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アメリカの友人

Der amerikanische Freund001

Der amerikanische Freund
1977年
西ドイツ・フランス

ヴィム・ヴェンダース監督・脚本・製作
パトリシア・ハイスミス『アメリカの友人』原作
ユルゲン・クニーパー音楽

デニス・ホッパー 、、、トム・リプリー(画商)
ブルーノ・ガンツ 、、、ヨナタン・ツィマーマン (額縁職人、修復師)
ジェラール・ブラン、、、 ラオール・ミノー(マフィア)
ニコラス・レイ、、、ダーワット(贋作画家)
リサ・クロイツァー、、、マリアンネ・ツィマーマン(ヨナタンの妻)


BSで観た。
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」、「エネミー・オブ・アメリカ」、「ベルリン 天使の詩」、「パリ テキサス」は、観ているが、どれも頗る良い。なかでも「パリ テキサス」は、乾いた虚しい雰囲気と噺そのものが大好きで、「ベルリン 天使の詩」の孤高の寂莫感も深く印象に残る。「エネミー・オブ・アメリカ」も大変スリリングで刺激的であったし、「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」は音楽と無名の音楽家たちへの深い愛に溢れていた。つまりどれもとても良かった(爆。

さて本作である。
英語、フランス語、ドイツ語が入り混じり、外国人同士が希薄に濃密に淡々と触れ合ってゆく。
高名な画家だというダーワットの贋作をオークションで高値で捌き大儲けする画商トムが、額縁職人で修復師のヨナタンにその絵の青がおかしいという指摘を受ける。こんな絵はとても危険で関われない。いやアメリカなら、特にカンサス当たりなら引っ張りだこだ、と謂うところなどは可笑しかった。トムはアメリカ人らしくカウボーイ風の男である(紋切り型か)。
トムはヨナタンが目利きで非常に腕の良い職人だが血液の病気で余命幾許もないことを関係者から聞かされる。
興味を惹かれ彼の店に行くと腕の良い職人らしい店内と作業場の雰囲気と仕事ぶりを気に入ってしまう。
自分の仕事からしても、彼に対する尊敬の念は禁じ得ない。
両者の抱える不安(死と不正)~哀しみ、その存在的~実存的レベルでの引き合いがあるに違いないが。
親友になりたい気持ちが沸くと同時に、そういう仲にはなれないことも互いに知っている。

Der amerikanische Freund003

ヨナタンの病状が悪化しているという噂が周辺に広まる。
彼本人も大変気にしている病状ではあるが、噂共々尚更気になって来る。
地元ハンブルグの主治医の診断では、血液検査の数値に変化は無いが、それだけでは不安で居た堪れない。
丁度、そんな時にミノーという男から大きな金の転がり込む仕事の噺が入る。
それが何と絵の関係の仕事ではなく、殺しなのだ。
当然、キッパリ断るが、向こうもプロである。
彼の弱み~白血病を盾に、もっと良い医者に診てもらえとか、残った家族のことを考えろなどと彼の気持ちを揺るがしてくる。
ヨナタンはミノーの紹介でパリの血液専門医やミュンヘンの専門医に診てもらう。
殺人を依頼してくるマフィアの噺によく無防備に素直に乗るものだ、とは思うがヨナタンは何の疑いも持たず検査を受ける。
その結果は悲観的なものであった。彼の決断に及ぼす影響は大きかった。
(後で妻が調べて分かることだがその分析結果は出鱈目であった。見ている方は当然そう思っている)。

Der amerikanische Freund002

治療にも、自分が死んだ後の家族のことを考えても、金はあった方がよい。
そしてズルズルとその依頼を受ける形で銃を持たされ実際にターゲットの殺害に及んでしまう。
それで金を受け取り終わりと思っていたら、その後直ぐに二件目の依頼が来る。
勿論、抵抗を感じるも、もう後には引けない状況となっている。
(一度、やってしまったら言うなりに動く他なくなるものだろう)。
いや、そもそも何で額職人がそんなことに巻き込まれるのかが皆目見当もつかない。
単に不安を抱えた病人を上手く利用したというだけのことか?
その背景や繋がりをわたしが見落としたのか、よく分からないが、その依頼主のミノーとトムが繋がっているのには呆れる。
トムは闇の画商なのだろう。他にも色々と黒い仕事をしてそうだ。
ミノーは地下鉄を何で犯行場所に指定するのか、、、防犯カメラが沢山ついているではないか。
そして二度目は電車内での実行を指定である。
これらの点も疑問だ。

Der amerikanische Freund006

二度目の仕事にはトムも自主的に協力する。
そして今度はターゲットと護衛の2人を列車から放り出して無事、始末に成功する。
その為に、ヨナタンはかなりあちこち走り回ることになり、身体には良い影響はない。
これだけ走りまわり疲労を溜めると病気にも影響するはずだ。
妻は単なる病気の検査とは思わず、ヨナタンにつき纏い、真相を問い詰めて来る。
多額のお金が通帳に振り込まれているからだ。

しかし、ミノーは自分の家が吹き飛ばされたと言い、ヨナタンを狙ってくる。
ここで最後の処理を、ヨナタンの妻も交え3人で行うこととなる。
サスペンスものなのだろうが、終始淡々としていて、007のようなスピーディで隙もノイズも無い流れるようなド迫力の展開はなく、大変素人臭い間のある、その分リアルな実況中継みたいな流れで進む。
何やら具体的に動きが掴みずらい展開でともかく、救急車でやって来た連中を追い払ったりやっつけたりする。
そして最後の厄介者を乗せた救急車を海辺まで運んでくる。

Der amerikanische Freund004

首尾良く行き、海岸で救急車を燃やして万歳と謂うところであるが、ヨナタンは妻だけ乗せてトムを現場に置き去りにしフォルクスワーゲンを爆走させる。
「、、、深い友情を感じるがその友情が成立しないことに安堵する」。
海岸沿いの道をどんどん逃げてゆくが、途中で彼の目が見えなくなり妻がエンジンブレーキをかう。
その時、すでにヨナタンは絶命していた。
全てを終わらせて、完全犯罪なのかどうか、、、自分も終わってしまう。


音楽は、ヴィム・ヴェンダースの拘り通りの音であろう。
キャスト共々、ジャストフィットというところか。
相変わらず絵が美しい。
特に日本風ホテルの障子を開け放った時の蒼い、曇り空の拡がりには何とも言えない。
筋の上で分からぬところはあったが、ヴィム・ヴェンダースの映画であることは、はっきり分かるものだ。
これもまた奇妙な感触の続く作品である。





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