葛西 紀明選手について

10歳からジャンプを始めたそうで、それ以来スキージャンプを中心に生活全体を組んでいるという。
人生の極めて早い時点で自分のやるべきことをひとつに絞る。
これ自体なかなか出来ることではないですね。
その競技人生を維持するため、3日間の断食をするなど大変ストイックに身体を管理し、
試合が近づく頃には鬼気迫る表情で周囲を圧倒しているそうです。
瞬発力と技術で勝負する競技では、持久を何より要するスポーツほど年齢は関係ないと思われます。
場合によっては経験が豊富な分、技術に磨きがかかっているはずです。
また葛西 紀明選手は常に慣れ親しんだスタイルを壊し、果敢に新しい改造や工夫を取り入れるという。
恐らくここが最も特筆すべきところでしょう。
絶え間ない練習で確立したスタイルをそれが違うと感じた時点で新たなものを模索し取り込むという姿勢。
これはわたしに最も足りない部分で、大いに見習いたいところです。
そもそも「変わる」、ということがヒトにとって如何に困難を極めることか!?
それがかなりよくできており、相当な努力によって掴んだものであれば、まず変える気にはならないはず。
それを、さらに良い形があると予感すれば直ちに改造に着手するその姿勢。
長く第一線で活躍してこれたのはこれが理由であると思われます。
常にプログレスする。
そのためのdisciplineをけっして怠らない。
ただ、新しい形が完全に正解とは限らない。
現状を維持したほうが無難と感じてしまうこともあったはずです。
彼自身も全く不安なく変更を選択できたかどうか。
しかし変えようとする自分に100%信頼をおいて、出来る確信をもっていた。
と感じるのです。
ここが、普通のヒトと紙一重の違いであると思います。
その一重はしかし超え難い溝である。
通常ヒトの心は不安と疑いに満ちて、停滞してしまう。
そこまでのヒトで終わってしまう。
しかし単に静かに終わるだけではない。
全てのものは常に変転している。良くも悪くも。
自己防衛本能は時として逆説的に皮肉にも自分を環境の変化から取り残し自滅させてしまうことにもなる。
生命にとって変化こそが本質なのだ。
彼は、常にこれではいけないと思い自分を奮い立たせて努力を重ねて来たのか
もともと、こうと決めることに規制を感じない性格・体質の持ち主なのか。
やると決めたら好きなことだしもう夢中になってひたすら進めることが出来たのか。
少年のように。いつまでも。
永遠の少年?
それはわたしには全く分からない。
ただ、葛西 紀明選手は自分の正しさをここではっきり証明してみせたことは明らかな事実です。
*昨日の記事ですが、叔父は亡くなる数日前に緊急入院してそこで息を引き取ったそうです。
しかし最後まで自分の生活(内的にも外的にも)を全うして倒れたことには違いなく、そこにおいて病院(他者)の介在がなかったのは事実です。

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