最近、よく夢を見る

夢と言うのが、大変現実的で緻密な光景なのである。
しかし、考えてみればそうでない夢など見たことがない。
夢は常にディテールがしっかりしており、へたな映画よりずっとリアルである。
そして変に入り組んだ複雑な映画の脚本より、もっと複雑でダイナミックである。
物凄い出来の良い詩的な映画みたいだ。
そう、タルコフスキーの映画に似ている。(ベルイマンのものにも)。
タルコフスキー以外では、、、
わたしは「去年マリエンバートで」は好きだが、「メランコリア」に寧ろ究極的なリアルさを感じる。
「メランコリア」は人類にとって正夢かも知れない、、、。
うんと苦しい夢の時は、「ストーカー」である。
そんなときは、寝汗もかいている。
何を求めて彷徨ったものか、忘れていてもどっと疲れているものだ。
「鏡」みたいな夢も見たが、その他となると、定かでない。
(「サクリファイス」は知らぬうちに見て忘れてしまった夢であったかも知れなかった)。
いま、緊張感と言うか一種の研ぎ澄まされた濃密さを感じる。
高濃度の時空である。
酷い疲労を誘いつつ、、、。
逆らい難い眠気を纏わせ
ひんやりと醒めている、その時空がこの夜のしじまにすでに嵌入して来ている。
稠密なタルコフスキー時に連結していた。
このまま「ノスタルジア」に導かれそうだ、、、。
あの回廊は何度も歩いた。
何度も過った。
その先を眺めやった。
そんなとき、何故かわたしは決まって自転車に乗っているのだ。
遠藤彰子かジョルジョ・デ・キリコに借りた自転車である。
驚異的に明るい崖の裏面に漆黒の闇が貼りついている。
