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GOMA28

Author:GOMA28
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ロリータ

Lolita001.jpg

Lolita
1662年
イギリス

スタンリー・キューブリック監督
ウラジーミル・ナボコフ脚本・原作

ジェームズ・メイソン 、、、ハンバート・ハンバート
スー・リオン 、、、ロリータ・ヘイズ
シェリー・ウィンタース 、、、ロリータの母
ピーター・セラーズ 、、、クレア・キルティ

ここでも「博士の異常な愛情」で3役熟していたピーター・セラーズの七変化が見られる。
この映画の異常さを見事に演出しているではないか。特に眼鏡をかけた黒い背広の出で立ちでのダンスの姿は異様な個性を感じる。まさにただものではない感がビシビシと来る。
噺は時々、ハンバートの独白のようなナレーションが入るところが、ちょっととぼけていて面白い。


はっきり言って主要キャストは皆かなりおかしな連中であり、まともなのはロリータだけか、、、と思える。
彼女の成育環境からみても、とても真直ぐに強く賢く生きている。しっかり自分を守れるところなど凄い。
(弱い娘なら、不良にでもなっているところだ。日本ではヤンキーか)。


ハンバート教授は夏を過ごすために田舎町で下宿の家を探す。
ヘイズ夫人の家は乗り気ではなかった(夫人のせいで)。
だが、庭で偶然出逢った少女に魅了される。いや、、、
ともかく教授の内なる何かが強烈に呼び覚まされたとでも言うべきか?

直ぐにその家に滞在始めるが、ロリータが気になってたまらない。
しかしその母ヘイズ夫人が教授に恋をしてしまうのだ。
(夫は7年前に他界している)。
ハンバートにとっては婦人が鬱陶しくて堪らない。
何とか、ロリータとの二人の時間を作りたい。何でも欲しいものを買い与え気を引こうとする。
しかし夫人は娘にどうやら女としての敵対心を抱いているようで、ロリータを自分のところから遠ざけようとしていた。

ヘイズ夫人はついに、娘への嫌悪とハンバートと一緒に過ごしたい気持ちからロリータをサマーキャンプに出してしまい、その後は全寮制の学校に送りそこから大学に入学させるという、徹底的に娘のいない生活を企んでいた。
教授はロリータと離れたくない為、ヘイズ夫人の求婚を受け容れる。そうすれば父として彼女と繋がる。
だが、ハンバートの日記を盗み読みした夫人が事の次第を知るに及ぶ。
ハンバートとしては、ピストルで彼女を事故死に見せかけようか考えるほど追い詰められていたところであったが、ヘイズは怒り狂ってに雨の中、表に飛び出した際に車に引かれて絶命する。
転がり込んだ幸運。

Lolita003.jpg

彼女を連れ戻し、それからはハンバートの天国かと思いきや、、、。
この男、詩を書き小説などを執筆し、人の機微や心理にも通じているはずなのに、ロリータを一個の独立した人格として扱えない。
酷い母親以上の関わりである。これで好かれるはずはない。
束縛が激しく帰りの時間や交友関係に煩く、自由や自立など微塵も認める気はない。
ダンスもデートも禁止、学校の演劇にも参加を認めようとしない。
完全に自分の物扱いなのだ。
つまり、美しい娘に純粋に恋をしたというのではなく、自らのエゴを彼女を通して実現しようとしたに過ぎない事が分かる。
言い争いが絶えない日々が続き、ロリータも発狂寸前となる。

Lolita002.jpg

そして学校を退学させ、彼女を独占するために車の旅で過ごす。
これには参るが、ロリータも尊敬するキルティに頼み心理学の教授としてハンバートを説き伏せようとしたり、叔父にしてインフルエンザで入院した病院から脱走をして成功する。何役ものキルティを愉しめ、面白くも気味が悪い。
ロリータはやはり彼女に無理強いするキルティからも離れ、純朴な青年労働者と結婚し子供までもうける。
アラスカに移住するための費用を無心する為ハンバートに手紙を出し、ロリータは結局13000㌦をドライにせしめる。
これは曲がりなりにも彼の彼女に対する親心でもあり恋心と取ってあげてもよいところか。もう最後の清算(家まで売って作っている)で後を考えていないともいえる。
そしてハンバートは、彼女とキルティとの一件を知り、自分が彼女にとってどれくらいのものであったかを悟り、絶望して泣きながら去って行く。


そしてハンバートは冒頭にも繋がるキルティ宅を訪れ彼を射殺する。
少女像の絵の裏に隠れたキルティに少女の顔に弾丸を浴びせ彼を殺す、、、象徴的な最後となった。
これこそ清算であろうか。


ロリータ・ヘイズのスー・リオンはまさに”ロリータ”のイデアに相応しい。
ピーター・セラーズの毒は癖になる。要注意だ。



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COMMENT

酷い話…😓
でもいつか観てみたい映画です!

是非、ご覧ください☆

> 酷い話…😓
確かに、わたしも筋をただ平板に書いてしまい、それではもう救いも何もない噺になってしまいました。
ただ、これは映画であり、やはりスタンリー・キューブリックの作品です。
充分に魅せます。映画として。
観始めると目が離せません。
酷い奴らばかり出てきますが、映画として見ると結構、美しいのです。

ピーター・セラーズの毒気も凄いです。
ロリータは健気で強くて魅惑的です。
ハンバート・ハンバートの疲労困憊ぶりも、そうだろうな~とは思います(爆。

では、また宜しくお願いします。

おはようございます

GOMA28さん
はじめまして。
ST Rockerと申します。
昨日の朝、この記事のコメント欄だけ拝見していたものですから、急にこの映画を観たくなり、レンタルを借りてきて観てみました。
やはりとても印象的ですね。
スタンリー・キューブリックはこの時はまだかなり若いと思うのすが、“鬼才”といったところですか?
そして今朝、改めて記事の本文を拝見しました。
なるほどですね。
昨日はピーター・セラーズにはそれほど注目していなかったので、もう一度観てみたいですね。
他の記事も少しずつ拝見したいと思います。
よろしくお願いします。

ありがとうございます☆彡

ST Rockerさん、はじめまして。

> 昨日はピーター・セラーズにはそれほど注目していなかったので、もう一度観てみたいですね。
> 他の記事も少しずつ拝見したいと思います。
> よろしくお願いします。

こちらこそ宜しくお願いします。
ピーター・セラーズはクルーゾー警部で有名ですが、独りで何役もこなして、それぞれが違うキャストと思い込んでしまう程に演じ分けてしまうところは、凄いを通り越して呆れてしまいます。
ジェームズ・マカヴォイも「スプリット」などで多重人格を派手に演じていますが、、、。
そういう役は、役者冥利に尽きるかも知れませんが、上手い人でないと見苦しくなるでしょうね。
「博士の異常な愛情」もお暇なときに是非ご覧になってください。
でもわたしは「ロリータ」の彼の方が更に不気味で好きです。特に最初のダンスパーティでの出方。もう立ち振る舞い、所作から釘付けになりました。

全くの私見ですが、リチャード・ヘンリー・セラーズが本名なのに、両親から死産であった兄の名前ピーターでずっと呼ばれていたそうです。幼児期からのその環境~関係性が彼の精神に及ぼしていた影響は大きく根深いものに思われます。それが俳優となりあのような芸風も作っていったところは、あるかと、、、。
54で心臓発作で亡くなりますが、とても残念です。彼はもっと演じる必要があったのでは、と考えます。

では、何かのご縁かと思います。今後とも宜しくお願いします。
他の記事もブログ内の「検索」からご覧ください。
コメントなど戴ければ幸いです。

あ、それからたまたま映画を題材に好きなことを書いておりますが、専門は美術です。
映画は余り知りませんので(笑。それも踏まえて宜しくです。

こんばんは

GOMA28さん、こんばんは。
大変ご丁寧なお返事をどうもありがとうございました。
こちらこそ何かのご縁と感じております。

「ロリータ」は、返却する前にピーター・セラーズの部分だけ観返してみました。
たしかにすごい演技だと思いましたし、ダンスシーンは何とも異様でしたね。
生い立ちもすごいですね。
僕は「2001年宇宙の旅」が大好きで自分のブログでも記事にしたことがあります。
「時計仕掛けのオレンジ」はかなり前に観たのですが、内容を忘れてしまいました。
「博士の異常な愛情」はぜひ観てみたいと思います。
キューブリック監督は随分若い時からやっていたようですね。

映画は余り知らないとおっしゃってもこれだけ書かれるのはすごいと思います。
美術もぜひ拝見します。

僕のブログのほうにもぜひ遊びに来てください。
こちらこそコメントなどいただけますとうれしいです。

では、今後ともよろしくお願いします。

どうも☆彡


> 美術もぜひ拝見します。
ありがとうございます。
わたしの「美術」専門のサブ・ブログがリンク欄にある”Low”です。
ここのところ更新できていないのは、美術展に行っていないからです(笑。
過去物が結構ありますので宜しければお暇なときにでもお立ち寄りください。
メインの方にも別のモノを取り敢えず載せております。

> 僕のブログのほうにもぜひ遊びに来てください。
全て英語ですね。
拝読させていただきます。

> こちらこそコメントなどいただけますとうれしいです。
ビジネスには、はっきり言って疎いですが、頓珍漢にならない程度に気付いたことがあれば、書かせていただきます。
フルート(音楽)のこともありますが、わたしも昔、フルートをやっていました(笑。
”A new sound of business”の他にも「ビートルズの新しい分析」をお持ちなんですね。

> では、今後ともよろしくお願いします。
こちらこそ宜しくお願いします。

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