きてしまったから屋敷を売りさばけと警告にも来る。
しょっちゅう、契りを結べ~とか先祖の水浸しの霊には脅されるし、、、。
屋敷を飛び出すに好機でもあろうに、、、200年も守り続けた(彼らは守られてきたという)屋敷を捨てることがなかなか出来ない。

しかし18歳になったところで、地下の湖の世界にいる先祖の霊が煩くなってくる。
もうタイムリミットが近づき、決断を迫られる。
結局、レイチェルを愛するショーンが身代わりとなり湖の底へと先祖たちに取り込まれてゆき、彼女はショーンともみあいになった時に誤って胸にナイフを刺してしまった瀕死の弟エドワードを独り残し、両親のペンダントを門に引っ掛け、屋敷~先祖に呪縛された世界から出てゆく。
こうした根深い病気の呪縛世界から抜け出るには、多大な犠牲を払わねばならない、という教訓譚であろうか。
わたしはそう感じた。
特殊な世界に長いことどっぷり漬かっていると、そこから意識して抜け出ようにも身体的にがんじがらめになっていて、容易に解放されることはない。
まさに、身を切るような痛みを伴う犠牲を代償として抜け出るしかないのだ。
わたしも親の呪縛は断ち切った(と思っているが、何度も絡めとられた後の脱出である)。

途中、睡魔に襲われ2度ほど意識を失ったが、メッセージは受け取ったように思われる。
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