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誰も知らない

NOBODY KNOWS

NOBODY KNOWS
2004年

是枝裕和 監督・脚本・製作

柳楽優弥 、、、明(長男12歳)
北浦愛 、、、京子(長女)
木村飛影 、、、茂(次男)
清水萌々子 、、、ゆき(次女)
韓英恵 、、、紗希(虐めを受けている他所の子、中学生か)
YOU 、、、福島けい子(母)


こんなふうに共同体から見えない形となって抽象的に存在する子はたくさんいる。
見えていてもやはり見えてはいない。
実は全然、見えていない形で存在する。そんなパタンは寧ろありふれている。
それが常態である。
恐らくそういう在り方しかできない。

この父違いの兄弟たちは、母がネグレクトで経済的に大変辛いが、シンパシーを感じ微笑んで親和的に関わってくれる紗希お姉さんがいて、兄弟で寄り添って生きていること自体、それほど酷い境遇ともいえない。

人はせいぜい3歳までにどのように養育されたかで基調が決まる。
彼らは(彼らも)もうとっくに手遅れである。そこはもうどうでもよい。
それ以降の境遇は、さして大きな(決定的な)影響を彼らに与えるほどのものではない。
この少年期前半に是非ともやっておかなければ手遅れなのは、音楽と数学くらいのものだろう。
京子のピアニストはもう不可能であるが、それ以外のことでは、他の人より始めるのが遅かろうが、大差はない。
これから先の本人の努力次第か。
早晩、彼らは社会~法的に見出され、保護教育を施設で受けることになろうし、社会人として陶冶されていくことだろう。

紗希の存在が大変大きいと思う。
このような他者が上からでも下からでもなく、溶け込むように入ってくれていることが彼らの救済になっていることは確か。
彼らを統率する長男の明の支えはやはり紗希である。
普通(多くは)、このような存在には恵まれず、ぎりぎりまで孤立を深めていった先に内部崩壊となるだろう。
もっとも、ここでも一番の弱者であるゆきが犠牲となった。
こうしたことは充分にあり得る。

実際、我々は周囲の誰に対しても何も見えてなどいない。
ある対象に対する自分の感じ、考えを抱いているに過ぎない。
それはその対象そのものとは何の関係もない自分の想念である。
さして関心もない対象に対して、一体何が分かるというのか。
色々な面において零れ落ちてしまって、戸惑いつつどうにもならないで表情を殺して生きている子供はいる。
一番下の茂などは、大した苦労も不自由や不足も感じず、結構面白おかしく生きている。
そんなものでもある。

であるから余計にそれが読み込める人間はそうはいない。
ここでは紗希がふっと共感して(直覚して)中に~まるで新たな兄弟みたいに~入って来た。
この、外部から入って来ることがきっと重要なのだ。
理解したり導いたりするのではなく。如何なる権力の介在もなく。
それまでは、実の母から存在自体を消し去られていたも同然で、外の目を避けて籠って生きて来た子供たちである。
これから何かの機関に捕まって保護を受けるにせよ、紗希以上に寄り添うケアはまず不可能だ。


ともかく長い映画であった。
長さをホントに感じた。
BSで入っていたが、観終わると同時に消した。
これを二度見ることなど、まずない。





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