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GOMA28

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リトルバード 164マイルの恋

LITTLE BIRDS001

LITTLE BIRDS
2011年
アメリカ

エルジン・ジェームス監督・脚本

ジュノー・テンプル、、、リリー(自傷傾向の強い家出願望の15歳の少女)
ケイ・パナベイカー、、、アリソン(理性的で頭は良いがリリーに依存する少女)


ジャケを見るとロマンチックなロードムービーを想像するし、邦題もまさにそんな感じだ。
例によって全然違う。見れば分かるんだから下らない邦題止めよう。

海が腐臭の漂う偽物の塩湖で、砂浜の白砂に見えるものが全て酸欠で死んだ魚などの動物の骨であるというのが良い。
妙なでっち上げの近未来SFのデストピアみたいな不自然な物々しさがなく、その村の息の詰まる生活や住人の心象風景まで象徴しておりリアルだ。
偽物の海に縛り付けられた生活に侵され腐って沈み込んでゆくことから逃れ出ようとする少女(たち)を追ってゆく話か。
物知りの人格者であるホーガンが「何処もみな同じだ」といった言葉が重みをもつが、ここでなければ何処でもよいという勢いで不良のスケボー少年を追いかけロスまで行ってしまう彼女たち。信頼するホーガンの車を失敬してアリソンは渋々だがリリーに従う。

誰もがここではない何処かに憧れて旅行をするものだろうが、何処に行こうと自分がついてくるということは新垣結衣が言っていた。その通りだ。自分が生き直すことで回りの世界が変わる。そういうものだ。というよりそういうものでしかない。

リリーについては特に成育環境(家~母)に問題があり、そこからくる個人的な特質が多大に行動に影響していることが分かる(自傷行為も含め)。アリソンも似たような境遇だが、その割にはしっかり育っていて人格的には(アイデンティティは)安定している。

ロスの彼らもまともな生活をしているはずはなかった。
空き家となった古いモーテルみたいなところで孤児みたいに共同生活している。
恐喝に暴行。堂々と犯罪を犯して暮らしている。これではギャング(予備軍)である。
リリーは無軌道で刹那的な生活に歯止めがかからず、ますます彼らの非行生活にのめり込んでゆくばかり、、、。
アリソンはリリーが心配で付き合って来たが、居たたまれない。
彼女独りがはっきりと浮いてしまう。

何でこの子はこんなにもこのリリーが好きなんだろう?
一種の愛着関係が幼少時から結ばれているのだと思う。
好きも嫌いも含めて。
たまたま同い年でこの閉塞環境の中でずっと寄り添って暮らしてきた姉妹に近い間柄なのだ。

LITTLE BIRDS002


結局、行くところまで行ってしまい、リリーはアリソンに救い出されて帰って来る。
行きとは違い疲れ諦観すら湛えた表情で。
黙って借りた車に乗って。
偽物の海の故郷へ戻ってきた。
こうなることは充分察知しながら観ていたが、全くその通りである。

だがこれをよくある青春の一コマみたいに一般化されては困るし余りに陳腐である。

「受けた傷がどれだけ深いのかは後になって分かる。
かすり傷なのか一生の傷なのか、、、
今できるのはそれを悟る瞬間を出来るだけ先に延ばすことだけ、、、」
って、虫が良すぎるし、延ばしては絶対まずいだろう。
そんなモラトリアムそもそも通用しない。
直ちに真正面から「それ」に対峙し、明瞭に対象化しなければならない。
その傷が一生ものにならないためにも。

LITTLE BIRDS003

親や生育環境(周囲の大人)から受けた傷をしっかり自覚すると共に、自分が他者に対して行った暴力~非道な仕打ちに関しても深く認識しなければならない。
当たり前のことである。
自己中心的で無反省な青春イメージに耽っている場合でない。
まあ、まずは自分をしっかりと見出すことだろう。
そのためには、その田舎町にいたとしても、親元は離れるか尊敬できる大人の支援が必要となってくる。
経済的に自立して親としっかり対決できるようになれば、取り敢えず安定してくるはず。
それからが本番となるが、アリソンという親友がいることが何より心強いことに気づいてゆくだろう。
この関係は大きい。救いである。




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