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悪女

akujo001.jpg

The Villainess
2017年
韓国

チョン・ビョンギル監督・脚本・製作・アクション指導
パク・ジョンフン撮影

キム・オクビン、、、スクヒ(殺し屋)
シン・ハギュン、、、ジュンサン(犯罪組織のボス、スクヒ育ての親)
ソンジュン、、、ヒョンス(スクヒの再婚相手)
キム・ソヒョン、、、クォン幹部

「限界状況」(ヤスパース)を想う。こういう日常を粉砕されるドラマを見ると。
そして、それが重々しいドラマではなく、多彩なアクションとメロドラマの融合であろうが。
人間的な努力では克服不可能な状況~運命をここでも描いている。
とても数奇な人生であるが、それが人生であるがゆえに逃れることの出来ない、限界状況である。
死や苦に加え争、責、由来、偶然、、、これらの要素で人生が生成されるのであるから、どうにもならない。
実存であるしかない。
ここでは、狂気か、、、。悪女なんてものではなかろう。

この映画でこの話を持ってくるのは的外れかも知れないが、あながちそうとも言えまい。
ヒロインに人生の選択の余地などないし、恐ろしい限界状況で所謂日常などはありはしない。
しかしそんな生だからこそ、平穏無事な小さな幸せを求める気持ちも生じよう。
とは言え、どうなのか。
幼い時に形成された精神構造がそうした極限的な状況を引き付けてしまう。

「私は二歳」を見た時につくづく思ったことだが、この時期の自分の受けた外傷が分かれば今の自分の現実がかなり明瞭に分析される対象とはなるはずだ。解明させるものではなくとも。そこから現在に向けて広がる生成過程がヴィジョンとして掴めれば、内容がどれだけ陰惨であろうと、ほとんど救われよう。しかしその歴史が誰にとっても無意識であれば、どうにもならない。
大方、そんなものだ。ほとんどの人間が無意識に自動的に生きている以上。

ただ、苦痛に人間は慣れることが出来ない。これはトートロジーであるにせよ。
その苦痛が余りに強く生活に破綻をみるような場合において、、、。
「限界状況」により実存に目覚める。
最初に戻ったが(笑。

この映画はスタント出身の監督が、如何に迫力があり面白いアクションが可能か、を追求し続けて得たものを片っ端から放り込んだもののようだ。何故か日本刀まで出てきた。
それはいきなり冒頭から納得出来る。それは全編に渡って次から次に趣向を変えて出て来る。
カメラワークからいっても、主観的な視座から客観的~超越的視座をスウィッチするなど目まぐるしく出来る限りショッキングでヴァイオレンスなものにしようとしており、その狙いは成功している。

だが、その主体であるヒロインは自分の自由意志や趣味でそれを行っているわけではなく、強いられて「限界状況」にあって行っているのだ。勿論、本人は愛の為と答えるはずだが、多分に組織圧力や復讐や記憶~外傷経験によっている。まさに死と隣り合わせで。そこで初めてアクションに意味と質量が加わるのだ。
しかしこのドラマはアクションに象徴されるように極端な内容であるが、では平穏で自由な生活を送っている人間がいるか、と問えば、果たして人に自由などあるだろうか、と考える。考えれば考えるほど自由などというものが幻想に過ぎないのではないか、、、。

そういうところからも、わたしなりにスリリングなアクションはしてゆこうと思い、今日から始めた(爆。
感情の爆発を(自由に)集団のなかでしてみた。
これはこれで気持よい。
インプットしたらなんらかの形でアウトプットしないと。
続けよう。もっと。


CGによるVFXがほとんど見られないところ、ヒロインの体当たりアクション(特にバスのなか)も凄かったが、彼女の役柄の人間描写などよく出来ていた。キム・オクビン、かなりの力量ある女優だと思う。充分に美しかった。
その割に他のキャスト、特にチャラい再婚相手などは薄かった。
ストーリーは、かなりおざなりな感もあり、父が殺され、育ての親で夫でもあった男も殺され、政府組織で意に添わぬ暗殺をさせられ、何と死んだと思っていた前の夫が父親殺害の真犯人で自分を不幸に陥れた黒幕だと分かり、その上今の夫と娘も殺され、結局自分の手で前の夫も殺すという、、、どうも向こうのドギツク安易でありふれた設定とも謂えるが、ここではその極端な単純化で非現実的な彼女の定めとアクションを定着出来ていたかも知れない。伏線かと思っていた犯罪組織から盗まれたHDDのデータが何であり、どう絡んで動き影響してくるのかと思っていたが、ちょっとしたエピソードくらいのものであった。何と言うか国の秘密組織そのものが、収容者の教育現場などは面白いが、上層部からして体をなしていない感じであった。
噺の枠組み(下部構造)をもう少し堅牢にして、派手で華麗な(多分にスプラッターでもある)アクションを乗せたい。
ヒロインを中心にした動き、物語は余計なものがなくとても分かり易いため彼女に沿って見てゆくことで充分映画は堪能できる。


ジャッキー・チェンのアクションものみたいにお気楽には見れないものだが、一度くらい観てもよいものだと感じた。



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