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荒野の1ドル銀貨



Un dollaro bucato/One Silver Dollar

イタリア/フランス
1965年

ジョルジオ・フェローニ監督・脚本

ジュリアーノ・ジェンマ、、、ゲイリー・オハラ
イヴリン・スチュワート、、、ジュディ・オハラ
ピーター・クロス、、、マッコリー(悪の銀行家)
ジョン・マクダグラス、、、ドナルドソン (マッコリ―に対立する農場主)
フランク・ファレル、、、アンダーソン保安官


イタリア/フランス作のマカロニウエスタンである。
昨日の映画(荒野の用心棒)のようにヨーロッパの多国籍俳優が出演している時は、「ユーロウエスタン」とも呼ぶらしい。
ドイツは確かに西部劇が盛んであったと聞く。イタリアだけではない。フランスでもフィルムノワール風ウエスタンが出来ていたという。ちょっと見てみたい感じもする。
「子連れ狼」や「木枯し紋次郎」もマカロニウエスタンの影響から生まれ出たらしい。成る程、という気はする、、、。
「用心棒」が「荒野の用心棒」を生んだように、西部劇と日本時代劇はかなり相互変換が効きそうだ。

One Silver Dollar003

この映画も終始、目は離せない。
緊張感が途切れて中弛みするようなことはない。
あれっと想うところは多いが、不思議な雰囲気と魅力(意外さ)で最後までもってゆく。
アメリカものに比べ主人公は、アウトロー的なペルソナが多いというが、この主人公はかなり高潔な部類である。
南北戦争で敗れ、西部で身を立て直そうという前向きな男だ。
しかし非情さを売り物?にするというマカロニウエスタンの枠にはしっかり入っていた。
いきなり弟を失う悲劇から始まる。
信用して絡む相手(ドナルドソン 以外)がことごとく悪であり、主人公の奥さんも巻き込まれてゆく。
しかもドナルドソンも裏をかいたつもりが、悪辣な保安官に殺される。
その辺の殺伐さから、ずっとハラハラさせられる始末(笑。


拳銃というものは銃身を短く切られていると、あれ程狙いが定まらないものなのか。
確かに最初の場面で、凄腕ガンマンでもこの銃身では小さな的に当たり難いというのは、よく分かった。
だが、最期のシーンあれだけの至近距離で、人を的にしているのに全然当たらない、というのもどうか。
マッコリーはお尋ね者のかなりの悪のはずであるが、腕はイマイチなのか。
わたしは、また鉄板でも胸に仕込んだか、何かの手品(イリュージョン)かとも思ってしまった(笑。
ゲイリーはランタン持ってニヤッとしているだけだし、不思議なシーンでもあった。

胸に忍ばせた銀貨のお陰で命を拾う、というのはこの作品が初めてだろうか。
このオリジナルアイデアはかなり使われたものだ。
なかなか粋でもある。
コインが違うものになったりはしていたが。
ヒーローものは、運も大切である。
このコインは、弟の柱時計に隠されていたものであり、終盤このコインの転がって行った先の柱時計には、弟が見つけたマッコリーの悪事を暴く書類が隠されてあった。(結局書類も何も関係なく悪漢は民衆に始末されるが。この映画は、それが基本パタンともなっている)。

One Silver Dollar004

ここでは気丈なヒロイン(妻)も活躍するが、主人公と彼女との再会がまた凄いタイミングである。
主人公は、捕まってボコボコにされる(相手の詰めの甘さから決して殺されない)。これはお約束か。
ゲーリーが口に塩まで詰められ縛り付けられているところに丁度囚われて妻もその場にやって来る、、、。
それを知ったゲーリーは、靴の拍車で縄を切る。そこは分かった。腕はどうやって切ったのか、そのシーンがない為、わたしはヨガのポーズとか想いうかべてしまったではないか、、、余計なことか、、、マイケル・ジャクソンの身体能力なら楽勝かも知れぬ。
この辺はよい。
だが、悪党の銀行家のボスが、少し前に逢ったばかりのゲイリー・オハラ の顔を全く覚えていないで、また手下に雇うというのは、ちょっとあんまりではないか、とは思った。
そんな細かい所はあるが、まだほとんど気になるレベルではない。
問題は、この土地の最後の良心とも謂えるドナルドソン まで殺される。
保安官がマッコリー一味であったことが誤算であったにせよ。
まんまと新銀行を建てて対抗するための金塊まで奪われてしまう。
これではゲイリー・オハラ は何の役に立ったというのか、という気もして来る。
(弟の隠したお尋ね者の情報を見つけるのが遅かったと謂えばそこまでだが)。

確かに早撃ちの腕は魅せるが、次々に撃ち殺して暴れまわる程ではない。
そこそこの爽快さであり、まあ何とかマッコリー一味は倒したし、それでよいか、というところだ。
ワイルド・バンチを先に観てしまっていることはやはり大きい)。
だが面白い映画とは謂える。

One Silver Dollar002

特に整合性が無くても面白いものは面白いのだ。




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