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ビューティフル・デイ

You Were Never Really Here003

You Were Never Really Here
2017年
アメリカ・イギリス・フランス

リン・ラムジー監督・脚本
ジョナサン・エイムズ『ビューティフル・デイ』原作
ジョニー・グリーンウッド音楽

ホアキン・フェニックス 、、、ジョー(退役軍人元FBI、行方不明者捜索業)
ジュディス・ロバーツ 、、、ジョーの母
エカテリーナ・サムソノフ 、、、ニーナ・ヴォット(アルバート州上院議員の攫われた娘)
ジョン・ドーマン 、、、ジョン・マクリアリー(闇の仕事の仲介役)
アレックス・マネット 、、、アルバート・ヴォット州上院議員
ダンテ・ペレイラ=オルソン 、、、少年時代のジョー
アレッサンドロ・ニヴォラ 、、、ウィリアムズ州知事


音楽がレディオヘッドのジョニー・グリーンウッドである。加えて主人公がホアキン・フェニックスとくれば、まともな映画ではなかろうと、察しはつく。
”You Were Never Really Here”
という感じで常にトラウマを引きずり、PTSDに悩まされる。
少年時代のジョーは相当酷い虐待にあっていたようだ。
それを覆い隠すようなカウントダウンが麻酔のように何度も覆い被さってゆく。

You Were Never Really Here005

それは、しょっちゅうやって来る。
やはり加圧された状況下が多いか。
非常にビビッドな想念である。
オマケに自殺願望もありその衝動が時折頭をもたげる。ナイフなどもって痛そう。
おしまいの方では、その自殺願望の衝動イメージが余りに鮮烈過ぎて、明らかに現実が侵食されていた。その血飛沫。
こっちまでびっくりしたではないか!

過去の想念が現在に交じり合うが、PTSDなのだから自然である。
実際、強烈な文脈が現在の時間系をふいに侵食するのだ。
時に、それが現実なのか想念に過ぎないのか区別があやふやになる。
(それは確かにそういうものだ)。
You Were Never Really Here004

とは言え、内容的に何があるかというと、、、。
殺人は頻繁に起こるが、特に何があるというわけでもない。
アルバート・ヴォット上院議員は娘を誘拐されたが、どうやらそれが闇の売春組織であることを掴む。
しかし選挙中のため事を表沙汰にしたくない。
そこで凄腕の闇の人探しの専門家ジョーの出番となる。
仕事の依頼は仲介役のジョン・マクリアリーから受けた。

手慣れたもので警備についていた男たちを皆殺しにし組織のアジトから手際よく少女を救出する。
父親に引き渡すモーテルで待つなか、当の上院議員が自殺したという報道をTVで観てしまう。
その後モーテルの主人を射殺して押し込んできた警官に少女がジョーの目前で連れ去られる。

どうやら警官もグルになった犯罪組織が動いていることが分かり、ジョーはその真相を確かめにマクリアリーのところに向かうが彼はすでにオフィスで惨殺されていた。危険を感じて直ぐにマクリアリーを彼に紹介したかつての相棒を訪ねるが彼も息子と共に拷問を受けた後、始末されていた。当然、ジョーは自宅に急行する。暴かれた彼の家で、すでに母は殺害された後であった。しかしその犯人はまだ家を立ち去ってはおらず、ジョーは彼らを撃ち殺す。
ジョーは何故か瀕死の倒れた男の隣に横たわり噺を交わす。そしてその男と”I’ve Never Been to Me”を一緒に唄う。
彼はジョーの手を握り目を開けたまま絶命した。、、、死とは何か、、、ここではっきりしているのは、死体のみ。
ジョーは母の遺体を湖に運び沈める。
この辺でこの映画の尋常でないところが感じ取れてくる。
勿論、音楽があってのことだ。

You Were Never Really Here002

彼は孤立したか。
だがまだ一度は助けた少女がいる。

隣で死んだ男の話からウィリアムズ州知事が少女を買っている大本であることを知り、アルバート上院議員もそれに関与しての自殺であることが分かる。
大物のそんな事情は表には到底出すことは出来ないものであった。
ジョーはウィリアムズ州知事の別荘に忍び込み、また手際よく警備を倒し、ウィリアムズを探すが彼は喉を切られて死んでいた。キッチンでは少女が血だらけの手で食事をしていた。そういうことだ。
その少女を再び保護して外のダイナーで朝食をとる。
彼はもう自殺願望が頂点に達し、自分の頭を拳銃で吹き飛ばす。そこにウエイトレスが良い一日をと伝票を笑顔で置いてゆく。
ウエイトレスに血飛沫がかかったはず。
トイレから戻ると少女ニーナは、”It’s a beautiful day”と語りかける。
「確かにいい天気だ」と返すジョー。
ジョーに関係なく世界がニーナと共に進行し始める。
ジョーはそれに乗っかるしかない。
何の希望も当てもなく一緒に何処かにゆくしかないだろう。
You Were Never Really Here001

他のクライムサスペンスとは似て非なるものであった。
はっきり言って作品の筋などどうでもよく、世界と自分のずれのもどかしさ、ひりつき、そして死とは、、、その漸近的な接近、、、死への憧れと不安。
そんな存在の不確かさを浮き彫りにしてゆくホアキン・フェニックスであった。


少女がどうにもいまいちであった。
エル・ファニングあたりがやってくれたらよかったのに。
音楽はこの世界のずれ感が良く出ていた。




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