プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
基本的に、日々思うことを綴ってゆきます。悪しからず。
必ずパソコン画面(PCビュー)でご覧ください。

*当サイトはリンクフリーです。

PICKUP
ハイヒール
お嬢さん
とうもろこしの島
セールスマン
トラピスト1に寄せて
「労働疎外より人間疎外」によせて
カッシーニ グランドフィナーレ
カッシーニ グランドフィナーレⅡ
シチズンフォー  スノーデンの暴露
スノーデン
シャイン
鑑定士と顔のない依頼人
英国王のスピーチ
やさしい本泥棒
末期の目
レヴェナント: 蘇えりし者
透明な身体性
森羅万象を描く デューラーから柄澤齊へ
ヴィデオドローム2 ~イスラム国 ~アノニマス
見えない重力を描く Ⅱ
美の翳りに寄せて
写真についてーⅡ
午前零時の奇蹟(シュル・レアリスム覚醒の時間)
パーフェクト・デイ ~ルーリード ~ローリー・アンダーソン ~スーザン・ボイル
未来派の画家~ウンベルト・ボッチョーニ
Balthus ~ バルテュス展行ってまいりました。
「ゴールドベルグ変奏曲」 バッハ  ~グールド ~P・オトゥール ~ニーチェ
大昔のスケッチ(詩画集のための試作)
すでに世界は終わっていたのか ~ ヒエロニムス・ボスその1
スヌーズレン002
情報リテラシー  ~華氏911 ~不都合な真実
南伸坊「歴史上の本人」
プラトーン
カレンダー
08 | 2019/09 | 10
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -

涼宮ハルヒの消失 その1

haruhi001.jpg

The Disappearance of Haruhi Suzumiya
2010年

石原立也 総監督、武本康弘 監督
志茂文彦 脚本
谷川流 原作

       (声:
キョン 、、、杉田智和
涼宮ハルヒ 、、、平野綾
長門有希 、、、茅原実里
朝比奈みくる - 後藤邑子
古泉一樹 、、、小野大輔
朝倉涼子 、、、桑谷夏子


わたしは、涼宮ハルヒ関係のものは全く観ていない。
「涼宮ハルヒの憂鬱」すら観ていない(これから観てみたいがTV版全回観るのは大変)。
(これの劇場版があればそれを先に観るのだが)。
だが、べらぼうに面白かった。
何も細かい部分まで全部理解する必要などない。
世界観はしっかり味わえた。

京都アニメーションと知らず観ていた「聲の形」といい「けいおん!」といい、日常描写の密度が半端ではなかった。
ただし、この映画より「けいおん!」の人物描写の方がデザイン、動き共に完成度はかなり高く感じた。
作画の点で大変評価の高い京都アニメーションであるが、確かにそれに同意するも、ストーリー~物語の内容自体に瞠目するものがある。わたしとしてはその思想性に惹かれる。

3時間近い作品であったが、あっという間に観終わった感じだ。
最初の頃こそ、「けいおん!」の方が絵がいいなあとか思いつつ観ていたのだが、それも気にならなくなっていった。

やはり日常のディテールへの描き込みであろう。
感情を捉える所作が細かい。表情も細やか。けいおんにも見られた紅茶の揺らぎと仄かな湯気。
個性をちょっとした身振りで(靴の脱ぎ方などで)表すところなど、良質な映画ならではのものである。
登場人物の日常生活がとても身近に臨場感もって眺められる。

そのため、その日常の書き換えが突然起きたときのインパクトは大きく、キョンが新たな現実の隅々に緊張した神経を張り巡らすのにこちらも思わず同調している。

受け身な感じのキョンとやたらと威勢よく取り仕切るハルヒとの関係を中心に動くものか、と想い観始めたのだが、どうやら長門有希という(感情のない理性だけの)宇宙人?の女の子がキーパーソンであることが分かる。
ハルヒ消失というくらいで、肝心のヒロインは影を潜め、味わい深い性格の長門有希が印象に強い。
この少女の寡黙さと僅かな感情の起伏が物語の主調を成し、全ての事象の微視的な場に注意が注がれ静かにひたひたと進展してゆく。
こういう流れであるから、一時も目を離せない。

ハルヒが不在である普通の落ち着いた(しかし力の無い)~実際風邪が流行っていて欠席者も多い世界で、以前のハルヒ中心に回る世界を対象化して喪失感に苛まれ戸惑う寄る辺なきキョン。
ここでハルヒだけでなく、超能力者でキョンの監視をしていた古泉一樹もおらず、キョンを殺そうとした転校したはずの朝倉涼子は普通の少女として現在のクラスに溶け込んでいた。彼と特に親しかったらしい朝比奈みくるは、特に縁のない同じ学校の生徒に過ぎなかった。以前の世界の記憶を保持するのはどうやらキョン独りであるらしい。
打つ手なく、普通の大人しい(秘めたものをもった可憐な)女の子になってしまった長門有希と一緒に文芸部室~かつてハルヒの結成したSOS団部室で事態の整理をしている矢先、世界が激変する前にこの事態になることを予測して彼に以前の長門が書き送った栞を本の中に発見する(どうやら長門という少女は非常に大きな力を持った存在であったらしい)。
彼はそこに書かれていた事態を戻すことを可能にする鍵を見つけることに全力を尽くす。

彼はひょんなことからハルヒが他の進学校に通っていることを知る。何と古泉一樹も彼女と一緒に下校する同じ学校の生徒であった。
ここから物語は大きな展開を示す。
ハルヒも古泉も前の世界の記憶はないにも関わらずキョンの説明に興味を示す。特にハルヒは強烈に反応する。
ハルヒはキョンの通う北校に古泉と共に乗り込み、かつてのSOS団メンバーをその部室に全員集める。
そのメンバー全員こそが例の鍵であった。

パソコンがひとりでに起動し、世界を元の時間流に戻すか、このまま放置するかをキョンに委ねるプログラムが立ち上がる。
正念場である。彼はそこで熟考する。
ハルヒに振り回されいつも常軌を逸した騒ぎに巻き込まれる生活を選びなおすか、このまま特異な生徒のいない学園生活を享受するか。
(以前、キョンが望んだものは後者であった)。
だが、彼は今やハルヒが彼女として機能しない日常を認めることが出来ない。
彼はプログラムを実行し元の活気と生命力溢れる世界に戻すことを決断する。
だが、それは同時に内面をもち感情を育む長門~このほんとうをいえば彼女の望んだ姿になることを疎外する決定でもあった。
元に戻れば彼女は感情の感じられない存在に落ち着くことを意味しよう。




関連記事

COMMENT

EDIT COMMENT

非公開コメント

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: