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GOMA28

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リバー・ランズ・スルー・イット

A River Runs Through It002

A River Runs Through It
1992年
アメリカ

ロバート・レッドフォード監督
リチャード・フリーデンバーグ脚本

ブラッド・ピット 、、、ポール・マクリーン(弟)
クレイグ・シェイファー 、、、ノーマン・マクリーン(兄、語り部)
トム・スケリット 、、、マクリーン牧師(父)
ブレンダ・ブレシン 、、、マクリーン夫人
エミリー・ロイド 、、、ジェシー・バーンズ(ノーマンの恋人)
スティーヴン・シェレン 、、、ニール・バーンズ(ジェシーの兄)
ニコール・バーデット 、、、メイベル(ポールの恋人)


「理解することは出来なくとも、ただ愛することはできる。」
前提としてまず愛する姿勢があれば、純粋に受け容れることは出来る。
それがなければ、そもそも子供など育てられない。
他者に対してはどうか。
理解が無理でも、取り敢えず受け止めることは可能ではないか。
しかし、他罰主義を基本とした排他的な共同体であると(共通)感覚的に異質と認めた対象には攻撃性を発揮するだけ。
とりわけ無意識的に過ごしている無自覚な個体はそうだ。
他者に対する感覚~感性が乾涸びている。
この映画では、先住民は入れない酒場などが最たるもの。

兄ノーマンが、釣りも覚束ない初老となった現在、遠い過去を回想する形で進む。
語り部は終始ノーマンである。
舞台はモンタナ州ミズーラ。20世紀初頭から始まる、、、。確かにクラシックカーである。

A River Runs Through It007

川である。川面のきらきら光る透明な川。鱒釣りである。大きな鱒。
川~釣り~魚が生活の延長~一部である。
こうした環境があるのだ、、、。
糸が三者三様の静かでしなやかな弧を描く川釣りの光景はまさに絵であった。
しばし見とれる。

そしてその所作からして美しい。
周囲の風景のなかに見事に調和している。
釣りが芸術に高められている。
4拍子のリズムと謂い、型と精神をおもんじるところは、フライ・フィッシングがイギリス貴族から始まった格調高い紳士のスポーツであるからだ。
牧師のやるスポーツというところか。
牧師である父が二人の息子に教えたものだ。
恐らく聖書~宗教と同じレベルで生活の内に自然に沁みとおるように身に付いていったものか、、、。
素敵だ。

A River Runs Through It003

父はスコットランド出身の厳格な牧師であるが、高圧的な姿勢は全くなく物腰の柔らかな、知的で紳士的な人物である。
兄はちょっとお堅い感じだが弟のやんちゃには必ず付き合う真面目な秀才。
ダートマスの大学を出てシカゴ大の英文学教授におさまる。
弟はチャーミングなルックスと反骨精神で際立つ危険な魅力で人を惹き付ける。
釣りの腕前は芸術のレベルに達し、父兄をして天才と言わしめる。地元の大学を出て、ヘレナで新聞記者となる。

しかしいつしか弟のポールはとても危険なポーカー賭博の「ロロ」にのめり込んでゆく。
賭け事に凝って、大損を重ね、更にでかい賭けに打って出る悪循環だ。
丁度兄ノーマンが独立記念日に出逢い、付き合っていたボーイッシュで勝気な美女ジェシーにプロポーズした日を好機とみて危険な賭けの勝負に出る。ノーマンにシカゴ大から英文科へ誘いがあった日でもあった。
(このジェシーもとても大胆な賭けに出るタイプである。車道が混んでいるときに、鉄道の線路上を車で走破してしまうくらいの度胸なのだ。ノーマンは助手席で肝を冷やすしかない。堅実なノーマンには危なっかしい相手が常に寄り添うみたいだ)。
この日は、縁起は確かに良いに違いないが。

A River Runs Through It001

あくる朝、3人で例のごとく、川釣りに出る。
最初はノーマンにやたらと当たりが出て何匹も釣り上げてゆく。
父は安定しており手堅くいつも通りである。
ポールに焦りが出るが、兄にヒントを聞き、また彼独特の芸術的竿捌きで誰よりも大きな鱒を見事に釣り上げた。
その時のポールの得意満面な笑顔。
兄が写真に撮り、父兄で彼を褒め称える。
(これで更にポールに弾みがついたのかも知れない。おれはついている、と)。

A River Runs Through It004

まさか誰もこれがポールの最後の笑顔だなんて思いもよらない。
勿論、兄には弟に纏わりつく危険な影は感じ取っており、困ってることがあったら手を貸すと言っていたのだが、、、。

ポールの死の知らせが届き、ノーマンが警察に検死に呼ばれる。
銃で頭を殴られ右腕の骨を粉々に打ち砕かれて路に放り出されて死んでいたという。

父がポールの死について細々とノーマンに聴くが伝えられる情報はそれ以上はなかった。
厳格な牧師である父にとって、ポールは到底理解しようにもし難い存在であっただろう。
だが、その彼を絶対的に愛していたことはよく分かる。
父は、ポールは釣りが上手く美しかった、と語ったその後は、彼のことは口にしなかったという。


川~釣りを主体に流れてゆく物語であり、その流れのなかでの浮き沈みが静かに美しく描かれていた。
格調高く、釣りで人生を語る映画である。


マクリーン牧師のような父はわたしの理想だ。










バルビゾン派の画家が描くとどうだろう、と思う光景であった。

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