ヴァレリアン 千の惑星の救世主

Valerian and the City of a Thousand Planets
2017
フランス・中国・アメリカ合衆国・アラブ首長国連邦・ドイツ
リュック・ベッソン監督・脚本・製作
ピエール・クリスタン、ジャン=クロード・メジエール『ヴァレリアンとローレリーヌ』原作
デイン・デハーン 、、、ヴァレリアン
カーラ・デルヴィーニュ 、、、ローレリーヌ
クライヴ・オーウェン 、、、フィリット司令官
リアーナ 、、、バブル
イーサン・ホーク 、、、客引きジョリー
ハービー・ハンコック 、、、国防長官
クリス・ウー 、、、ネザ軍曹
サム・スプルエル 、、、オクト=バー将軍
ルトガー・ハウアー 、、、世界連邦大統領
如何にもリュック・ベッソンという作品。
28世紀の飛んでもなく巨大なアルファ宇宙ステーションが舞台。
こんなに宇宙人がたくさんいて、そこで共存が保たれているというファンタジー。
様々な異星人の代表と地球人の首脳が握手するたびに、アルファ宇宙ステーションが巨大化して行く。
なかなか楽しい光景が広がる、そんななかで、、、
宇宙連邦捜査官のヴァレリアンとローレリーヌはコンビで銀河の平和を守る任務にあたっている。
何とも判り易くもアバウトな仕事だ。
そのせいか、ずっとヴァレリアンはローレリーヌを口説いている。
所謂、チャラ男というやつだ。
銀河の平和を守るって結構、楽しいお気楽な仕事のようだ。
かつての宇宙戦争で無関係の惑星破壊による住民の虐殺・壊滅とその情報の隠蔽・改竄などの陰謀を軸に動いてゆくのだが、、、。この権力構造~上層部の巨悪の策謀そのものはよくある構図だが。


スペース・オペラ・コメディという感じの極彩色のゴージャスで荒唐無稽な流れであった。
ある意味、リュック・ベッソンの独壇場かも。
特にパール星人の造形は美しくて素晴らしい。
その惑星の突き抜けたパステルカラーに煌めくビーチには惹かれた。
パールもザクザクあって、楽園というより天国みたいな光景である。
こんなビーチを歩きたい(笑。

それからクリーチャー、異星人それぞれのフィギュアがカワイらしいものばかりであった(グロカワも含め)。
最新鋭のVFXあってこその光景である。
ガジェットも含めアイデアも豊富であり、ディテールまで楽しく工夫されている。
更にバブルの踊りもリュック・ベッソン映画のお約束であり見せ場の一つだ。
ヴァレリアンがお客としてニンマリしているだけであった。やはり気楽な稼業である。
ローレリーヌの方は正義感に燃える愛ある気の強い戦士という感じか。
(ちょっとエル・ファニング似の凛とした美女である)。

謂わば、主人公カップルが超巨大ステーション内のたくさんの異星人のカラフルワールドをアトラクション的に巡りお互いの絆を深めてゆく御話である部分は大きい。
高校生の文化祭的な香りも漂う。
何か疼くような郷愁に染められた愉しさだ。

しかしわたしが一番印象に残ったのは、パール星人の姫が地球軍の戦いに巻き込まれ絶命する際に放った念波が時空を隔てたヴァレリアンに衝撃的に受け取られるところである。彼はその後もずっとそれを身体記憶としてとどめ、想い起している。
これは大変切なくもあり本質的な力~関係であると思う。
こうした繋がりはわたしもしっかり押さえておきたい。

頭を空にして思い切りゴージャスな映像に浸りたいというときにうってつけの映画である。
とは言え、感性に訴える質量はかなりのものだ。
お薦め映画である。
- 関連記事
-
- ミスミソウ
- The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ
- ヴァレリアン 千の惑星の救世主
- アイアン・ジャイアント
- センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島