怪盗ルビイ

1988年
和田誠 監督・脚本
ヘンリー・スレッサー『快盗ルビイ・マーチンスン』原作
小泉今日子「快盗ルビイ」主題曲
小泉今日子、、、加藤留美(ルビイ)
真田広之、、、林徹(会社員)
水野久美、、、徹の母
加藤和夫、、、徹の会社の上司
その他、豪華キャストがチョイ役で多数出演
小津・溝口・岩井映画以外の邦画では、わたしのなかでは「下妻物語」と同格の面白さであった。
キャストが持ち味を活かし自分の仕事をこなしているが、キョンキョンと真田広之の魅力全開であった。
キョンキョンのミステリアスな可憐さと真田のコメディアン的な一面が上手く噛み合っている。
ワインでも飲みながらお気楽に眺めていればよい映画である。
それにしてもふたりとも若い!
「乃木坂の高級マンション”ザナドゥ”を狙うのよ!」(笑。
最近、乃木坂に縁がある、、、(爆。
この時期のキョンキョンが乃木坂にいたらセンター候補だろうな、、、。

徹の朝の窓の外をハンフリーボガードの渋いポスターがすうっと上がって行く、、、。
スタイリストを名乗る加藤留美がアパートの上の階に引っ越して来たのだ。
出逢い方からしてお洒落である。
まさに運命の出逢いだ。
彼女は徹に近づきわたしは怪盗ルビイと告げる。
、、、これを教えたのあなただけよ、、、
いきなり極めて怪しい。
が、相手はキョンキョンである。
取り敢えず関わってみよう、、、実に説得力ある出だしだ。
こういう非日常的な一瞬からガラッと生活は変わる。
まさに彼の場合、二重生活のはじまりだ。アメリカンヒーローものによくある(爆。

お母さんが毎晩御馳走を作って彼の帰りを待っているのに、徹は直ぐ上の階でルビイと他愛のない悪だくみを真剣にしている。
企みは盗みである以上、犯罪であり気弱な徹は悪夢にうなされる。
そのたびにお母さんがあやしにくる。
親離れの意味からも徹はルビイと関わる価値はあった。
但しルビイと徹が普通に出逢ってデートに漕ぎつけることはまずなかったはずであり、この犯罪ごっこから入るのが順当であったろう。ルビイはどういういきさつでよりによってこんな効率の悪い怪盗を企んだのかがよく分からない。
ルビイの考える身も蓋もない案では、先にかかる準備代や経費の方がかさみ、肝心の盗み(詐欺)は失敗し常に赤字となる。
徹は(偵察で)何となく高いキャビアの缶詰など余計なものを買い込んだりもしており、やるだけ貧乏になることははっきりしている。
キャビアをご飯にかけて美味しそうだったが(笑。
徹がいやいや付き合うルビイの計画も不可抗力と善意や洒落た配慮のなかで何をやっていたのかも訳が分からなくなる。
彼の受動的でおっとりボ~っとした性格も上手く働いた。
結局とても変わった趣向を凝らしたデートと考えればそれほどの出費ではない。
もっと金のかかるデートはいくらでもある。
(思い出したくもない(爆)。

ミュージカル的な所もある遊び心充分な楽しい流れであった。
「快盗ルビイ」ってこんなに良い曲だっけ、、、。
天本英世さんを観れたのがとても嬉しかった。
わたしも垂直的な時間性を持った生活をしたい。
アルタードステイツである。
そしてこれを書いている時、決まって何か口にしている。
太らない多重生活が求められる(爆。