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シェルブールの雨傘

Les Parapluies de Cherbourg001

Les Parapluies de Cherbourg
1964年
フランス

ジャック・ドゥミ監督・脚本
ミシェル・ルグラン音楽

カトリーヌ・ドヌーヴ 、、ジュヌヴィエーヴ・エムリ
ニーノ・カステルヌオーヴォ 、、、ギィ・フーシェ
マルク・ミシェル 、、、ローラン・カサール
エレン・ファルナー 、、、マドレーヌ
アンヌ・ヴェルノン 、、、エムリ夫人
ミレーユ・ペレー 、、、エリーズ(ギィの叔母)


真昼の用心棒」の時、「シェルブールの雨傘」に内部リンクを張ろうとしたら記事がないのに気付き、焦る。
もう随分前に観て大感動したもので、感想だけは書いておきたい。
なお、「ロシュフォールの恋人たち」(1967)と同じくジャック・ドゥミ監督・脚本でもある。
こちらの映画では、カトリーヌ・ドヌーヴとフランソワーズ・ドルレアックという史上最強姉妹が主演と来ている。
音楽もミシェル・ルグランで素晴らしいものであったが、形式的には通常のミュージカル映画となっていた。


第一部 旅立ち 1957年11月
第二部 不在 1958年1月
第三部 帰還 1959年3月
エピローグ 1963年12月
で構成され、音楽のみで地のセリフの無い唯一無二の形式を誇る藝術作品である。

その実験的(革命的)試みが完璧に成功している。
”I Will Wait For You”が鳴るたびにきまって号泣だ。
もうこれは仕方ない。
恋愛ドラマをこのレベルまで持って行った映画を他に知らない。
音楽の力は勿論だが、まだ瑞々しいカトリーヌ・ドヌーヴとニーノ・カステルヌオーヴォも素晴らしい。
更にマルク・ミシェルの紳士振りも言う事なし。
歌は全てプロの吹き替えだが、当然だろう。
でなければ、この完成度は不可能だ。
(敢えて謂えば、エムリ夫人が少しばかり煩すぎ)。

Les Parapluies de Cherbourg003

しきりにお母さんが、あなたはまだ若すぎるからと言って、結婚を思いとどまらせるが、確かに17歳では早い。
だがそう言われている彼女が、大人の顔立ちである為、どうも感性的に謂って子供には見えない。
この時カトリーヌ・ドヌーヴは21歳で、そんなに歳の離れた役ではないが、若過ぎるに説得力が感じられなかった。
乃木坂のいくちゃんが21になったそうだが、彼女なら17は楽勝である。違和感なし。
(ミュージカルにつられてこちらに流れてしまった。勿論ファンという事もあるが(笑)。

戦争で恋人ギィ・フーシェ不在中に宝石商ローラン・カサールから結婚を申し込まれたジュヌヴィエーヴであるが、彼女は大いに悩む。
ギィ・フーシェと将来の展望はないにせよ、愛し合っており、彼の帰還をひたすら待っているのだが、その間手紙もろくに来ない。
写真を見なければギィの顔も思い出せなくなってきた焦りもある。
母はギィとの結婚には一貫して反対で、裕福なカサールとの結婚を望んでいる。
しかし、ここに大きな問題が立ち塞がっていた。
すでにジュヌヴィエーヴはギィとの子供を宿していたのだ。
女の子なら”フランソワーズ”と彼と一緒に名まで決めた子だ。

そこで、彼女はもし妊娠している自分を受け容れてくれないなら、カサールに然程の誠意はない。
でも、そんな自分を受け止めてくれるというなら、それを断るなんて誠意を裏切ることになる、、、。
こういった理屈に走った悩み方は、もうすでに彼女の中でギィより宝石キラキラ紳士のカサールに傾いていることが窺える。
予想通りすんなり彼はお腹もプックリなジュヌヴィエーヴを受け容れ、一緒にその子を育てようと言ってくれた。
もう結婚しかない。大きな宝石の指輪である。

絵としては、カトリーヌ・ドヌーヴの美しさは圧倒的である。
ウエディングドレスを着たマネキンたちの中に彼女がベールを纏って混ざって立っているところは、シュルレアリスティカルな美でありハッとさせられた。
こういった美しい演出も盛り込まれたところが素晴らしい。

二部の最後のところで、ギィの叔母の世話をしていたマドレーヌがこの結婚をしかと見届けていることをわれわれに知らせている。

三部で、ギィは脚に怪我を追って帰還するが、彼女らの「シェルブールの雨傘店」は人手に渡っていた。
ことの次第を知って自暴自棄になるギィ。
酒と娼婦にうつつをぬかし、朝帰りするとマドレーヌから昨夜叔母が亡くなったと聞かされる。
彼女は行く当てはないが、そのアパートに留まる理由もない為、出てゆこうとするが、ギィに一緒に住もうと懇願され留まることにする。
そして叔母の遺産もあり、以前からの夢でもあった白い事務所付のガソリンスタンドを作り、その前向きなギィの姿にマドレーヌも心を開き彼のプロポーズを受け容れ結婚する。
この辺の流れは余りに予想がつき易いが、もうこれ以外の展開はあり得ない。

Les Parapluies de Cherbourg002

そして当然、予定通りの邂逅による最後の結びとなろう。
息を呑む切なさである。
クリスマスの夜。雪積もるさなか、結婚後初めて里帰りしてやって来たジュヌヴィエーヴ。
丁度、ギィが独りになったばかりのタイミングに彼女が偶然車で入って来た。
給油の間、白い事務所でほんの一時、ぎこちなく語り合う。
お互いの幸せを、ことばで虚しく確認する、、、。
ギィは車の助手席に見つけた女の子の名前を聞く。
「フランソワーズよ、、、あなたにとても似ている、、、」
「もう、行った方がいい」
彼女が車で出てゆくのと入れ違いにマドレーヌと幼い息子のフランソワが戻って来る。
カメラが急速に引いてゆく箱庭のような光景の中に、ギィが息子相手に雪遊びをする姿とそれを見守る妻がいるが、すでにギィの表情は掴めない。

”I Will Wait For You”のもっとも哀しいアレンジが鳴り響く、、、。



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