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GOMA28

Author:GOMA28
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ボーダーライン

Sicario002.jpg

Sicario
2015年
アメリカ

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督
テイラー・シェリダン脚本
ヨハン・ヨハンソン音楽
ロジャー・ディーキンス撮影


エミリー・ブラント 、、、ケイト・メイサー
ベニチオ・デル・トロ 、、、アレハンドロ
ジョシュ・ブローリン 、、、マット・グレイヴァー
ヴィクター・ガーバー 、、、デイヴ・ジェニングス
ジョン・バーンサル 、、、テッド
ダニエル・カルーヤ 、、、レジー・ウェイン
ジェフリー・ドノヴァン 、、、スティーヴ・フォーシング
フリオ・セサール・セディージョ 、、、ファウスト・アラルコン
マキシミリアーノ・ヘルナンデス 、、、シルヴィオ
エドガー・アレオラ 、、、ギレルモ
ベルナルド・サラシーノ 、、、マニュエル・ディアス


PRISONERS”、”Arrival”、”Blade Runner 2049”のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督であり音楽はヨハン・ヨハンソン。撮影はロジャー・ディーキンスとくる。どういう形のものになるのか、期待はかなりのものであった。

まず凄くドキュメンタリー調のドラマで、危うい緊張感と臨場感が半端ではなかった。
まさに”ボーダーライン”を描いて行く。気の利いた邦題である。
そして『殺し屋』という原題もその通りのものであった。

Sicario004.jpg

最初の人質救助に向かったアジトでの惨い死体の山にもその直後の爆弾にも驚くが、メキシコ国境での自動車渋滞する民間人密度の濃いところで突然起こる激しい銃撃戦で相手を殲滅する場面など、ここが如何にのっぴきならない場所なのかを分からせるのに充分である。
道すがらに普通にたくさんぶら下がっている、見せしめ~威嚇のための首をはねた屍の逆さ吊るし、、、。
初めて見たら誰でも恐ろしさより先に吐き気を催すだろう。

FBI捜査官のケイト・メイサーに寄り添いながらこちらもドキドキしながら心細くついて行く感じで進む、と言うかそれしかない。
彼女自身も分かっていないまま、巨大な深い闇組織である麻薬カルテルのボスに近づく計画に飛び込む。しかも正義感をもって。
(断わるまでもなく、正義という相対的概念を絶対視する輩ほど迷惑なものはいない)。

しかし、彼女と共にこちらも事の真相が次第に見えてくる。
これが恐ろしい。
敵の残虐さに劣らない味方?のやり方である。

Sicario003.jpg

当初から残虐な場面が恐ろしいのだが、それ以上にこの麻薬カルテルの件が善悪の彼岸で行われる復讐劇~復讐の連鎖でもあることに愕然とする。
メキシコの麻薬カルテルを攪乱する為にコロンビアの麻薬カルテルを利用するなど、目的のためには何でも駒として(捨て駒として)利用し尽くす乾いた手口はどちらもどちらである。
主人公たちも勿論、アレハンドロたちに利用されていた。最も手軽に使われていたが、途中で気づくもその根深さ~重量にどうにもならない。結局、そのその捜査が合法であるという書類にも彼女はサインさせられる。
(この正当化の為にスカウトされたようなものであった)。
だが、この流れを見てゆく限り、ケイトたちの合法的な捜査などでどうにかなるような相手ではないことは、端から分かるところだ。

終盤の敵のトンネル~坑道に夜襲をかけるところの臨場感は圧倒的。
赤外線カメラによる視界と等身大的なアングルは、所謂ヒーローもののアクションものとは全く異なるリアルな危機感を煽る。
低音の独特なリズムの音楽がピタリと合って、監督の演出力がフルに活きる。
俯瞰画像もとても効果的であった。
ケイト・メイサーのキャパを超えた双方の応酬に彼女が耐えきれずアレハンドロに銃を向けることとなり、逆に撃たれたときは驚いた。防弾チョッキが生きていてホッとしたが、もはや彼女自身ここが自分のいる場所ではないことを悟るところであろう。
(後で、彼に「小さな街に行け。まだ法の生きている」と諭される)。

Sicario001.jpg

無法者にはそれ相応のやり方しかないのか。
少なくとも正義漢ぶって応じていたらひとたまりもない。
百に一の勝機もない。
とは言え、メキシコの無力な警官の死に様など見ると気の毒な限りである。
カルテルの巧妙な方法で蓄積した資金力が物凄い為、武器は充実しているし、何でも買収してしまい、警官など思うがままに操ってしまう。
(メキシコの私服警官は皆敵だなんて言われていたが、これでは治安などどうなっているのか)。
確かにそのなかにあって、歯向かう気概のある者といったら強い復讐心をもった者ぐらいかも。
少なくとも正義でことがどうにかなるようなものではない。
最終的に、アレハンドロたちは一山片付けたかたちであろうが、これで済んだ訳では勿論ない。
救われのなさは底知れないものを感じる。


ここのところ、行きたくないなと思える外国が映画を観るたびに増えているが、メキシコとコロンビアの怖さはまざまざと見せつけられた。ある意味、トランプが塀を作る以外に方法がないと判断したことも頷けないわけではない。それが非道だとか正しくないという前に、この重い現実である。
先ずは塞いでしまえ、というところか。地下道も含めて。
苦肉の策であろうが。

絵としては流石に綺麗であった。
リドリー・スコットに繋がる空間を見た。

今後もドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の作品には目が離せない。
ヨハン・ヨハンソン氏の夭逝はとても惜しい。







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