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キリング・ミー・ソフトリー

Killing Me Softly001

Killing Me Softly
2002年
アメリカ

チェン・カイコー監督
カラ・リンドストロム脚本
ニッキ・フレンチ原作

ヘザー・グラハム、、、アリス(IT関連のキャリアウーマン)
ジョセフ・ファインズ、、、アダム(有名な登山家)
ナターシャ・マケルホーン、、、デボラ(アダムの姉)


北京ヴァイオリン」の監督である。
「北京ヴァイオリン」の方が断然好きだが、この映画が悪いわけではない。

交差点で偶然視線の合った男女が忽然と恋に落ちる。
そう言う事はあろう。
恋とはそうしたものであろうし。

だが、恋をした勢いで直ぐに結婚までしてしまう。
(つまり全面的に生活を共にすることにしたのだ。衝動的な性愛に限った付き合いであったものを)。
知っているのは顔と名前と職名くらいのものなのに。彼が雪山の英雄として有名だという事が分かったくらいのもの。
勿論、何処まで知れば結婚すべきなどという物差しがあるはずも無いが。
大体、自分のことだってほとんど知らぬのがヒトというものだ。
伴侶という他者を鏡に自分が何であるか分かって来るところも大きい。
とは言え、これは衝動的な結婚という感じだ。

Killing Me Softly003

結婚してから嫌がらせのような手紙~脅迫状や無言電話が家に来始める。
手紙の内容は彼に対する中傷だ。女性関係の拗れに関するものなど。
幸せな生活に不安と翳りが生じ、、、
彼女は旦那に対し疑心暗鬼になって行く。
惚れる~信じるのも早いが、疑うのも早い(爆。
こういうことは、有名人ほどアリがちだとは思う。
ゴシップに乗じた売名や金を巻き上げようとする類のゴロツキが企むことだ。
しかし彼の性向、性癖などから推し図ると信憑性を感じさせる噂も周囲から出て来る。
(彼は確かに特別な性癖や遍歴はあるようだ)。
人は噂に弱い。
噂で繋がっているような部分も大きい。

特に過去に拘る。
そう過去とは物語に他ならない。
大概は悪しき秘密の詰まった劣情を擽るような玉手箱なのだ。
誰もがそれを期待し欲しがる。
(有名人のゴシップ記事が売れるのも頷けるものだ)。
オマケに彼周辺に行方不明の女性の情報も絡み殺人も匂ってくるしまつ。

そうして彼女は鍵を探し彼の抽斗を調べ始める。
演出もあるが、彼も見た目、サイコっぽく映るようになってゆく。
まさに彼女目線の彼か。
とても怖く見えるのだ。雰囲気や挙動が只ならぬものになって行く。実はこの作用こそが怖いのだが。
だから彼が彼女に優しくしても憤っても釈明してもどんどん怪しくなってゆく。
一端、その方向に流れ出すと、認識の力学上そうなるしかない。
人は自分の知るものしか見えない。
これは見たいもののみ見えるようになることを意味する。

彼女は一方的に彼を怖がり警察に逃げ込む。
彼は彼女が素足で逃げたことを気遣い靴を持って警察にやって来る。
それが彼女の恐怖心を更に煽る。
彼女は警察では埒が明かないということで、彼女に好意的で優しい彼の姉のところに助けを求める。
義理の姉は、脅迫状を書いたのは実は自分で、弟の凶暴性を知らせようとしてやったことだと打ち明ける。
また、登山で弟の彼女が事故死したのは、彼が浮気をした彼女を許さなかったからだと(実は殺害であったと仄めかす)。
そして彼と付き合い(証拠写真あり)行方不明の女性も殺されているとみて、その写真の場所にふたりでゆく。
彼女も撮られた天使像の傍でその女性も同じように映っているのだ。
(これはある意味、彼の性癖のひとつであろう)。
その周辺を掘り出すと本当に彼女の亡骸が発見される。

だが、その首には自分が義姉から貰ったのと同じネックレスがかかっていたのである。
彼女がそれと察したと同時に、義姉は殺意を持って掴みかかって来た。
ここでずっと彼女らを追ってきた弟の彼が助けに入る。

Killing Me Softly002

年端も行かない頃の近親相姦的な経験から姉は弟に恋をしており、弟が他の女と結ばれるのを妨害していたのだが、それで諦めない女は彼女が殺害していたという。
人当たりのよい穏やかで親切な義姉がサイコパスであったのだ。
アリスは最後にデボラがアダムを凶器で襲おうとしたところを銃で撃ち彼を守る。
だが、2人の恋愛の情はもう燃え尽きていた。

2人は2年後、エスカレーターですれ違うが、お互いを見つめただけで挨拶もしない。


ジョセフ・ファインズが最初はフェロモン出しまくりの色男として颯爽と登場し、すぐさまアリスを虜にしてしまうのだが、その彼が後半はただひたすら恐ろし気な男に変貌しているのには感心した。演出と演技力の賜物である。
アリスのヘザー・グラハムはわたしとしては、「オースティン・パワーズ・デラックス」の彼女の方がチャーミングで良いのだが、これも勿論セクシーで悪くはない。

「見え」は言葉による作用であり、言葉による有機的な編成をいったん解く別の言葉(の体系)は常に必要となる。
そこは知性がもっとも活躍する場であると思う。


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絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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