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GOMA28

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フリークス 怪物園

Freaks001.jpeg

Freaks
1932年
アメリカ

トッド・ブラウニング監督・製作
ウィリス・ゴールドベック、レオン・ゴードン、エドガー・アラン・ウールフ、アル・ボースバー脚本

”Freaks”のことは、本や雑誌のなかで取り上げられているのをこれまで幾度も観てきてはいたが、実際にそれを鑑賞する機会がなかった。

今日やっと見る事が出来た。
色々な意味で、想像以上のものであった。
(ただオリジナルの90分ものは、様々な圧力~弾圧で切り刻まれ64分短縮版を見ることになったが、いまやオリジナル版は存在しないという、、、なんという、、、)。

見世物小屋~サーカスが舞台であるが、本物の見世物小屋のスターがキャストを務める。
(最近の映画のようなVFXは一切ない!1932年である。)
彼らがよくこれだけヘビーな役を演じる気になったものだ。
ユーモラスな場面も少なくないが、全体に鬼気迫るものである。
本気で自ら意欲的に愉しんで演じていることが分かる。
そこには異様な緊張感が基調にあった。

Freaks002.jpg

生々しいのだ。
われわれの(日常の無意識的な)身体感覚を宙吊りにする何とも言えない居心地の悪さ、寄る辺なさがずっと続く。
その異形さも、下半身が無く腕だけでバランスを取って昆虫のように軽快に移動する人や、両腕がなく足ですべての手の仕事をなす女性や、手足がなく布にくるまってモゾモゾ動き、口と舌だけでマッチを擦って煙草をくゆらせている人や、それぞれが別の男性と結婚を決めたシャム双生児の姉妹や、小人症の人たちや、小頭症の人たちなど、、、マジンガーZに出ていた「あしゅら男爵」の元型と思われる顔半分が男女で分かれている人もおり、、、ともかくオールスターが揃っていた。
他の映画にも(「ブランカニエベス」などで)よく出てくる小人症の人がとても身近に感じられ彼らがメインに登場したときはホッとする。

Freaks006.jpg

そのなかで怪力を誇るヘラクレスと曲芸を担当するクレオパトラは数少ない健常者であるが、ふたりで結託して遺産が転がり込んだハンスという小人症の男性の金を横取りしようと彼の殺害を企む。
偽装結婚をして小さな夫の飲み物に毒を混ぜて殺そうというのだ。
(この式の席で披露されるフリークスの持ち芸が凄い。長い剣を丸呑みするプロフェッサーや火を喰らう怪人や、、、これらも圧巻であった)。
しかし最初にハンスが結婚パーティでワインを飲んで倒れた時から周囲のフリークスが事の次第を察知し、暗殺を企む二人を鋭くマークし始める。
勿論、ハンスが中心となって彼らを仲間全体で追い詰めてゆく。

かなりスリリングである。
噺の骨格は、奇形の人たちがこれまでの差別でこころに蟠りを抱えているも基本的に素直で純粋な善良なパーソナリティの持ち主で、数少ない健常者の力自慢と曲芸師の男女は、内面は冷酷で強欲な怪物として描かれる。
かなり単純で判り易い構図だ。

Freaks003.jpg

しかしそれを尋常でないアクター、アクトレスが演じる為、その攻防も特異な様相を呈する。
決闘の場は雨の強い深夜の荷馬車での移動時である。環境(演出)的にも禍々しい。
(彼らは荷馬車単位で生活しており、見世物小屋の移動時には、所謂キャンピングカー単位での大移動となるのだ)。
それぞれに自らの武器を持ったフリークスが闇の中から襲い掛かる。
これは当時においてはかなりの衝撃を観客に与えたことは想像できる。
(銀幕を汽車が走って来るだけで席から飛び退いた観客が沢山いた時代からそれほど経ってもいない)。
当然既成観念を逸脱した嫌悪感から、けしからんとかいきり立つ人権擁護の紳士淑女もいただろう。

Freaks005.png

だが、そんなことより、エンターテイメントとしてとても面白いなかなかない見ものであることは確かなのだ。
何でこれに素直に驚き、楽しめないのか?(当時としてはインパクトが強烈過ぎたのかも知れぬが)。
それでは熱演した役者にも申し訳なかろうに。
どこがどう残酷であったのかはもう知る由もないが、こんな貴重なフィルムを切り捨てるなど蛮行にもほどがある。
ぎこちない流れを時折感じたものだが、それが影響しているのは間違いない。
しかし全体として観れば、とてもよく出来た映画であった。
優れた監督だと思うがこの「衝撃作」以降仕事が来なくなったという。
今であればどうだろうか?保守的で排他的な感性は寧ろ強まっている気はする。

Freaks004.jpg


わたしとしては、何度も観たくなる数少ない作品のひとつになった。






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