ファースト・コンタクト

The Beyond
2017年
イギリス
ハズラフ・ドゥルール監督
ジェーン・ペリー、、、ジリアン(「スペースエージェンシー」所長)
ノエリーン・コミスキー、、、ジェシカ(ジリアンの親友の科学者)
トム・クリスチャン
デビッド・ベイリー、、、ヤコブ博士
エズラ・カーン

モキュメンタリー形式で科学番組の特集を観る感覚に近い。
こういう感じは好きである。
地球衛星軌道上に突然現れた謎の現象。国際宇宙ステーションの近傍でもあった。
船外作業をしていたマルセル飛行士は強烈な光に呑み込まれ姿を消す。
どうやらそれはトンネル状の構造をもっているらしくヴォイドと名付けられ、スペースエージェンシー(国際的宇宙関連組織)によって解明が急がれる。
そこに生命の存在を示す1420メガヘルツの電波が観測されたことが大きい。
もしやそれがワームホールで、そこから覗く天体らしき球体が知的生命体の惑星であるならば、ファーストコンタクトの願ってもない貴重な機会となろう。科学者たちが一斉に色めき立つ。
それと機を同じくして巨大な球体の雲のような物体が世界各国上空に現れ留まる。
各国の軍は緊急体制を取り動きに対して身構える。
人々は恐怖と不安からその物体の排除を訴えるデモを起こしたりする。
今一つ世界の人々への政府(いや国連か)の見解と説明がどうなされたのかが不明である。
それ次第では大きなパニックが起きかねまい。
この事態に対し所説入り乱れるが、どれも的外れな見解に思える。
あまり説得力を覚えない。
ともかく、そのワームホールみたいな裂け目が消える前に、その中を調べようということで、無人探査機を飛ばすがいまひとつ詳細なデータが得られず消失してしまい、飛行士を向かわせたいが、人体が耐えられるような環境ではない。
そこで、秘密裏に開発が進められていた「ヒューマン2.0」計画が実行に移される。
倫理面で大いに問題を抱えこれまで政府から容認されなかった研究であるが、この事態から緊急に実施される運びとなった。

人の脳を強靭な人工人体に移植し、生身の体では対応できない環境下でも任務の遂行を可能にするプロジェクトである。
ここで肝心なことは、一たび移植を実行するともう元には戻れないということだ。
生きていても違う身体に生きるわけであり、以前の生活には戻れないことを意味する。
それを理解したうえで参加する人を募集するが、癌に侵された人や下半身不随の人や野心的な元軍人や宇宙で専門知識を活かしたい人などが集まる。
様々な能力、適性テストを経て、下半身不随の男性がその認知能力の高さから選ばれる。
だが、移植の際に脳と人工身体(接続する神経系)の拒絶反応が出て、(ニューロンの混乱により)脳がオーバーロードしその男性は死亡する。
研究者はショックを受けるが、時間的猶予はない。
より適応力を高める工夫と改良が加えられ間を置かず二度目の試みとなる。
人工ボディ(合成ジェルの神経系)に脳を移植する体の細胞を予め注入し脳との親和性を高めることで、拒絶反応を回避するのだ。
今度は全スタッフの生体サンプルから酵素に適合する人間がピックアップされた。
なかでももっともふさわしい人間として、ジリアンの親友のプロジェクトを熟知する科学者であるジェシカに白羽の矢が向く。

ジェシカは悩んだ末に決心する。
そして再び移行が行われた。
彼女は適合を示し、融合は成功する。これはある意味、神の領域ともいえるか。
史上初めての意識と機械の融合である。
音声合成装置が不具合を起こし、それは付け替えることになった。
宇宙船には、武器を腕に仕込んだ兵士型ヒューマン2.0も同乗しヴォイドに向け飛び立った。
そして思ったよりも遥かに早く地球に帰還した。
僅か数日で帰ったのにジェシカの脳には数年分の情報が蓄積されたことがトランスコーダーを繋ぐことで分かった。
地球の時間と向こうの時間の流れは大きな差があるのだ。
彼女の記憶の解析から観た光景が再生される。
凄まじい圧力と光に呑み込まれたかと思うと知らぬ間にジェシカは見知らぬ惑星に降り立っており、そこで霧のような不定形な存在の出向を受ける。そのなかに消息を絶ったマルセル飛行士が現れ、彼から「何も心配ない、時が来た」というメッセージを直接意識に受ける。彼はしっかり生存していたのだ。
同乗した兵士型はいつの間にか宇宙船の外にいて、腕の武器の大爆発と共に跡形なく消えた。
彼女が目覚めたころ、大量の宇宙デブリが地球に壊滅的被害を及ぼす規模で降り注いで来る。
この時、一斉に宙に待機していた球体が蠢き大きく巻き上がり、衝突を全て防いでくれた。
ここで相手の意図が明確になる。
地球は救済に値するという判断の下での行為であった。
(コンタクト用に用意した地球の歴史を詰め込んだ記録ドライブを元にした判断であったようだ)。
誰もが自分たちの他者に対する自動的な反応に自覚的になる契機でもあった。
ジリアン博士は脅威に対する攻撃の構え以外の対応~判断をする必要性を説く。
軍は未だに懐疑的であったが。
マルセル飛行士も何も覚えていないが無事地上に発見される。
そしてヴォイドの消えた後、地球の近傍に新たに地球そっくりの惑星が突然、生成される。
アース2と名付けられたその星は、人口急増と汚染、資源欠乏に危ういところに立つ地球人にとって神の恩寵以外の何ものでもあるまい。
彼らが何故、そこまでしてくれるのか。
ただし、われわれは過去に学ばねばならない。同じ過ちは許されない。
という認識を新たにするのであった、、、。
太陽系の重力バランスが気になるエンディングではあった、、、。
太っ腹の宇宙人である。
「コンタクト」、「メッセージ」を思わすSFであったが、、、。
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