トレーマーズ

Tremors
1990年
アメリカ
ロン・アンダーウッド監督
ブレント・マドック、S・S・ウィルソン脚本
ケヴィン・ベーコン 、、、ヴァル(ヴァレンタイン)・マッキー(何でも屋)
フレッド・ウォード 、、、アール・バセット(何でも屋)
フィン・カーター 、、、ロンダ・ルベック(地震学研究の大学院生)
マイケル・グロス 、、、バート・ガマー(村人)
リーバ・マッキンタイア 、、、ヘザー・ガマー(村人)
ボビー・ジャコビー 、、、メルヴィン・プラグ(村人)
ヴィクター・ウォン 、、、ウォルター・チャン(村人)
よくあるSFクリーチャーものは夜や闇のなかでのショッキングな殺戮などが圧倒的に多いが、この映画は白昼のスリリングだがどことなく長閑な攻防がメインだ。
地下に住む怪獣だが、外連味なくしっかり姿を現す。
悪臭も凄いらしい(笑。
ネバダとはこんなに砂漠と荒涼とした荒野の広がるところなのか。
ここはそこにあって特に退屈で辺鄙な田舎町のようだが。
何もないところで獰猛な地底生物が突然、僅かしかいない住民を襲う。
まるで特設舞台にも感じられる。丁度ウルトラマンが戦うための人里離れた空き地(何とも都合のよい場所)みたいだ。
路を塞がれ電波も届かない状態のその閉ざされた場所で人間対怪物の一騎打ちが繰り広げられる。
凶暴で巨体なのに面白い。そしてユーモラスでもある。
アイデアと特殊効果が良い。
定石であるが、ちょっとずつ飛んでもない死に方の変死体を見せつつ興味と期待を煽り、ここぞとばかりに犯人の獰猛な姿を見せつける流れは鮮やか。
それにしても砂漠のなかから突然、巨大なナマコ(みたいなの)が出てくるのだ。
しかも振動計から複数の揺れが検出され、一頭倒したのに、まだ3つもいるというところも充分楽しませてくれる。
それは人が走るのより速く地中を移動し、人の音声や気配を感知し襲ってくる。
固い岩の上ならとりあえず安心ということで、岩から岩へ棒高跳びみたいにして移動するところなどとても和む。
口から蛇みたいな触手を幾つも出して探査するところも細かい設定~描写で何やらワクワクさせる。
学習能力があり、同じ手は食わない。
そのくせ、激突死や転落死で片が付いてしまう。ちょっと血の気が多いのか?
火器による徹底攻撃による根負けや爆弾を食っての爆死はありがちであったが。
最後の方はもうひと展開あるかと凝視して待ったが、主人公のヴァルとロンダのラブラブでほのぼのと終ってしまった。
この映画は主人公ふたりとヒロインの大学院生の性格の肉付け充分であるが、その他のガンマニアの夫婦などの登場メンバーもなかなかの個性で描かれていた。怪物も後から出てくるものほど頭が良くなる。
登場キャラに厚みがありノリは軽いが内容的に充実していて迫力と緊張感とニンマリもある。
久々に映画を観たいが、重いのは嫌だしつまらないものは御免だ、という向きに最適かも。
クリーチャーもののユーモアもタップリあるパニックアクションの佳作と言える。

続編が幾つもあるらしいが、これ以外は評判はいたって悪いらしい。
- 関連記事