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GOMA28

Author:GOMA28
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トータル・リコール 2012

Total Recall2012 005

Total Recall
2012年
アメリカ

レン・ワイズマン監督
フィリップ・K・ディック原作『追憶売ります』

コリン・ファレル 、、、ダグラス・クエイド / カール・ハウザー
ケイト・ベッキンセイル 、、、ローリー(クエイドの妻、連邦警察の諜報員)
ジェシカ・ビール 、、、メリーナ(レジスタンス、ハウザーの相棒)
ブライアン・クランストン、、、 コーヘイゲン(UFB代表)
ビル・ナイ、、、マサイアス(レジスタンスのリーダー)
ボキーム・ウッドバイン、、、ハリー(クエイドの職場の同僚、連邦警察の一員)


1990年「トータル・リコール」(ポール・バーホーベン監督)のリメイク版である。
夢というものは、やはり潜在意識が自分に何をか告げ知らせようとするものなのか。
そのソースは過去から汲み取られる。そして常に同じ夢が現れる場合、潜在意識がアラートを発していると捉えた方がよい。
ダグラス・クエイドからカール・ハウザーに戻りかけた彼は、勿論、以前の自分がどんな男であったのか知らない。
彼は本当の自分を取り戻したいと願う。

しかしマサイアスが肝心なことを諭す。
今更過去に捕らわれることはない。今現在が何であるかがもっとも大切なことなのだと。
そう、記憶を消されたり、異なる記憶を植え付けられ操作されてきた彼としては、本当の自分というアイデンティティにどうしても拘りたくなる。その根拠を過去の(記憶を弄られていない頃の)自分に求めようとする。しかし果たして過去の自分がいまあるべき自分であろうか?
自分という「存在」は絶えず「現存在」によって生成されるものであり、その根拠は「現存在」にこそあるという。
マサイアスは、ほとんどハイデッガーであった。

ハウザーは納得する。
マサイアスを射殺したコーヘイゲンが安心しろ、直ぐにお前を昔のお前に戻してやると言って現在の記憶をまた上書きしようとするが、拒否して抵抗する。そうなのだ。昔の自分などもう現存在にとっては意味をなさない。
夢に再三現れた女性が誰であるかがはっきり分かった以上、彼女とこれからの困難を切り抜けてゆけばよい。
現実が過酷であっても、もう悪夢に魘されることはない。


この物語は郷愁を誘う。そして途轍もないアクションが続き緊張感も半端ではない。
銃撃戦は頻繁に起こり、シンセティックというロボット相手のバトルも見ものである。
貧困層の労働者の居住区であるコロニーには絶えず酸性雨が降り続いている様子で、ぎらぎらする極彩色の看板にごみごみした細い路地などまさにブレード・ランナーのサイバーパンクな光景だ。日本語の電光看板も目立つ。
この猥雑な空間での考えられる限りの逃走劇が繰り広げられる。
そして富裕層の居住地であるブリテン連邦での磁力によって浮遊して飛ぶ車での壮絶なカーチェイスもハラハラしっぱなしであった。磁力によるアクションも唸った。
そしてイギリスを中心とした富裕層の住むブリテン連邦(UFB)とオーストラリアの労働者の居住地コロニーを結ぶ唯一の交通手段であるフォールという巨大エレベーターの中での重力反転のアクションも入るこれまた壮絶なバトル。
他のアクション映画と比べても圧倒するほどのものだ。


富裕層のブリテン連邦と労働者の居住するオーストラリアに位置するコロニーで世界が二分化されて形成されており、唯一の移動手段がフォールというエレベーターで地球の表裏の交通を可能にしている。
また火星に労働に出たり、土星旅行に行ったりもしているようだ。
しかし労働者に旅行は無理である。
そこで、リコール社が記憶の植え付けで、旅行気分をリアルに味合わせるサービスを提供していた。
悪夢に悩まされ続けてきたクエイドは火星が妙に気になって仕方ない。そこで火星旅行を経験してそれが意味するところを知りたいと思うようになる。
いくらリアルと言っても単なる幻想に過ぎないじゃないかというクエイドに対して社長は、脳にとっての現実となりますと返す。
ここで脳内の記憶を探られたことが契機となり、クエイドは自分をはみ出してゆく。

その後はクエイドの身体性が彼の意識に対して多くの情報を刺激的に与えてゆく。
自分では持った経験がないはずなのに銃を完璧に使いこなす。
闘いに必要な武術や体術を心得ている。
ピアノが弾きたいと言いながら弾くこともなかった彼がUFBのかつての自分の部屋でピアノを弾き始める。
そのピアノのキーが昔の彼と出会うキーとしても働いた。
(実はこのシーンもブレード・ランナーを強く想起した。静かな郷愁と共に)。
そしてメリーナを見分けるのもかつて握り合った自分と彼女の手を貫いた銃弾による傷であった。
このように身体性が意識を逆照射してアイデンティティを収斂する面は大きい。

また、面白かったのは、二人を投降させようとハリーがネゴシエーターとして現れた時である。
彼は、君は今リコール社の椅子に座っている状態なんだ。これは全て脳内の幻想であるから、早く戻ってこいと説得するのだが、これがかなりの説得力を帯び、ダグラス・クエイド / カール・ハウザーが迷いに迷うところはこのコンテクストにおいては実によく分かるところであった。何が本当で嘘なのか、誰が敵で味方なのか、混乱するのも当然ではある。だが、メリーナの涙~その身体性からどちらの言うことが本当か決まる。

UFBが人口過密となり労働者の居住するコロニーの土地を奪うため、 コーヘイゲンが自作自演でテロを頻発させ、その黒幕がレジスタンスのマサイアスであると仕切りに宣伝し、シンセティックを増産して攻撃に向かうパタンは、現実において既視感たっぷりなものがあった。


ケイト・ベッキンセイルが物凄く強くてタフな悪女で出ずっぱりであった。
冷酷無比なクールビューティで存在感抜群であった。
人間味のあるジェシカ・ビールとは良い対称を成していた。
オリジナル版のようにマサイアスがお腹から出てくるのか気になっていたが、その辺はとてもすっきりしていて、普通のおじさんがその人として出てきて直ぐにローリーたちに追い詰められ、コーヘイゲンにあっけなく射殺されてしまった。
謎のレジスタンスのリーダーなのだ。もう少ししぶとくてもよかったが。
オリジナルのこの部分は、クローネンバーグ監督テイストであったが今回はその要素は締め出してあった。







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