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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

Catch Me If You Can001

Catch Me If You Can
2002年
アメリカ

スティーヴン・スピルバーグ監督
ジェフ・ナサンソン脚本
フランク・W・アバグネイル自伝小説『世界をだました男』原作
ジョン・ウィリアムズ音楽

レオナルド・ディカプリオ 、、、フランク・W・アバグネイル
トム・ハンクス 、、、カール・ハンラティ
クリストファー・ウォーケン 、、、フランク・アバグネイルの父親
マーティン・シーン 、、、ロジャー・ストロング
ナタリー・バイ 、、、ポーラ・アバグネイル
エイミー・アダムス 、、、ブレンダ・ストロング
ジェニファー・ガーナー 、、、、シェリル・アン


悪夢のなかでうなされるような光景が続いた。
こんな悪夢をかつて見たことがある気がする。
意味もなく逃亡いや逃避と変身のやまぬ世界。

全く表面しかない不気味な世界をこれまた上部だけの硬直したことばで危うく切り抜けて逃げてゆく。
まさに悪夢以外の何ものでもない。

全編に渡ってそうであるが、特に悲壮感を極めたシーンが、フィアンセの家で何か気味の悪い(宗教的な)ファミリーTV番組で歌われる曲を家族一緒に一つのシートに座って和やかに唄うところだ。フランクも口パクでにこやかな表情を作り彼らに合わせて唄う。
そしてもうひとつ、約束の日時にマイアミ国際空港にフィアンセを車で迎えに来た時、彼女は見えるところに佇んでいるにも拘らず、周囲一帯FBIに取り巻かれていることに気づき、何と彼は急遽女子大に潜入し女子大生を面接して客席乗務員候補に6人ほどを取り立て(この時間感覚が非現実的なのだが)お得意のパイロットコスプレをして彼女らと共に意気揚々とFBIの群れを突っ切り旅客機でぬけぬけと飛んで行ってしまう。こんな場面の連続で、カールたちは常に遅れ、後追いを続けるのだが、、、。
機転を効かせすんでのところで逃げ失せると謂っても、これも実に哀しい。
わたしもこんな風な経験を無意識下に葬りつつ、生き長らえてきたのだということを思い起こさせる。
哀しい思いに心が凍るようだ、、、。

Catch Me If You Can002

フランス語の教師、パイロット、医者、法律家になる際の計画・準備などはザックリ省略して、ただ変身したシーンを繋げて行くその文法自体が夢そのものであった。それも限りなく虚しく切ない悪夢である。
もし、この辺の間~繋ぎの現実が周到に描かれていたら、天才詐欺師の伝記的物語の肌ざわりが感じられたかも知れない。
手形の偽造などは、その作業の一端は映像で垣間見れたが、、、。

しかし悪夢の連続体を見る以外の何ものでもなかった。
その悲痛さを最も体現していたのが、フランクの父かも知れない。
彼はまるで夢の登場人物でありながら夢であることを知っている人みたいであった。
「もう終わりにする」というフランクに対し「お前はやめられない」と返す。
そうだ、やめるにやめられないのだ。
夢の生が途切れたらもう存在自体が無くなる、そんな恐怖しか彼にはない。

Catch Me If You Can003

天才詐欺師で凄いなどというものではなく、彼はこんな生き方を強いられる余りに哀れな存在であった。
両親を取り戻したかったのか。親の愛が欲しかったのか。親に認められたかったのか。それとも、、、
彼はその無意識的欲求に突き動かされ悪夢の中を休むことなく走り続けたのだろう。

FBIカール捜査官を第二の父親としてフランクはどうにか夢から覚める。
カールのフランクに対する執念は父性に近いものでもあったに違いない。
「奴はまだ子供だ」何とか夢から覚ましたい。
彼にとってカールの存在は大きい。
これ程、彼を見放さずに追ってくれたのだ。
恩人である。

カールがいなければ、フランクは一生を独房の闇で過ごしたかも知れない。
夢から抜け出ることが出来ずに。
彼の尽力でフランクにしか出来ないFBIのセクションが与えられる。
これまで自分の半ば無意識(病的)にやって来た事を今度は極めて意識的に分析(対象化)する過程に置かれるのだ。
手形偽造のコンサルタントである。
結果として社会貢献にも結び付くこの仕事で、フランクは初めて自分から逃げる必要も嘘をつく必要もなくなったはず。
誠実なことばを安心して放てることが、もっとも幸せなことに違いない。

Catch Me If You Can004


レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクス、クリストファー・ウォーケンの三人が圧倒的に素晴らしかった。
三人とも見事に悪夢の住人にもなっていた。



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