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ブルージャスミン

Blue Jasmine001

Blue Jasmine
2013年
アメリカ

ウディ・アレン監督・脚本


ケイト・ブランシェット 、、、ジャスミン
アレック・ボールドウィン 、、、ハル
ルイス・C・K 、、、アル
ボビー・カナヴェイル 、、、チリ
アンドリュー・ダイス・クレイ 、、、オーギー
サリー・ホーキンス 、、、ジンジャー
ピーター・サースガード  、、、ドワイト
マイケル・スタールバーグ 、、、ドクター・フリッカー
マックス・カセラ 、、、エディ
オールデン・エアエンライク 、、、ダニー


欲望という名の電車」を想いうかべながら観た。あの”ブランチ”を観た。そう謂えばこれもエリア・カザン監督であった。(テネシー・ウィリアムズ 原作)
そしてこちらは、ウディ・アレン監督であるが、ユーモアとウェットに富む軽妙なテンポという訳ではない、コメディ調は目立たぬ堅牢な作りである。シニカルとか謂うより、リアリティの無い人生から徹底的に幻想を剥ぎ取って行く突き放したシビアな作風だ。ウディ・アレンの映画だという事を忘れて魅入った。
ケイト・ブランシェットが何より繊細で絶妙である。この人の没落セレブ~”ブランチ”の演技には吸い込まれる。
シェイプ・オブ・ウォーター」主演のサリー・ホーキンスも難しい立場の妹役を自然にこなしていた。
このふたりの掛け合いは凄い。複雑な絡みで高度な名人芸だ。
キャストも上手く選ばれている。皆ピッタリではないか。とても稠密な劇になっている。

上手いと謂えば、過去~現在の場面(意識流)が極めて自然に織りなされて進行するところだ。
この脚本はまさにウディ・アレンの名人芸であろう。
映画によっては、この連結が不自然だったり強引だったり進行をぎこちなくするものも少なくない。
鮮やかな手際の映画である。


敢えて色々書く気にはなれないのだが、、、。
さり気無く語られた、優秀な遺伝子を持った里子というのが、重要なポイントか。
ジャスミンもジンジャーも姉妹だが母親は違い、ふたりとも里子である。
親の愛に代わる承認要求は強くもってもおかしくはない。
大きな無償の愛による全能感をどこかに求めるのは自然なことだ。
特にジャスミンは優秀な遺伝子を持った里子という自負がある。
この辺に彼女のセレブへの殊更強い拘りの根があるのだろうか。
そんな気がする。

まず名前を変える。これは分かる。自分を自分の意のままに変えるのなら、まず名前であろう。
夫の(詐欺の)仕事に敢えて気づかぬふりをしてどこまでも裕福な勝ち組にしがみつく。
だが一度夫の裏切りを知ったとたん全てを投げ出しFBIに通報して取引し、夫だけ有罪にもちこむ。
ONかOFFかという心情は分かり易い。
大学中退して結婚しており、キャリアは一切積んでこなかったことから、有望な相手に縋り依存しようとする。
(地道な自立を考えると途方もない遠大で実現困難な方法を取ってしまう~現実感覚の希薄さ)。
そしてこれはという相手が現れると、調べれば分かる嘘を躊躇なく出任せでついてしまう。

出逢いの曲は「ブルームーン」。カバンはヴィトン。飛行機はファーストクラス、、、、気付け薬は専用のカクテル、、、こういう物語を作って行く。
これをわたしは、愚か、軽薄だとか貪欲の恥知らずと言う気にはなれない。
内省して遡行したときに突き当たる原因と思しき事情をみて、それでも人にそれを罰する権利があるかどうか?
人は皆、ほどほどに暗愚でほどほどの幸せでほどほどに暮らすことが出来る。
だがその文脈を破って逸れてしまう人がいる。
自分の自由意思でそれを行っているのではなく、(運命的に)強いられてそうせざる(ならざる)を得ない。
そんなケースはある。

”ブランチ”役を更に深く抉ってジャスミンの強度を上げている。
ウディ・アレン流石。


最後に彼女は逃げ場が無くなり引き籠る様にして独りごとを呟く。
もう行くところは病院か施設だろうか、、、。
「欲望という名の電車」みたいに。

いつもの軽妙洒脱な感覚でまとまらない重みのある力作であった。


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