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サイコ リメイク

Psycho008.jpg

Psycho
1998年
アメリカ


ガス・ヴァン・サント監督
ジョセフ・ステファノ脚本
ロバート・ブロック原作
ダニー・エルフマン音楽


ヴィンス・ヴォーン 、、、ノーマン・ベイツ(モーテルの管理人)
アン・ヘッシュ 、、、マリオン・クレイン(不動産屋従業員)
ジュリアン・ムーア 、、、ライラ・クレイン(マリオンの妹)
ヴィゴ・モーテンセン 、、、サミュエル・“サム”・ルーミス(金物屋経営者、マリオンの恋人)
ウィリアム・H・メイシー 、、、ミルトン・アーボガスト(私立探偵)


オリジナルヒッチコック版と同じカット割りという徹底した拘りで作られたリメイク。
ヒッチコック監督が観たらどう思うだろうか。
撮影技術の進歩で、ワンカット撮影やより饒舌な特殊効果が可能となったが、変更は基本的にない。
細かい所での追加・省略は僅かにあるが。
面白い試みであることは確か。
そもそも、「サイコ」のリメイクを作るにあたっての条件が、ストーリー、展開、セリフを変えない事であったそうだ。
思えばかなり厳しい条件であるが、それを呑んでやるだけの必然性が監督にあったのだろう。
大きく変わったところは、カラーとなった事だけか。
マリオンの鮮やかな服が確かにその恩恵を受けている。

ちなみにガス・ヴァン・サント監督の「グッド・ウィル・ハンティング」は、わたしの最も好きな映画のひとつだ。
この映画に似ても似つかない作品だ。
彼はこのリメイク映画で何を狙っていたのか。

わたしは以前、「サイコ」としてヒッチコック・オリジナルとこのリメイクを観てすでに書いていた。
「サイコ」の感想を書いたことは覚えていたのだが、、、
これについても言及していることを忘れていたのだ。
(やはり印象自体が弱いのか、、、正直、観たことも忘れていたのだった)。

Psycho006.jpg

美術で謂えば忠実な模写であろうか。
それも銅版画を細密な油彩に写したような。
確かに見事に細部までトレースされていると思う。
だが全体の印象として、最初にオリジナルを見てしまっているとは言え、どうも緊張感が弱い。
不安や怖さが無いのだ。知っているからというだけではない(怖いものはまた見ても怖い)。
テンポも良く、流れも変わらないし、、、セリフは変わらず、そもそも役者もタイプは違うが上手く演じている。
(ただし芸術性というか品格から考えると随分、卑俗な雰囲気に染まってしまっている)。
カラーになって心理的にモノクロの禁欲的な雰囲気と反面豊かなイマジネーションが無くなったせいかと思ったが、それだけでは説得力が薄い。
気づいたところで、マリオンが白いシャワー室で殺害されるところの画面構図が少し違う。
空間構成の妙というか、ヒッチコックの方が構図・構成に不安定さを作り出しているのだ。
同じこと~内容をやっているように見えて、形式~構造が実は少しばかりズレている。

だが、この僅かのズレが天地の差を生む場合が殊の外多い。
ディテールの些細な部分の差異と思っていたものが基本構造の違いの現れであった、などという事もある。
主体を中央に置くか、少しどちらかにズラすかだけでも生じるイメージ~意味はかなり変わって来る。
監督がどのレベルで、そのオリジナル作品を把握・認識しているか、というところが浮上する部分だ。
まあ、これだけの労作である。よほどのオマージュが籠められているはずだが。
ヒッチコックは色彩や小物に限らず心理的な作用の齎す感覚をとても大切にしている。
ストーリー~プロットを確かな空間配置で饒舌に演出している部分が随所に感じられる。
これは絵を描くときの意識に等しい。

もう既に書いているものでもあり、この辺にしたい。

Psycho005.png

そう、最後の心理学者の分析が少しオリジナルよりあっさりしていたような、、、。
オリジナル版ではかなりの説得力があった。そこだけ見直そうかとも思った。
(この映画を書くに当たり、引っ張り出して部分的に観たりはしたが、流石に全ては観る余裕がない)。

ザ・セル」、「 インターンシップ」のヴィンス・ヴォーンに「記憶の棘」のアン・ヘッシュ。「アリスのままで」、「CHLOE/クロエ」、「エデンより彼方に」、「ハンニバル」、「めぐりあう時間たち」、「 キャリー」等々のジュリアン・ムーア。「ダイアルM」、「イースタン・プロミス」、「ヒストリー・オブ・バイオレンス」のヴィゴ・モーテンセン。「ファーゴ」のウィリアム・H・メイシー(この人が一番ピッタリな役であった)とキャストの方も充実している。
にも拘らず、、、。
この映画、ゴールデンラズベリー賞の最低リメイク賞、最低監督賞を受賞してしまったらしい。
そこまでの作品とは思わないが、、、。
これはこれで愉しめる映画ではあった。
何よりもオリジナルの完成度の高さを再認識させられるもので、それだけでもこの(オマージュ)映画の価値はある。
母の造形もしっかり作って見せている。

Psycho007.jpg


「誘う女」もまだ書いていないがこの監督の作品だ。
これも良い映画であったと思うが。


  




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