鉄拳の「パラパラ漫画」を見て
もうすでに多くの方が見ていることでしょうし、今更わたしが何を語るでもないのですが。
鉄拳のパラパラアニメを見てすぐに連想したのは、昔のMacのディスクトップで動き続けていた棒人形が海辺でぎこちなく砂を手ですくっては運んでくるを繰り返す光景です。かつてのMacのディスクトップアクセサリーにはその手のものが多くとても印象深く面白かったものです。
まず、飽きが来ない。押し付けがましくなく想像や連想を生む余地があり自分の好きに楽しめる。
最近の3Dもの、仮想現実とか、あのような本物そっくりの映像見せられても何にも感じないのは、あえてなんでまた本物そっくりを見なければならないんだというつまらなさから来ていることは確かです。日常現実だけでたくさん。情報量が多いだけで何も面白くない。
と常常思っていました。
表現の質というものがあんなベクトルにしか向かないのか、と暗澹たる思いもあったので、鉄拳のパラパラアニメはともかく、新鮮でした(少し精緻に出来すぎている感はあったが)。もう少し素人っぽい出来だったら、もっと思い入れもできたかなとも思えます。絵も上手すぎるし、細かく精確にきちっと出来すぎているし、トランジションの工夫も効果的な演出が成されていて、premiereの手描き版のような感じもしました(こういうところが少し上手すぎを感じるところですが)。
とは言え、そのシンプルな形式には抽象的でとても開放的なものを感じました。ドラマはしっかりできていて、言葉(文字)の介在なく成立するもので、尺も適当なものだったし、どこの国のどんなヒトが見ても無理なく受容出来、楽しめるものでしょう。
現に各国からの「感動した」という感想がかなり寄せられてもいますね。わたしもこの脚本を見て感動することはまずあり得なかったはずですが、この「パラパラ漫画」にはストレートに感動しました。思わず泣けました。これは、久々のことです。
思い返せば自分も学校の退屈な授業中によく作ったものです(笑
このパラパラ漫画という手法、可能性を感じますね。
カウンター3Dカルチャーとなる「力」を十分感じさせます。
少なくともへたな映画よりずっと面白い!
鉄拳のファンになりました。
この先、変にアーティフィシャルにならないで制作を続けて欲しいと思います。
ついでに吉本興業からのお給料が上がりますように(余計なお世話ですが)。
大変時間のかかる作業です!
もうひとつ。
MUSEのエクソジェネシスから『 交響曲第3部(あがない)』がバックに流れています。

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