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ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ

Je taime moi non plus001

Je t'aime... moi non plus
1976年
フランス

セルジュ・ゲンズブール監督・脚本

ジェーン・バーキン、、、ジョニー(中性的美少女)
クラスキー、、、ジョー・ダレッサンドロ(廃棄物業者、同性愛者)
ユーグ・ケステル、、、パドヴァン(廃棄物業者、同性愛者)
ジェラール・ドパルデュー、、、白馬の若者(同性愛者)


ボリス・ヴィアンに捧ぐ、、、とある。
『うたかたの日々』以外は読んでいない。ボリス・ヴィアン自身ジャズトランペット奏者でもある小説家であった。
過激でアナーキーな作風には共振するところがあろうか。

”Je t'aime... moi non plus”は、確かに聴いたことがある。
セルジュ・ゲンズブール&ジェーン・バーキン盤である。
セルジュ・ゲンズブール&ブリジッド・バルドー盤は幻のレコードらしいが、、、持っていたら大変なプレミアものだろう。
(喘ぎ声がどうのと言われているが、ヨーコ・オノの迫力の比ではない)。

ゲンズブールの曲はわたしを惹き付ける独特の哀愁がある。
歌詞にしても、、、感覚的な質感がひりっとする。
この曲にはそれほど魅力を覚えなかったが、相当なヒット曲にはなったようだ。オルガンアレンジが良い。
官能的かと言われるとやはり哀愁が強く感じられる。


パドヴァンはいつもビニール袋を手に持ち歩いている。
持っていないときっと落ち着かないのだ。そいえばタオルをいつも手にしていないとダメな人もいた。
時に、それが武器になる。

ジョーはパドヴァンの彼氏に当たる男であろう。
ジョーがジョニーと付き合うようになると、ヒステリー女みたいに喚き散らして嫉妬するパドヴァン。
「あんた、あんな小娘のどこがいいのよ!」
笑うに笑えない。イタリア系で鍋に山のようにパスタを作って食べている。

ジョーにしてもジョニーを男と見做して愛しているのか。
いやジョニーを女を超えた愛の対象として、ジョニーそのものを愛そうとしているのでは、、、敢えて異性であっても。
確かにショートカットのラフなジーンズスタイルでいるジェーン・バーキンは美少年の趣もあろうが。
そもそもジョニーはジョーを男として愛しているのか、いやゲイと知って愛しているのだから、、、ともかくジョー自身が好きなのだ。
(喧嘩になると「何よオカマ!」と罵る)。

これも三角関係というのか、、、。
そうだろうな。
勝手にしなさい、という他ない。

裸の彼女の白肌にほくろみたいなのがあると想ったら、それは蠅であった。
喋っている顔の傍でも蠅が飛び回っていた。
彼女を雇っているスナックのマスターが説教しながら決まっておならをする。
どちらかにしないと、どちらにも説得力はない、と思う。
マスターに対しジョニーは嫌悪感丸出しである。ジョーも「クソまみれの下衆野郎め」を連発していた。口癖なのか?
説教を垂れる事自体、ろくなもんじゃない。
ジョーとパドヴァンは廃品処理業者で都会から出たごみを大型ダンプに積んで地方のゴミ集積場に捨ててゆく。
そのごみの山をジョーは美しいという。そのごみの斜面を転げ落ちたりしている。
ちょっと外骨格の昆虫のような雰囲気が彼らには漂う。

彼らの立っている地平が実感できる。

車の往き交う中を白馬をいつも乗り回しているゲイは一体何をしているのか、不明のままであったが。
不思議なジェラール・ドパルデューである。


余りにジョーとジョニーが仲の良いのに嫉妬して逆上したパドヴァンは、伝家の宝刀ビニール袋を入浴中の彼女の頭に被せて窒息死させようとする。
「もう、いい気にならないでよ、、、」その他罵詈雑言を浴びせつつ、、、。ここはホントの女より怖いカモ。
苦しくて転げ回るジョニー。容赦しないパドヴァン。
その時、ジョーが颯爽とやって来る。
震え上がり言い訳をして小さくなるパドヴァン。

「わたしを殺そうとしたのよ!殴って!」とジョニー。
「いや、あれを見ろ、それでも殴れるか」とジョー。
逆上して「何よオカマは出て行って!」、、、この一言で、ジョーの愛情の危ういバランスが崩れる。

ジョーはとどめるジョニーを振り切り、パドヴァンとダンプに乗って去って行く、、、。
「嘘よ」と言って裸のまま外まで追い、泣き崩れるジョニー。


ジョーの覚醒しかけた愛の冒険の終息する噺であった。
ジョニーがあそこで怒るのも全く無理のないことである。
この愛は、所詮どうにもならないものであったのか、、、。

ジェーン・バーキンの魅力だけで魅せている映画ではない、独特の切ない哀愁があり、かなりのところを突いた映画であった。
シャルロット・ゲンズブールはこの映画をどう思うのだろうか、、、。






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