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GOMA28

Author:GOMA28
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奈良原一高

narahara.jpg

奈良原一高はもっとも好きな写真家のひとりで、すでにこのブログで1回、美術専門のブログ”Low”で4回記事にはしている。
主に「消滅した時間」について書いた「奈良原一高
敢えてまた書くのは、日美で観たから(笑。奈良原一高という人に改めて興味を持ったからか。
これまでも彼自身については書いたことはなく、久しぶりに番組を観て気づいたことや想い起したことなども含め書いておきたい(備忘録か)。

軍艦島の写真「人間の土地」でデビューした写真家である。
普通ならそこを撮るとなると、社会派的な報道写真の枠組みで構えてしまう誘惑というか使命みたいな観念に囚われると思う。
土門拳はまさにそういう使命感に燃えた写真家だ。同じ場所を「筑穂の子供たち」で世に出している。
(土門は「生活から遊離した抽象はやり切れない」と奈良原を批判した)。
だが、奈良原はすべての物事をイデオロギーを外して見ようとする。
物事はどのようにも捉え見ることが可能なのだと。
人が物事に接するとき、無意識に自分の内面~体制的先入観を投影して観てしまっていることが多い。
例えば軍艦島に隔離されて働く労働者(とその家族)は悲惨だという政治的固定観念である。
しかし実際の事物はそんな認識枠に留まらない広がりを持つ。
その広がりは宇宙大にもなる。
物事は、もっと美しくてもよいのだ。実際に美しい。そして残酷でもある。

narahara001.png   narahara004.jpg

奈良原のデビュー前の写真に廃墟の軍需工場を撮った「無国籍地」がある。
まさにこれが写真家としての原点であろう。
彼は13歳で終戦を迎え、それまで信じていた国家や親友を喪う。一夜にして日本は民主国家となり梯子を外された。
この虚無感をまさに形象化した写真であったか。
土門の嫌った抽象を強く求めた。
やがて奈良原は芸術写真家として確固たる地位を得る。

narahara002.jpg

その前に、彼は大学時代、一年下に河原温がいた。以前河原についても書いたことがあるが、突出したコンセプチュアルアーティストである。
その彼の才能にいち早く気づき、あの「浴室」を購入していたそうだ。河原温の第一コレクターみたいだ。
やはりこの感性は突き抜けている。
ファッション写真に進出しても、その芸術的意匠は更に磨きがかかり、モデルと環境(背景ではない)が等価で切り離せない関係を成立させている。全体として、ひとつの風景と化しているかのよう。
空間の美学的追求と謂うより、林忠彦の「風景的人物写真」も想い起してしまうが、その抽象化度はかなりのものだ。
そして同い年の詩人、谷川俊太郎の「20億光年の孤独」が好きだという。
とても分かる(笑。
少年時代に経験した終戦時のB29の飛んでいないポッカリ空いた明るい青空の虚無~突き抜けた時空も原体験のひとつに数えられよう。
(その後の写真集にそれが強く感じられる)。

narahara003.jpg

絵画的な構図を極めた芸術写真家として高名になるが、彼自身それに対する違和感が強く芽生えてくる。
ひとつは、美輪明宏の謂うように、帰属意識を持たない(持てない)彼はどのような形でもそれに安住することは出来ない。
常に何からも自由であろうとする。
ヨーロッパに行き、「人間が構築した世界」その連綿と繋がる歴史の重さを体験する。
自分は、終戦を持って、歴史の全てを失ってしまった。
だがそれだからこそ、宇宙的(巨視的)な視線から文明の光景を切り取る作業が出来たという。
アメリカに赴き、他の惑星を見るような視点から多くの州~場所を撮り続ける。
(写真を撮る前は、自分を常に空っぽにするという)。
そしてスペースシャトルの打ち上げに臨み、地上の諸々の事物に深い愛おしさがこみ上げてくるのだった。
それはこれまでの全ての経験からの彼自身の解放でもあった。
「静止した時間」、「消滅した時間」にそれが見事に結実している。

narahara005.jpg

番組で面白いエピソードが語られていた。
ファッション写真を撮っていたころ、森英恵に服飾から自分で全てやりたいと言い、そこまでやることはないとたしなめられたということだ。田淵行男もそういう類の人であったが、優れたクリエーターは自分の作品に関わることは徹底して自作したくなるようだ。
確かに分かる気はするが、、、。


また彼の写真をじっくり眺めたくなった。




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