ピーター・オトゥール(アラビアのロレンス)死去81歳

もう81歳だったのですね。長く闘病もされていたという。
私にとってピーター・オトゥールは”アラビアのロレンス”です。
あまりに強いインパクトで、忘れようもありません。
あの「青い目」です。
あの内に秘める救いがたい狂気。
あの青い目だけで、あれだけの表現ー演技が出来るということに驚愕しました。
トマス・エドワード・ロレンス本人よりも本人に似ている人だったのでは、と思われるのです。
恐らく本人以上に本人だったはずです。
彼にとっては第二作目、というより主演第一作目が”SWANSONG”のような気がしてならない。
あれはピーター・オトゥールの演技と憑依 possessionの間を危うく綱渡りする様を撮った映画という気がします。
映画自体素晴らしいものでした。
そこに、これ以上の器はないというピーター・オトゥール。
絶対的な映画だと思います。
始まりのオートバイで暴走して死ぬところから最後までの稠密な時間にピーター・オトゥールの俳優の時間も使い果たしたのかも知れません。
勿論、その後も名作と呼ばれる映画に多数出演し、主人公もこなしていますが、あんな「狂気」はその後どの映画にも見たことはありません。彼自身においても、他の役者にも。
シリアスで重厚な役から軽やかなコメディまでこなす演技派と謳われてきましたが、ロレンス以外はその枠でおさまっていたかも知れません。
英国アカデミー賞 主演男優賞Lawrence of Arabia T・E・ロレンス
ゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ドラマ部門)Becket ヘンリー2世
ゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ドラマ部門)The Lion in Winter ヘンリー2世
ゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門)Goodbye, Mr. Chips アーサー・チップス
計8回もアカデミー賞にノミネートされながら、一度も受賞していない無冠の帝王。
ご冥福をお祈りします。

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