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GOMA28

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夜と霧

Nuit et brouillard002

Nuit et brouillard
1955年
フランス

アラン・レネ監督
ジャン・ケイヨール脚本・原作
ミシェル・ブーケ ナレーション
ハンス・アイスラー音楽


これは、記録フィルムである。
題名は1941年12月7日のヒトラーの総統命令「夜と霧」から。
フランクル「夜と霧」はわたしももっている(ある心理学者の強制収容所体験)。
撮影当時(現在)の雑草に塗れたアウシュヴィッツのユダヤ人強制収容所付近をカメラが映し出すところから始まる。
その辺一帯は、いたって静かで長閑な光景だ。
勿論、収容所跡に踏み込めば、今でも鉄条網が張り巡らされ尋常ではない場所であることは明らかとなる。
ただ、高圧電流は流れていない。

モノクロニュースフィルムとこの映画撮影時のカラーフィルムの編集構成による映画。
淡々とした必要最小限のナレーションが絡む。

モノクロニュースフィルムのあっけらかんとした即物性が際立つ。
そして何よりその夥しさ、である。
「数」に圧倒され力を失う。


夜陰に乗じて霧に紛れて貨車に荷物のように封印されて積まれ多くの死者を出しながらアウシュヴィッツに送り込まれるユダヤ人。
今もその線路は雑草の中に残る。

Nuit et brouillard001

彼らは丸裸、丸坊主、入れ墨を入れられ、分類、序列を付けられる。
施設は丸く穴の開いただけのトイレ。
ただの棚のようなベッド。無論、毛布などない。
強制労働によって地下に巨大な工場が建造されてゆく。
スープにありつけない弱者。
病院はあるがそれは人体実験の施設に過ぎなかった。
だが、交響楽団もあり、動物園もあった。
そこは拡張時には10万人からの都市を形作ってはいたが、途轍もない都市であった。
毎日、点呼の数が変わる。
死者が日毎に多数出る為。
些細なことで懲罰も絶えない。
暇つぶしに殺されるものもいた。
執拗に繰り返される拷問。
要はどの時点で殺されるかであった。
点呼の時間が異常に長く、皆、裸である。
屍も皆、裸である。
モノである。

ヒムラ―の視察により「生産的処分」が命じられる。
生産性の高い焼却炉が導入される。
囚人自らがその施設の施工をさせられる。
今でも観光客が記念撮影をするほど見栄えも良い。

ガス室の固い天井に刻まれた多くの爪痕。
累々と山積みにされた屍体。
何とか細い屍体。
なかには顔だけが無傷で綺麗な女性の皮と骨だけの屍体。
首だけ切り落とされた胴体。夥しい首の数。
ブルトーザーで屍の山を押しのけてゆく。
夥しい黒く焼け焦げた屍体。
それでも焼却炉が足りないのだ。
屍が多くて先に進めない。
焼却用の石炭が尽き、敗戦を迎える。

Nuit et brouillard004

後に残ったのはそれでも処理しきれず地を埋め尽くす屍だけではない

遺品の山
すべて回収して、、、どうしたのか。
身分証から作った膨大な名簿。
女性の毛髪の山は売られて毛布にされたという。
遺体は石鹸に。
骨は肥料に。
剥いた皮にはふざけた絵が描いてあった。どれくらい持つものか。


収容所で働いたカポ(ドイツ人刑事犯)も将校もみな口を揃えて言う、、、
全ては上からの命令でおこなったのだ。
「責任はない」と。


これが人間である。

Nuit et brouillard003

最終的に解放された人々もこれまでの生活に戻れるのか、、、?

映画のエンディングのナレーション、、、
「廃墟の下に死んだ怪物を見つめる我々は、遠ざかる映像の前で希望が回復した振りをする。ある国のある時期における特別な噺と言い聞かせ。」
「所内に消えやらぬ悲鳴に耳を貸さぬ我々がいる。」







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