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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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残穢

zanne001.jpg

2016年

中村義洋 監督
鈴木謙一 脚本
小野不由美 『残穢』原作

竹内結子、、、私(作家)
橋本愛、、、久保さん(建築デザイナー学生)
滝藤賢一、、、直人(「私」の夫、作家)
佐々木蔵之介、、、平岡芳明(怪奇作家)
坂口健太郎、、、三澤徹夫(心霊マニア)
山下容莉枝、、、田村さん(「私」担当の編集者)


小野不由美は好きな作家だ。この本は未読だが、読み応えのある作家であり、機会があればこれも読んでみたい。
確かに「残穢」だ。
とても精緻に描かれてゆき、よく出来た御話だと思って見ていたのだが、最後の最後の締めがどうなのか、、、
周辺的な関係者からまた徐々に災い(呪い)が主人公らに迫って行く兆しを見せて終わりか、、、。原作は実際どうなのか。
このエンディングがちょっと即物的で中途半端感が強い(今一つはっきりしないのだ)。

マンションの一室で畳を掃くような音が聞こえる、というところから、既に何処かで聴いていた話や自分が読者から寄せられた体験談をもとに書いた話などが次々にひとつの場所に繋がってゆき悲惨で禍々しい出来事の本質が掘り起こされてゆく展開は見事であった。
しかもそれは明かされることで解決をみるといったものではなく、穢れは浄化されたりはせず、その絶対的な重みは残存し続けそれに無暗に触れてしまった者に災いを齎す。何一つ事態は変わっていない。
ただ、把握しきれない広がりと深みをもつ穢れの全容に迫れるところまで迫りそれを総括する構造図を描きかけたところで、それを完成させる意味~意義を主人公たちは失い、これまでの生活に戻って行くというところなど説得力を感じる。
「自分が一体何を追い求めていたのか分からなくなりました」という久保さんの言うことは、そこまで観てきたこちらにも共感できる。
(但し終わり方がどうも落ち着かない。続編が用意されているというならそれもよいが、、、そこまでのイメージともそぐわないし)。
これまでに見たホラーの中では出色の出来に思える。
原作がかなりのものなのだ。

zanne002.jpg

やたらと出しゃばって情報提供してくる平岡芳明の謂うように、それについて見たり語ったり聴いたりすることですでに呪われるというのなら、もう主人公たちの運命は決まっているも同じであろう。
どんなところでも生存出来る逞しさとは、あの久保さんの住んでいたアパートの主婦たちのような人種以外にいまい。

何かを感知してしまった人はそこを逃げてゆくしかないが、それに気づいてしまっていることで、それは憑いているのだ。
知るとは本来そういうものであろう。
そして謎の自殺や心中や事故によって死ぬ。
主人公たちが地道に調べてゆく過程で、陰惨な出来事は悲惨な死亡事故などに必ず帰結していた。資料に出くわすたびにそれを齎した穢れに慄くことになる。
(その資料の古新聞や写真、掛軸や過去帳なども上手く活かされている)。
穢れの深みと広がりは際限のない様相を呈して行く。

zanne003.jpg

このまま広がり続け、繋がりからその起源を見出した者まで、殺してしまうのかどうか、、、。
それでは、自分たちが永久に浮かばれまい。
だがそうしたベクトルを有するもの~場なのかどうか、そこが判然としない(わたしには)。
やはり続編を観たいものだ。
(というより原作はどうなっているのか。ちょっと気になる)。


キャストは良かった。
力任せの演出でびっくりさせることしかないホラーとは根本的に違う怖さを魅せる良作であった。






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