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ムーンウォーカー

Moonwalker002.jpg

Moonwalker
1988年
アメリカ

ジェリー・クレイマー、コリン・シルバース監督

ミュージッククリップ集である。
最後のものはやたらと長い、映画みたいな、何と謂うべきか、、、極めて彼らしい世界が窺えた。

マイケル・ジャクソン
ショーン・レノン 、、、ショーン(マイケルと仲良しの子供)
ケリー・パーカー 、、、ケイティ(マイケルと仲良しの子供)
ブランドン・アダムス、、、ジーク(マイケルと仲良しの子供)
ジョー・ペシ、、、悪者


何と謂ってもマイケル・ジャクソンのダンスである。
ダンスと歌なのだが、それに留まらない生々しいひりつきがある。

昨日の前作に当たる本作は、純粋にマイケルの卓越したダンスを愉しむことも出来るが、彼の精神のルーツみたいなものにひんやり触れてしまう恐ろしさも感じる。昨日の”THIS IS IT”の方は、彼の外面的パーソナリティ~完全主義で他者に優しく地球想いの面に触れられ、暖かく大きな人格を感じたものだが。

Moonwalker004.jpg

次々に変身したりしながらいろいろなもの相手に踊ったりする。
彼に夢中の可愛い子供が必ず一緒にいる。
ここでは、子供を薬漬けにしてやろうという悪党の追手を振り切りつつ見事なダンスを披露し、連中とのファンタジックで荒唐無稽な闘いを(まるで玩具のごっこ遊びみたいな感覚で)繰り広げ、何か不気味なステージでエンドロールに向かう。
これは自宅に”ネバーランド”を創ってしまう彼ならではの世界であろう。
(監督がそれをよく分かって創っているに違いない)。
白昼夢とか一種の精神療法的(箱庭療法的)な世界にも受け取れる。
子供が主体となって登場し、何とジョン・レノンの息子も混ざっていて、悪い大人に追い回されるというのは、、、
マイケルの原体験を感じないではいられない。その孤独はショーンとも共有できるところもあったかも知れない。
永遠に大人にならないと決めたヒトの世界が描かれていると感じた。
ここに登場して来たものは彼(ネバーランド)のコレクションのほんの一部だとは思う。

見ようによっては踊るウサギがかなりグロテスク。いや二人の踊る場面自体が。
可愛いという感覚とは違う(可愛いにはその種の毒が必ず含まれるとしても)。
独特の嗜癖がある。マイケルの着ぐるみのウサギが自立して彼と踊り、警官が踊りは禁止だと言ってマイケルを罰する。その時、ウサギ自身も消えてなくなり、そこを立ち去るときにウサギは岩の形でサインを送ってよこす。
マイケルと二人で踊っているところなど、間違っても無邪気な微笑ましさとか感じない。
何か妙である。
それから悪者が捕らえた女の子ケイティをパンパン叩く虐待にはかなり違和感を覚えたが、それに対するマイケルの絶叫も尋常ではない。ここは、生な何か~記憶を強く感じた。ある意味、子供向けファンタジーを逸脱する部分であり、本質的なところに思える。
このトラウマの生じた場の再現そして変身。破壊。そして何処かに戻ってゆき、帰還を果たして子供たちにサプライズ。
ビートルズ(レノン作曲)の”ComeTogether”のステージでしめる。この曲にせよ歌詞などは子供向けではない。どういうサプライズだったのかよく分からないままにエンドロールのアカペラに、、、。



とは言え、ダンスの映像の素晴らしさは言う事なし。
特に”Smooth Criminal”のシーンである。
まさに圧巻!
昨日思い出さなかったが、マイケルの曲で最もカッコよい曲はこれではないか?
それに持ってきてこのダンスパフォーマンスである。
実はわたしはこの部分だけ、今日10回は繰り返して観てしまった。
サウンドとダンスの融合は逸品。
見所は、何と謂うか、、、知ってる人は、「そうそれ!」と叫ぶところだが(笑、あの重力調整しながら体を倒してゆくところである。
わたしも真似してみたが、真似してどうなるんだ(怒!、、、というものであった(爆。
また、敵か味方か分からぬが、一緒にシンクロして踊るダンサーたちも見事の一言。
ダンスクラブに入った次女に見せない手はないが、先ほど寝てしまったので、明日見せる。

実際、子供時代にマイケルのダンスを見たら、これは夢中になってしまうに違いない。
そこで育ったダンサーたちが、”THIS IS IT”のオーディションに世界中から集まって来たのだ。
そして、彼らのコメントには、わたしの方も、もらい泣きしてしまった。

Moonwalker003.jpg

だが、マイケルが銀色のロボットに変身してゆくところは、とても悲痛であった。
これは、「凄いマイケル!」では片付かないものがある。
誰も踏み込めない、近づけない、孤絶したファンタジーだ。
共有できない夢とはこういうものか、、、。
その虚しさと哀しさと、それでも仄かな郷愁に彩られたシルバーメタリックマイケル。
どれだけマイケルを愛している子供でも唖然として見守るしかない。


マイケル・ジャクソンの狂気と偏愛とクリエイティブな欲求とが綯交ぜとなった映画みたいなミュージッククリップである。
ミュージッククリップみたいな映画というのか、、、。


ネバーランドに一度、わたしも滞在してみたい思いをもった。
きっと、お化け屋敷などよりずっと怖くて、甘味で煌びやかな場所であるはず。



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