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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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ポエトリーエンジェル

Poetry angel003

Poetry angel
2017年

飯塚俊光 監督・脚本

主題歌 Mrs. GREEN APPLE「soFt-dRink」

岡山天音、、、玉置 勤(妄想癖のある梅農家の息子)
武田玲奈、、、丸山 杏(吃音に悩む女子高生)
鶴見辰吾、、、玉置 靖(勤の父)
美保純、、、玉置真理(勤の母)
下條アトム、、、中島甚次郎(杏の祖父)
角田晃広、、、林 俊太郎(先生)
山田真歩、、、板屋智恵子(引篭もりコスプレイヤー?)
芹澤興人、、、土井浩二(キャバレーの呼び込み、自称ラッパー)
山﨑賢人、、、説明会に参加した青年
安田聖愛、、、説明会勧誘の美人
小川あん、、、林原さとみ(杏のクラスメイト、エンジェルズのひとり)


和歌山県「地域・ひと・まちづくり補助事業」から作られた映画だそうだ。何でもよいが。
お役所主催の「詩のボクシング」(声と言葉のスポーツ)に美女の勧誘で参加してしまい、それがきっかけで自分の妄想を現実に接続できるものに変容させられることに気づく。
元来スポーツとは、言葉を身体から解放する作用を重んじられていたという(ギリシア時代など)。
そうだと思う。
そうでなければ、身体もこころも想うままに動くまい。


まず家を継ぐ意思もなく何処かに就職するでもない。モラトリアム、これを巡って親との確執の続く鬱陶しい日々。
その焦りもそれほど深刻に受け取っている様子もないのは、彼が妄想の中に逃避してさほどのストレスも抱え込んではいないせいか。母が彼に自立に向けての圧力をかけないよう配慮しているところも大きい。

そんなところに就職した友人が訪ねてくる。
ビールとワイン~地方と東京~農業とIT業界
そして酔っぱらって友人が絡んだ女の子が帰宅途中の丸山 杏であった。
彼女は恐らくボクシングジムからの帰り道であっただろう。彼女のパンチを喰らったのが友人を止めようと入った勤の方であった。
つくづくインフェリオリティコンプレックスに落ちて腐ってしまう勤である。
母には詩を書くとか小説を作るとか言ってはいても、実際のところ何とも稚拙な表出に過ぎないが、まずはこれを発端に自らの解放を目指すことになる。

Poetry angel005

それに並行して丸山 杏のひととなりが描かれてゆく。
武田玲奈の出演作は幾つか見ては来ているが、正直上手い役者とはとても思えなかった(静止画~写真は一級のモデルだと思う)のだが、ここでの目の表情を主とした内省的で力強い演技には思わず惹き込まれた。
彼女は言葉の少ない静かでこころに何かを秘めた役柄が似合う人だと思う。
おばあちゃんとの縁側での和やかな会話のなかで嘘をついてしまう気持ちもしっかり伝わって来た。
(蛇足だが、ヱヴァンゲリヲンを実写するとしたら、その実質主役を務める綾波レイが彼女なら出来そうな気もする。もしそのイメージが合わなければ、例え演技派の優れた女優であろうと、世界中のオタクから凄まじい吊るし上げを喰らうこと間違いなしの恐ろしい役となるのだが、上手く演じられるのでは、とこの映画を観て感じた)。
彼女は吃音を笑われたことが外傷経験となって、全てに消極的になり自分を閉ざしてしまっている。
そこにご丁寧に親切心からお節介なアドバイスをして来る林原さとみのような優等生もいる。
その反動からか放課後ボクシングジムで地道なトレーニングを続け、走り込みもしているが、ジムのトレーナーも彼女の存在を軽んじ他の娘の指導ばかりに熱心になっていた。やはり自分のことば(内言語であっても)を自ら抑圧した精神では、動きも固くなるのは仕方ない。試合を前にしたその選手の練習台みたいな役をやらされ、酷く傷つき、練習にも出れなくなり走り込みも出来なくなる。

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町の事業で役所から派遣された「詩のボクシング」の先生である林は、如何にもお役所仕事で適当に形だけで済まそうとしているかに見えるコミカルでちょっとグロテスクなエクササイズをしていたが、高校(杏の在籍高校)の「詩のボクシング」部であるポエトリーエンジェルズと強化試合を行うことになる。詩と謂うより独り芝居をしあっているような感覚か、、、。
ここで大敗を喫し(当たり前だが)、林自身吹っ切れたようで根本的に指導を考え直すことになる。
部員同士で相手をよく観察~洞察してもっと人間を知る~自分を知ろうとする。
詩の本を読んで学習するより方向性は正しいと思う。
「詩は日常の延長」、「生き様で負けた 」という彼の分析が合ってるかどうかはともかく。
要するに自分だけの言葉を絞り出すには、まずは自分の無様さにしかと向き合う必要があろう。
その自分をしっかり受け容れること。そして肯定すること。互いに受け容れ合うこと。
「ダサくってもいいんだ」みんなそうだが、林が一番覚醒したような感もある。
「大人が子供に見せるべき姿は大人気なさです」完全に本気で、笑える。

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温厚で一番真っ当な語りが出来る中島甚次郎が勤の家で梅作りを手伝う中、腰を痛め入院してしまった為、孫の杏が参加することとなる。その後、練習を重ね、前回の雪辱戦と運ぶ。その時、杏とさとみとの対戦となる。
さとみはそこで杏の切実なこころのうちを知ることとなる。
まるで、詩とは呼べないが、紛れもない本心であり、その強度を持つものである。
勤は丁度その日の朝、近辺で流行っていた名産品の盗難事件が自分の家でも起きてしまい、倉庫の梅が全て持ち去られていた。
父は大きな打撃に頭を抱え、打ちひしがれていたが、勤の試合であることを知っており彼を軽トラで会場まで送って行く。
そこで父に「詩好きなのか。そうか、いい人生だな」と送り出され、勤に対する父の秘めたる本心を知り彼は完全に現実を捉え直す。
(以前は皮肉交じりに「詩で夢が見れるのか。いい人生だな」と言っていたのだが、文脈の中で意味は反転した)。
「草刈機の腕」からどう展開するのかと思ったが、今朝失ったものを対象化して観なおすことが出来、それが自分にとっての宝であったことを彼は認識する。
「僕の左腕は草刈機、僕の右腕は梅の木だ」と梅と現実をしっかり受け容れ、なかなかよいパフォーマンスになった。

Poetry angel002

杏とさとみのその後の関係も少し触れておいてもよかったか。
こちらの想像に託すのも良いが、さとみの意識の変化までは描くべきであろう。

山ピーが如何にも彼らしい役でほんのちょっとだけ出ていて笑ってしまった。
友情出演なのか?
そう言えば山﨑賢人主演の「氷菓」で岡山天音と共演していた。
友達なのか。


勤と杏は、最後に「おはよう」をあんな風に自然に暖かく言い合えることを勝ち取ったのだ。
全体として詩的な、気持ちよい映画ではないか。





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