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GOMA28

Author:GOMA28
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氷菓 その1

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2012年
武本 康弘 監督・脚本
米澤穂信 原作


                         声):
折木奉太郎(古典部、推理の達人)、、、中村悠一
千反田える(「豪農」千反田家のひとり娘、古典部部長)、、、佐藤聡美
福部里志(奉太郎の親友、古典部、総務委員会)、、、阪口大助
井原摩耶花(漫画研究会、図書委員、古典部)、、、茅野愛衣
入須冬実(総合病院院長の娘、女帝と呼ばれる)、、、ゆかな
糸魚川養子(神山高校教師、司書)、、、小山 茉美
十文字 かほ(荒楠神社の宮司の娘)、、、早見沙織
折木 供恵(奉太郎の姉、元古典部、インドにいる)、、、 雪野五月
遠垣内 将司(壁新聞部部長、父が教育界重鎮) 、、、置鮎龍太郎
田名辺 治朗(総務委員会委員長)、、、福山潤
陸山 宗芳(生徒会長、絵が上手い)、、、 森川智之

ライトノベル~TVアニメ~実写映画と流れて作成されている作品であり、今回は全22話のTV版を観てみた。
(いつもながらノベルの方は未読)。

監督は、京都アニメーションにおいては「らき☆すた 」、「涼宮ハルヒの憂鬱」の監督も務めている。
更に「日常 」、「中二病でも恋がしたい! 」、「たまこまーけっと 」、「Free!」、「境界の彼方」、「響け! ユーフォニアム」、「無彩限のファントム・ワールド」、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」、、、等の演出、作画も精力的に行っている。

声優陣がとてもゴージャスで有名な作品でもあるらしい。
確かにそのせいか、アニメ門外漢のわたしにも大変心地よく物語に入り込むことが出来た。
精緻に描かれたキャラの表情・動きに声がよく合っているというレベルを超えた融合~調和を感じる。
つまりこの二次元の表現芸術がとても身体的に自然フィットするのだ(わたしはいつも多少の違和を感じるのだが)。
特にこの「声」に馴染んでしまうと実写~役者がやるのはきつくなるはず(実写への展開の難しさは実はこの「声」ではないか)。
(この物語は殊更、ことばに拘り、ことばを大切にしている)。
表情の細やかな変化~内面の変化は役者の技量でこのレベルの演技は可能であろうが。

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「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」
折木奉太郎、とてもよいモットーだ。
しかし千反田えるが彼を焚き付け難問推理にあたらせるうちに、自他ともにその推理・洞察力を認めることになる。
そのため徐々に非効率的なエネルギー消費に自ら向かってゆく羽目となる。
確かに才能は、こういった形で引き出されてゆくことが多い。
(彼の姉はどの辺まで計算して彼を古典部に入部させたのか?)

「わたし気になります!」
あの目を綺羅めかせ訴えられると、取り敢えずは真実はどうでもよいが、えるを納得させる必要は感じてしまう。
奉太郎の必死さは分かる(笑。この時点で省エネモードはすっ飛ぶ(笑。
探求よりディベート要素もかなり感じるところでもあるが。
これで奉太郎も覚醒して行き、グレーの生活信条からピンクも良いなと思い始めることに繋がる。
えるは奉太郎に対する信頼度が高まり摩耶花も彼を大いに見直してゆく。
元より奉太郎に一目置いている里志はジェラシーを覚える。大らかで開放的に見える彼は自分の力を限定しており、「データーベースは答えは出せない」というのが口癖である。奉太郎につられ彼も揺らぎ始める。

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この作品も「無際限のファントム・ワールド」や「境界の彼方」と異なり、日常のディテールを静かに丁寧に拾ってゆく。
それこそ、えるの髪の毛の動きひとつも見逃さないくらいに。
すべてが微細な感情表現に連動する。
ひとつの動きが様々な関係性に広がって行く。

そうか、こうしてアニメーションというものはつくられてゆくのか。
ふと、合点したような気になる。

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古典部の文集「氷菓」がどういう経緯で作られたのかを、45年後の部員が解いて明かすという謎解きはとても粋である。
この第五話までの流れはとてもワクワクした。
また古典部の面々がストイックで直向きなのが微笑ましくもあった。
彼らはいつの間にか、よい高校部活生活を送っている(奉太郎などまさに姉の思う壺ではないか)。
特にえるのお屋敷で開く限られたテクストから抽出する各自の読み取りと仮説の発表。
今更ながら、わたしは羨ましい。
こんな経験は各自にとっての宝となるはず。
そしてここで奉太郎のまとめた物語の整合性に皆が感心し納得する。

しかし、失踪した彼女の叔父、関谷純の人物像にえるが感情的な齟齬を覚える。
実は奉太郎もそうであった。物語に理屈の上での破綻がなく綺麗にまとまっても、えるが納得しなければ意味がない。
これはえるの深層心理に沈んだ叔父の物語を白昼の元に引き上げる作業なのだ。
えるの感情を揺さぶれないことには、感情が納得しなければ、まだそれが真相に迫り切れていないことを意味した。
ここからの展開が一つの山である(時折、姉がインドから超能力者のようなヒントの電話をくれるところには笑ったが)。
とてもリアリティがあって良かったと思う。



犠牲~生贄を生む構造とはそうしたものだ。
当時がそんな風潮であったかと言えば、そんなことはなく寧ろそれは歴史的な問題というより人間社会にはいつでも起こりうる不条理な事件である。わたしは、こうしたことは今でもいくらでも起こりうると確信をもって謂える。
"I scream"のダジャレは、こちらも言われる前に気づいていたが、そんなことはどうでもよい。
感動した。

ひとつ蛇足であるが、何も限られた僅かなテクストから真相を掬い出すだけでなく、狭い街のようであるし当時の事件にかかわった年配の方からの証言を取って回っても良かったのではないか?個々の受け取り方の差はあろうが、より生々しい情報が得られる可能性は高いと思われたのだが、どうなのであろう?それはNGなのか?



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COMMENT

No title

とても楽しみにしています

ありがとうございます

> とても楽しみにしています
氷菓に関しては、取り敢えず2と3はアップしております。
宜しくどうぞ。

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