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GOMA28

Author:GOMA28
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炎の戦線 エル・アラメイン

El Alamein004

El Alamein - La linea del fuoco
2002年
イタリア

エンツォ・モンテレオーネ監督・脚本
ロベルト・ピチウッタ音楽
ダニエル・ナンヌッツィ撮影

パオロ・ブリグリア 、、、セッラ(大学生の志願兵)
ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ 、、、リッツォ曹長
ルチアーノ・スカルパ 、、、スパニョーロ
エミリオ・ソルフリッツィ 、、、フィオーレ中尉


BSで観た。
娯楽性は微塵もなくひたすら過酷な砂漠を踏み惑う、静謐さと詩情も湛えた戦争映画であった。
1942年10月から起こった北アフリカ戦線エル・アラメインの戦いをイタリア軍新兵の視点から描いたもの。
(リビアからエジプトを目指したドイツ・イタリア連合軍は、アレキサンドリアの手前のエル・アラメインまで進軍したが、スエズ運河を守るため圧倒的な軍備をもって英国軍が襲い掛かる)。

のっけから英国の88ミリ砲の直撃で、入隊したての新兵セッタの目の前で伍長が片耳だけ残して砂になってしまう。
それから最後までまったく目は離せない。
激しい絨毯爆撃を受けた後で戦車や装甲車、歩兵部隊に応戦する場面はあるが、ほとんどは水や食料、薬の補給が途絶えた中で暑さと寒さに耐え忍び、砂漠を徒歩で淡々と横断する噺である。
車や弾薬すら手に入らない~補給が滞っていては、もはやまともな応戦すらおぼつくまい。
だが、この状況を目にしながら幹部は前線を死守せよとしか言わない。
ほとんど国から見捨てられたも同然である。
だが、重傷を負って担架に乗せられる仲間同士の合言葉は「またイタリアで逢おう」なのだ。

El Alamein001

敵は月夜の晩を狙って凄まじい攻撃を仕掛け圧倒してくる。
味方の兵は、情け容赦なく雨のように降り注ぐ爆弾になす術もなく薙倒され死んでゆく。
助かるかどうかは、塹壕にあって頭上にたまたま爆弾~砲弾が落ちて来るかという確率的な運によるもの。
これは対等の闘いではない。そして敵も味方ももはやない。

あるのはすでに勝負はついているのに引き下がれない立場に置かれた者たちの行き場を失った砂漠の流離という業である。
(ほとんど後ろ盾を失い、飢えと渇きと赤痢や怪我に苦しみながらも、指令だけは無線で届き、殲滅した部隊の替わりに勝ち目のない戦地に飛ばされる)。
敗走するにも物資に余裕のある独軍とは比べ物にはならない。今にも倒れそうなイタリア兵士を車で拾う姿勢もない。
怒りを何処に向けたらよいというのか、という感情も萎えて諦観すら感じられる。
音楽が彼らの内面を雄弁に表現していた。

El Alamein003

ふいに降り注ぐ雨が彼らの生にとっての天からの恵みであることがひしひしと共感できるものであった。
それから、水の補給に行ったとき、少し足を延ばして海に行き、みんなで童心に戻り海に飛び込んで燥ぐ姿にはこちらもホッとする。「終戦までここに隠れていましょうよ」というのは、あながち冗談でもないはず。
(戦争映画には、よく海辺に出て水浴する場面が出るが、何れも解放感ひとしほだ)。
だが、そこに現れた味方の兵士からそこは地雷原だ、ただちに離れろ!と声がかかる。
何処にあっても、気は抜けない。
悪夢の中での、ほんのひと時の楽園であった。

見張りをしていたセッタのところに駱駝が迷い込んできて、それを殺してみんなで栄養補給するほっとする場面もあったが、直ぐに曹長が英国軍の地雷原調査の囮であることを見抜く。セッタは自分のお手柄でみんなに御馳走を奢っている気分であったが、戦場にあって、やはりそんな甘い現実はない。即刻、警戒態勢に切り替わる。
どれも極めてリアリティがある。


だが、何と言うか、、、人物描写にやや平板な思いがする。
皆が余りに人格者なのだ。高潔な人ばかりだ。このような地獄巡りを経るとそうなるのか?
(司令部と非情な独軍以外だが)。
基本、入隊したての尊敬の念で軍人を見る学生セッタの目を通しての世界である為か。
軍医も退去せず野戦病院に「英国軍の兵士も診てやらんといかん」と言って残るところなど確かに高潔であるが。
妙に強くて不死身のヒーローめいた人間がいないのことには好感は持つ。
ザ・スクエア 思いやりの聖域」みたいな捻くれた映画を見た後、このような作品に接するとちょっと戸惑う。

全体にどれほど過酷で悲惨な戦場~砂漠であってもとても美しく見えてしまう。
(サンテグジュペリの「星の王子様」を思い浮かべてしまった)。
「美しくない悪臭を放つだけの死体に過ぎない」(セッタ)が、そんな場面でも綺麗に見えるのだ。
品格ある淡々と流れる砂漠の日々は、どこか黙示録か神話の世界を想わせる。

El Alamein002

この映画、何と言っても最後のくだりである。
英国軍の呼びかけでほとんどの退却するイタリア兵は投降し捕虜に甘んじたが、セッタたち3人は身を隠して逃避行する。
だが灼熱の砂漠を逃れる途上で、怪我を負った曹長は力尽き動けなくなる。
中尉は半ば潰れたトラックを何とか動かそうとするが無情にもエンジンはかからない。
その傍らで倒れていたバイクのエンジンを執念でかけることに成功したセッタ。
彼は中尉と曹長を乗せて砂漠を抜けようとするが、二人はそこに残ると言う。
セッタだけを行かせるのだ~生かそうとするのだ、、、この場面はいたたまれない。
「神に誓って車を見つけて戻ってきます!」と叫び、彼は後ろを何度も振り向きながら果てない砂漠を爆走して行く。

場面は現代に繋がる。
そこは、北アフリカ戦線の戦没者記念館である。
誰がその場に来ているのか?
年老いたセッタであろうか、、、

冷酷な程に綺麗な壁面に「無名兵士」“IGMOTO”と記されたプレートが何処までも続いてゆくところには絶句する。
この時に厳かに流れるグレゴリオ聖歌を思わせる曲が、それにとてもふさわしく感じられた、、、。




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