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GOMA28

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大殺陣

daisatsujin001.jpg

1964年


工藤栄一 監督
池上金男 脚本

里見浩太郎 、、、神保平四郎(書院番)
宗方奈美 、、、山鹿みや(素行の姪)
平幹二朗 、、、浅利又之進(浪人)
大友柳太朗 、、、酒井忠清(大老)
大坂志郎 、、、星野友之丞(御家人、暗殺の指揮を執る)
大木実 、、、北条氏長(大目付)
河原崎長一郎 、、、別所隼人(刺客)
三島ゆり子  、、、神保加代(平四郎の妻)
安部徹 、、、山鹿素行(軍学者)
稲葉義男 、、、渡海八兵衛(素行の部下、刺客)
砂塚秀夫 、、、助七(刺客)
山本麟一 、、、日下仙之助(僧になった刺客)


BSで録れた時代劇が幾つかたまっているので、少しは観てみることに、、、。
何でも日本映画で初めてハンディカメラが導入された作品だそうだ。
成るほどと思うシーンが幾つもある。
もう団子状で切り合いしているところに、カメラもサムライさながら突進して行く感じがそのブレからも容易に感じ取れる。
何とも言えない迫力だ。


まず権力の専横に苦しむ庶民や武士たちの様子が描かれる。
その元凶が大老酒井忠清であると、、。。
4代将軍・家綱の時代が舞台。

大老酒井忠清が家綱の弟である甲府宰相・綱重を後継に担ぎ出し、摂政として天下を操らんとする企てを、山鹿素行の計略で集めた少数の同調者により潰す噺。

多勢に無勢の闘いとなるが、山鹿素行曰く、なあに向こうは太平の世で刀など使えぬサムライばかり、大丈夫みたいなことを言って高をくくっていたが、こちらだって初めて人を切るような連中である。無謀にも程がある。
つまりこちらも、少数精鋭ではないのだ。
見ていてこの面々で大丈夫か、と心細い。

daisatsujin004.jpg

この物語のポイントは、酒井忠清をストレートに暗殺するのではなく、彼ほど警備が厳重でない甲府宰相・綱重を少人数で暗殺するという素行の計画に従い実行する点である。
流石に、街道で綱重一行を待ち構えているあたりからの緊張感はかなりのもの。
指揮をとる星野友之丞などは、前夜に家族に累が及ばぬように妻・息子を切り殺してこの暗殺に臨んでいる。
その決意のほどは重いなどというものではない。
どのメンバーも異様にピリピリしており、それが伝わって来る。
実際、待つことが一番シンドイのではないか。

daisatsujin002.jpg

しかしやはり「大殺陣」という割には、あの大根を切るような、ズバッ、ズバッという小気味よい音で次々に切り捨ててゆく感じではなく、大振りに刀をブルンブルン振り回し、それのほとんどは虚しく空を切り、たまたま敵のどこかに当たるという感じの百姓一揆みたいな(これもどんなんだか知らぬが)光景であった。
剣客と謂える強者がいない為、切っては捨て切っては捨てみたいな流れるようなリズムはそこには望めぬ。たまたま頭とかに当たってわあっとか相手が倒れるなど、そうしたものである。
だが実際の闘いはこういう感じであったように思えてくる。
きっとこちらがリアルなのだ。
そして捨て身の追撃の迫力で籠から転げ落ちた綱重とそれを守るサムライたちを吉原の門内におびき寄せるまでは成功するが、ここで何と一番肝が据わっていそうだった渡海八兵衛が弱気になり、裏切ることとなる。これで総崩れとなりターゲットを討ち果たすことなく、決死隊は皆討ち死にしてしまう。

daisatsujin003.jpg

そして更にリアル感があるのが、これまでかというところで、かつて酒井の反対派の粛清の際にとばっちりで巻き沿いを喰った神保平四郎を助けた浪人浅利又之進が、運ばれてきた神保の無残な躯を目の当たりにする(彼は丁度吉原に遊びに来ていてこの事件に巻き込まれた)場面だ。神保の手には自分が貸した刀が固く握られていた。刃は中ほどでへし折れ、闘いの壮絶さを物語っていた。
神保の無念の姿に、これまで厭世的で享楽に耽って世を渡って来た彼の内面の奥底から激しい怒りが燃え滾って来た。
彼は神保の手から折れた刀を抜き取り、馬で駆け付けて来た酒井と今や談笑しながら吉原を後にしようとする綱重向って切り込んでゆく。
綱重などもうすんでのところまで追い詰められた直後だと言うのに何と楽観的なのか。
まさに喉元過ぎれば熱さ忘れるである。だが、これもリアルでよい。そんなものだろう。
一難去ったところでホッとして油断したのだ。
確かにテロ実行隊は殲滅された。
つまり想定外の男(吉原で遊んでいた男)にふいに綱重は討たれたのである。
無論、綱重を切った浅利又之進も取り押さえられ殺された。
だが、見事山鹿素行の計画は成就されたのだ。

酒井忠清の現実を認められない悲壮な姿は判るが、この様子を遠くから眺めている山鹿素行はどうしたものか。
全くの傍観者である。
立案者一人だけが生き残った。
(ちなみに彼の自慢の姪であるみやも仲間である日下仙之助の手にかかり殺されている)。

無常で暗い映画である。








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これから暫くは、時代劇というものを観てみたい。





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