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ティコ・ムーン

TYKHO MOON002

TYKHO MOON
1997年
フランス/ドイツ/イタリア

エンキ・ビラル監督・脚本
ブリジット・バルドー主題歌

ジュリー・デルピー、、、レナ(暗殺者)
ヨハン・レイゼン 、、、アニクスト(彫刻家)
リシャール・ボーランジェ、、、グレンバール(ジャーナリスト、新国連の暗殺者)
ミシェル・ピッコリ 、、、マクビーと次男エドワード(二役)
マリー・ラフォレ 、、、エヴァ(マクビーの妻)
ジャン=ルイ・トランティニャン、、、マクビーお抱えの外科医
ヤン・コレット、、、アルヴィン(マクビーの長男)
フレデリック・ゴルニー、、、コンスタンティン(マクビーの三男)


お洒落なフランスSF映画として以前から耳に入っていたので、購入して観てみた。
こんなのをBSあたりでやってくれたら有難いのだが、、、。
(最近、フランスモノを放映している。とてもよいことだ。昔の西部劇ばかりでは食傷気味なのだ)。

ベルギー・フランスを中心とした地域のマンガ~”バンド・デシネ”からきたものだという。
ちなみにフランスでは、マンガは「9番目の藝術」とされている。
アルファヴィル」を直ぐに想いうかべてしまうが、わたしはあちらの方が好きだ。車での移動がそっくり。これは素晴らしいと思う。

だが、とてもスタイリッシュでタマラ・ド・レンピッカを想わせる女性ファッションがレトロ未来派志向(嗜好)で味わいがある。
ジュリー・デルピーの赤い頭が何だっけと思ったら「フィフス・エレメント」のミラ・ジョヴォヴィッチだ。こちらの方が魅力的だが。

月面の都市の埃っぽいダークな世界は、多くの近未来SFものによく見られる。
いつも酸性雨の降るイメージとこのような砂漠のようなものに分かれるようだ。
前者の代表は「ブレード・ランナー」。

ともかく、極々普通の埃っぽい街と車と古臭い拳銃や電話で、空気と水が有料で、重力の調整がおかしい、などハリウッドやロシア映画からは出て来ないと思う。もっとそれっぽく(通俗的・常識的に)作ることに力を入れ、とてもありきたりな感覚を与えるに終わる作品になることが多い。その意味でゴダールの「アルファヴィル」は斬新だった。これもベースの世界観は素敵である。

噺はマクビーが月世界を支配している。マクビー一族というべきか。
マクビーは皆、首にコバルトブルーの痣があり、細胞に疾患を抱えている。
そのマクビーに臓器提供する人間がティコ・ムーンと呼ばれる。
主人公がそのティコ・ムーンである。
マクビーに頭を手術され記憶を消され、20年間、記憶喪失の状態なのだ。

マクビーは臓器移植を繰り返し永遠に生きるつもりでいるらしい。
プロメテウス」にもそのような独裁者がいたが、権力を握ると究極的にはそこに目が向くのか、、、不毛、、、。
ヒトの遺伝子と豚のそれは似ているというが、彼のベッドの傍らには”ナポレオン”という豚がいつも煩く鳴いている。

ティコ・ムーンは病院で焼死したことになっていたが、「ティコ・ムーン第二の生」という本が巷でバカ売れしており、その真相を確かめるためにマクビー一族の差し向ける秘密警察やそれに対抗する組織(新国連)が動きはじめ、物語が進行してゆく。

TYKHO MOON001

グレンバーは新国連からマクビー一族一掃の命を受けてやって来た暗殺者であるが、何故ティコ・ムーンとレナを守るのか、、、。
そしてどうやら「ティコ・ムーン第二の生」は彼の著作のようだ。
コンスタンティンは初めは首に痣の無い唯一のマクビー一族であったため、彼は密かに母エヴァとティコ・ムーンとの間の子供ではないかと疑っていた。その為、父からティコ・ムーンを守る為の護衛としてレナを雇っていた。
しかし、グレンバーと最後に相撃ちとなったところで、コンスタンティンの遺体には痣が鮮やかに現れていた。


ティコ・ムーンと恋をした殺し屋レナは月を離れる。
レナは「月を離れるのははじめて」と窓の外を眺めて呟く。
もうすでに赤色超巨星のベテルギウス(オリオン座α)は存在しないというから、超新星爆発した後という事か、、、
そもそも地球に棲んでいない事自体、ガンマ線バーストで地球が壊滅的打撃を被ったのか、、、?
いやその場合、月もどうなってるか分からない。質量変動は地球自転軸にも大きく影響するであろうし。
このドラマの設定時代はいつなのか、定かではない。ベテルギウスの変形は分かっていても超新星爆発の時期はまだ算出されていない。
ともかく二人は冬の大三角かダイヤモンドのあたりにある星に向かうそうだ。
700光年離れたところにリゲルがあるが、どの辺に行くのか、、、なんてどうでもよいか、、、。
ちなみに、車ではなく宇宙船に乗っていた。ゴダールなら車でトンネル潜ればその辺に出てしまう。



グレンバール(リシャール・ボーランジェ)が立ち振る舞いもセリフもとても決まっていた。
最後に死ぬ場面もスローでスタイリッシュであった。

スタイリッシュでお洒落な映画ではあり、「アルファヴィル」や「フィフス・エレメント」が好きな人なら観る価値はあると思う。
バンド・デシネのセンスの好きな人にも受けるであろう。


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