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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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湿地

Myrin001.jpg

Myrin
2006年
アイスランド、デンマーク、ドイツ

バルタザール・コルマウクル監督・脚本
アーナルデュル・インドリダソン原作
ムギソン音楽
ベルクステイン・ビョルグルフソン撮影

イングバール・E・シーグルズソン、、、、エーレンデュル警部
オーグスタ・エバ・アーレンドスドーティル、、、エヴァ(エーレンデュル刑事の娘)
ビョルン・フリーヌル・ハラルドソン、、、オルン(コーラの父、難病の保因者)
オーラフィア・フロン・ヨンスドッティル、、、エレンボルク(女性捜査官)
テオドール・ユーリウソン、、、ルーナル(元悪徳刑事)
ソルステイン・グンナルソン、、、ホルベルク(難病の保因者、オルンの父、ウイドルの父)


「負の連鎖」にどう向き合うのか。
この問題は途轍もなく大きい。

今現在の苦悩~不幸~ここでは難病により最愛の娘が死に妻も自殺する。
この不幸に納得が出来ず、夫(オルン)がその難病について調べると、それは遺伝性のものであり自分もその保因者であることが分かり、その難病の因子は母ではなく浮気相手の男のものだと分かる(しかもそれは当初、レイプによるものとされてきた)。
オルンがその男ホルベルクを探し出し、詰め寄ったところで事件が起こる。

病という連鎖に男は打ちのめされる。
ここで最愛の者を失った。
自分もその病の保因者であり、それは引き継がれたものである。
だがそれだけであれば、その不条理は諦観のなかに霞んでゆくものであったかも知れない。
しかし、その病は母からでも父からのものでもなく、犯罪者(保因者)という他者のものと知る。
ここで、自分は父の実の子ではない、更に犯罪によって生まれた者(望まれて生まれたのではない者)であるという認識に直面する。
だが、更に警察が調べると、それはレイプによるものではなく母の不貞によるもの、裏切りによる結果であることが判明する。
この実の父となるホルベルクと言う者もどうしようもないゴロツキであったが、母も被害者などでは全くなく自分の行いを偽証して保身を図っていた(警察をも騙していた)女だった。
オルンにとっては絶望的なアイデンティティの問題~実存の問題となる。

遡行してその原因を突き止めたとしても、それで問題自体がどうなるわけではない。
変わらず不幸の実体はそこに横たわっている。
よく原因が掴めればもう解決したも同じだ、などという噺も聞くが全くそんなことはない。
訳の分からぬ不幸を言語化して構造として捉えれば、確かにそれを引き起こしたメカニズムは把握できようが、事態を変えることには繋がらない。
事態は全く動くわけではないのだ。原因が分かったところで回復させる手立て・方法がなければ変わらず受苦するのみである。
新たな場所を用意しなければならない(これには必然的に自己解体を伴う。自殺する場合も少なくない)。

Myrin002.jpg

この流れでは行き着く先も見えていた。
無理やり事態を打開しようとすれば今回のように殺人などに直結する。
オルンは自分たちが遺伝学の医学者に「偏差」と呼ばれていると語っていた。
度合は違えど誰もがズレているのだ。
それぞれが偏差値を持ち、それは揺れ動くがやはりどうにもならない値はある。
「ぼくは何者だ」と自問し、エーレンデュルの目の前でオルンは自殺する。


この物語では、殺人事件からその犯人を探る流れで始まるのだが、、、。
(オルンがホルベルクを衝動的に殴り殺す)。

アイスランドの映画は以前、「静寂の森の凍えた姉妹」を観ているが、色調は同様のものであった。
空は広くて重くいつも仄暗く何かが常に鬱積して静かに渦巻いている。

雄大な自然のなかにあって、人はいたるところで負の連鎖を抱えて生きている。
そして破滅に至る者も少なくない。

主人公の刑事も娘に負の連鎖の芽をはっきり窺っているが、それをどうすることも出来ない。
(娘は成り行きで妊娠しているが、子供を産んだら虐待しそうで怖いと父に訴えている)。
寒々しい重苦しさが画面いっぱいに溢出ていた。

Myrin003.jpg





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