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ジャイアンツ

Giant001.jpg

Giant
1956年
アメリカ

ジョージ・スティーヴンス監督
フレッド・ジュイオル、アイヴァン・モファット脚本
エドナ・ファーバー原作

エリザベス・テイラー 、、、レズリー・ベネディクト
ロック・ハドソン 、、、ジョーダン・”ビック”・ベネディクト II
ジェームズ・ディーン 、、、ジェット・リンク
マーセデス・マッケンブリッジ 、、、ラズ・ベネディクト(ビックの姉)
サル・ミネオ 、、、アンヘル2世
ロドニー・テイラー 、、、デヴィッド・カーフリー卿
キャロル・ベイカー 、、、ラズ・ベネディクト II(娘、次女)
ジェーン・ウィザース 、、、ヴァシタイ
デニス・ホッパー 、、、ジョーダン・ベネディクト III(長男)


テキサスとはこんなところなのか、、、
テキサスという場所をしみじみ感じる映画であった。

ジェームズ・ディーンがどれほどの名優かも身に染みて分かった。
24歳没はいくら何でも酷過ぎる。


3時間20分を超える映画であるが、負担を感じずに見ることが出来た。
まさに大河ドラマであるが、コテコテの南部の大牧場主のビックが大きな時代の流れに揉まれて変わって行く姿がアメリカを象徴しているのか、、、と感じた。アメリカの基本は南部にある。
「何もかも計画通りには行かないものだ」
確かにその通りだが、熟年になってベネディクト夫妻はとても良い関係になった。

元ベネディクト家使用人であったジェットは、まさにこの時代の典型的な寵児である。
ビックから彼の広大過ぎる牧場の一部をもらい受け、その地に独りで奮闘して油田を掘り当てたのだ。
丁度、二次大戦も始まり国がいよいよ石油を必要として来たころである。
彼は見事にチャンスを活かした男であった。
だが、彼は余りに恋愛において一途で純粋過ぎた。
そして南部の精神性から抜け出る機会を持ち得なかった。
それが彼を不幸にした。高倉健ではないが、不器用なのだ。

Giant002.jpg

登場人物は皆真面目でよく働いている。
自分の理想の為に労を惜しまない。
テキサスはもともとメキシコ人を騙して奪い取った地である(どう正当化しようと)。
しかし、テキサスのアメリカンはメキシコ人を怠惰であると蔑み、店に入っても「お前の来る店ではない」とつまみ出し、美容室に予約して行っても「手が空きません」と、マニュアル通りに彼ら、彼女らを真面目にしっかり排除して働いている。
実にアメリカらしい。

ビックも最初はその真面目で模範的な差別者であったが、妻や子供たちという身近な他者との暮らしを通してゆっくりと変質して行く。
この彼の言う、計画通りに上手くゆかないという事が大切なのだ。
息子(長男)が乗馬を嫌い到底カウボーイ―などに成れぬ事を自覚させられ(医者となって故郷に尽くすが)、ふたりの娘も全く親の想像の及ばぬ考えを持っている(実に自然だ)。
ビック夫妻にとっての最初の違和感は、3人の子供が幼い頃に、クリスマスの七面鳥の丸焼きをテーブルに出した瞬間、仲良しの七面鳥であることに気付き名前を呼んで大泣きしていつまでも泣き止まなかったことであろう。
このような感性に取り巻かれて過ごすのである。
この感受性は妻の先進的な東部の感覚と共に、大変重要な資質として後程、効力を発揮するだろう。

時代の流れも彼ら(南部)を取り残していってしまう勢いであった。
幸いにも経済的には、放牧では立ち行かなくなるであろう時にジェットからの提案で石油成金になったお陰で自家用飛行機や邸宅には豪華なプールまで完備する生活を享受出来た。
精神的にも、東部の名門の娘であったレズリーと彼女の思想の影響を少なからず受けた子供たちとの葛藤を経ることが出来たビックは幸せであった。
しかし、レズリーへの想いを胸に秘めたまま、ずっと独りで過ごして来たジェットは金だけで幸せは掴めなかった。
つまり、身近な~親密な他者がいないことで、自己解体もなにもする契機ももたず、精神的には以前と変わらぬ貧しさのなかに居続けてしまったのだ。
もしレズリーへの想いを断ち切れるような人に出逢っていれば、彼の人生も豊かなものになっていたかも知れない。
いずれにせよ、ジェットは億万長者となっても悲惨な生涯で終わった。

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最後に、普通のハンバーガーショップを訪れた際、その店のあからさまなメキシコ人差別に怒り店主と大喧嘩するビックであるが、そこで歳のせいもあり殴り合いで負けてテーブルに残債と共にたたきつけられるが、夫人のレズリーからは、これまでにない最高の賛辞をもらう。
ジェットとビックの最大の差は、ここである。
哀しいかなジェットにはレズリーはいなかった。
彼に気持ちを寄せていたラズ・ベネディクト IIではダメだったのか、、、。
この辺の難しさが、人生である。


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