響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ その2

2016年
石原立也 監督
花田十輝 脚本
武田綾乃 原作「響け!ユーフォニアム」
(声:
黄前久美子、、、黒沢ともよ(ユーフォニアム)
加藤葉月、、、朝井彩加(チューバ)
川島緑輝、、、豊田萌絵(コントラバス)
高坂麗奈、、、安済知佳(トランペット)
滝昇、、、櫻井孝宏(吹奏楽部顧問)
塚本秀一、、、石谷春貴(トロンボーン)
中世古香織、、、茅原実里(トランペットパートリーダー)
小笠原晴香、、、早見沙織(部長、サックスパートリーダー、バリトンサックス)
中川夏紀、、、藤村鼓乃美(ユーフォニアム)
吉川優子、、、山岡ゆり(トランペット)
後藤卓也、、、津田健次郎(チューバ)
長瀬梨子、、、小堀 幸(チューバ)
田中あすか、、、寿 美菜子(低音パートリーダー、副部長、ユーフォニアム)
この後の「劇場版 響け! ユーフォニアム ~届けたいメロディ~」(2018)があり、「劇場版 響け!ユーフォニアム 誓いのフィナーレ」(2019)で完結のようだ。本作は3部作の1作目ということになる。

「響け!ユーフォニアム」ということで、ヒロインがその楽器であることからも、当然黄前久美子とユーフォニアムを中心に展開するものと思っていたら、寧ろ彼女と深く絡む高坂麗奈とトランペットを巡り展開する映画であった。
キャラとしても麗奈の性格と技量は際立っており、久美子は特に強い個性や主張を持つわけでもなく彼女の理解者としてサポートする立場と言える。
勿論、久美子の心の揺らぎや葛藤、麗奈との関係を通して自分を見出してゆく過程も見られ、終盤、久美子の強いこころの叫びも窺え彼女の変化もしっかり分かる。
だが、麗奈のビビットな身振り~言動が物語を進展させてゆく。

もうひとり大きな役割を果たしているのは、部活顧問の滝昇であろう。
語り口はソフトだが、指導方針とその方法はきっちりと詰めてあり、全くブレない。
その容貌~姿と声がまさにそういう人を表しており、ここがアニメーションの説得力であることを実感する。
高坂麗奈が恋心を抱いているというのもどう展開するのか。
かなり強力な軸であろう。
(そもそも彼女がこの高校を選んだのも、滝が吹奏楽部顧問に就任することを知っていたからである)。
そのような特別な繋がりは、確かに部活という共同体をざわつかせる要因にもなろう。
だが、それを力で捻じ伏せる確かなものを持っているうえに久美子というノーマルな見方がいる。

細やかな所作がとても綺麗な流れを作っているが、特に久美子と麗奈の二人のシーンは大変魅力的な仕上がりとなっている。
微妙な感情や想いを伝える想定外の仕草とそれを支える表現力と光と陰による演出力、これらは京アニならではのものであろう。
単に描写が細かいとか質感がよく出ているというレベルのものではない。
皮相的な写実ではなく、絵の作りそのものが独創性を目指している。
ユーフォニアムがこの後の展開で大きな役目を果たしてゆくのか。
久美子がこれからどのような変化を見せるのか。
終盤にはかなりのまとまりと技術の向上を示していた部員たちのそれぞれの動きも気になる。
第二部、三部もこれは是非観たい。

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