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愛人 ラマン

L Amant005

L' Amant
1992年
フランス、イギリス

ジャン=ジャック・アノー監督・脚本
ジェラール・ブラッシュ脚本
マルグリット・デュラス原作

ジェーン・マーチ、、、少女(15歳のフランス人)
レオン・カーフェイ、、、大富豪の中国人青年
フレデリック・マイニンガー、、、少女の母(教師)
アルノー・ジョヴァニネッティ、、、少女の上の兄
メルヴィル・プポー、、、少女の下の兄


マルグリット・デュラスの自伝なのか、、、
彼女が数奇な少女期を生きたことを知った。
「モデラート・カンタービレ」は読んだが他の記憶がない。(著作は「愛人」も含め幾つか持っているが)。
映画化された「二十四時間の情事」と「かくも長き不在 」は観た。どちらもこれに劣らぬ名作であった。

とは言え、変わった幼少期を生きて来た人は少なくはない、と思う。
わたしもその点においては人後に落ちない(笑。
折に触れ、何をか書き残そうと、このようなブログを始めたものである。

別に映画を素材~題材にする必然性などないのだが。
映画評など端から書く気はまるでない。
ネタバレなどお構いなし(笑。
そもそも映画自体好きではない。
でも自分の日常を書くよりは、面白味のあることは書けそうだ。
とは言え、それについてわたしが書く以上、日記を超える世界が描けるかと謂えばそんなことはない。

L Amant002

サイゴンの街の如何にも高温多湿な空気がたまらない情念を湛えていた。
連れ込み部屋の刹那的な光と影が永遠に続くようでいて虚しい。

2人とも自らの生活環境と置かれた立場に閉塞感と虚無感を抱いている。
家やルーツに纏わりつく慢性的で逃れ難い状況に鬱屈していたのだ。
少女は経済的な諍いや兄の暴力から、男は父の支配と仕来り(伝統的な規範)からの解放を願いつつも現状に依存せざるを得ない。

富豪(華僑)の彼は結婚の為、留学先のパリから呼び戻されたところであった。
少女は男物の帽子を自分が自分であることを誇示する為、被り続けることに決めた時だった。

L Amant001

そして偶然の出逢いで、磁石のように2人は惹かれ合う。
生理より早く物理的(肉体的)に。
少女は想いも考えもほぼ何も追いついていない。
生活経験上、まだ無理であるか。
境遇、人種、文化、習慣、年齢、、、全てが異なるが似た者同士の2人は、ちょっと敷居を超えれば日々のルーチンのように性愛に耽るようになってしまう。
ただし、男はそれを愛と信じ、少女にとってはひとつの自立心(大人になること)の満足と現実逃避の綯交ぜになったものか。
両者とも周囲にどう見られようが知った事ではない、というスタンスではある。
(聞かれれば、中国人なんかと寝るはずないでしょと強く否定するが、誰もが周知している)。
毎日黒い高級車で学校に迎えに来るのだ。それに乗って行く先も直ぐに知れてしまう。

L Amant004

差別意識は大変強い。
特に彼が少女の家族をディナーに誘った時の彼に対する家族の態度は余りに酷いものであった。
しかし結局、少女の兄の借金やフランスへの家族の渡航費やその他諸々の費用は全て中国人の彼が支払っている。
母は最後に感謝の意は彼女に吐露するが、、、。

2人の関係は際限なく機械的~自動的に続いていた。
不全感のある限り続くような互いを求める関係、、、。
そう、喉が常に渇き切っていて、飲めば飲むほどに渇きを感じるような。
しかしそれには最初から、タイムリミットがあった。
彼の結婚式とその後の彼女一家のフランス帰りである。

L Amant003

2人は不可避的に別れることとなる。
彼は婚礼の儀をあげ、彼女は大型客船に乗った。
波止場に密かに彼の高級な黒い車が見送りに来ていた。
姿の見えぬままにお互いに見つめ合う。

そして、そのまま、岸を遠く離れ水平線しかない海に出る。
やがて夜のデッキに流れるショパンを聴きながら、はじめて彼女は彼を愛していたことを知ってさめざめと泣く。


数十年後、彼は彼女の著作活動を知っており、突然の電話で今も変わらず彼女を愛し続けていることだけを伝えた。


きっと小説は大変読み応えのあるもののはずである。
(小説より先にDVDを見てしまったが、本は学生時代に買って持っていた)。



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