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ショートウェーブ

Shortwave001.jpg

Shortwave
2018年
アメリカ

ライアン・グレゴリー・フィリップス監督・脚本・製作
ルーカス・ギャス撮影
ドミニク・ファラカーロ音楽

ファニータ・リンジェリン、、、イザベル
クリストバル・タピア・モント 、、、ジョシュ(短波研究者、イザベルの夫)
カイル・デイヴィス、、、トーマス(ジョシュの相棒の短波研究者)
ジェイ・エリス、、、ロバート(ジョシュの上司)
サラ・マラクル・レイン、、、ジェーン(トーマスの妻)


音が多い。
暗示的でワザとらしい音の演出が鬱陶しい。思わせぶりな特殊効果ばかりで、肝心な中身が無い。
BGMが80年代のテクノシンセポップという感じで終始ピコポコしていたが、懐かしのシンセリズムといってもタンジェリンドリームやクラフトワークとは天と地の差である。何とも安っぽい。音楽は本当に酷い。
ここに溢れる映像が幻覚なのかどうなのか、という点においても観ていくうちにどうでもよくなる。
重要な所も肝もない。
ただダラダラ垂流されてゆくだけである。
緊張感もまるでない。
その為時々でかい効果音などを出して取り敢えず観客が眠らないようにだけは配慮しているらしい。

「お願い信じて」というセリフが何度も繰り返される。
イザベルの何者かに憑依されてゆく過程の叫びか。
無気力に苛立ち神経過敏の状態で、誘拐された娘の事をひたすら思い続け姿を求め続ける日々。
何かに付け入らせるに適当な器であるか。

今更、SETIを持ち出し、短波で信号が引っかかった、などでミステリアスな噺を騙ろうなど無理はある。
それにあの黒いエイリアンみたいなのが、地球から宇宙に向けSOSを発していたのか?
その発した電波が恰も彼方の星から送られてきたように受け取れた原因というのが馬鹿げている。
宇宙には果てがない為に戻って来るって、、、シリアスな体裁で作っているのだからナンセンスな冗談はやめた方が良い。
超短波は電離層を突き抜けるが、ここでは短波と言っているのも気になる。
(この件はこの物語では深追いしない)。


そしてイザベルも彼らに同調してしまったと。
最後は誘拐された娘アマンダも関係なくなってしまった。
つまり主体が乗っ取られたという事になる。

Shortwave003.jpg

初めはイザベルを彼女の言によればエイリアンを呼び寄せる餌としてトーマスらは利用しようとした。
彼女の娘を誘拐して何かを求める欲動を最大限に高め認知感覚を研ぎ澄ませて、彼ら~エイリアン(の信号)に共鳴するよう仕向けたのだった。よくもまあ、これ程非人道的な真似が出来たものだと呆れるというより、マイクロチップを埋め込み別荘から出られないようにしていた等と無理な設定におもえるが。
この計画は主にトーマスやロバートが立てていたようだが、彼女を庇っているようだった夫のジョシュも同意の上であったという。
その裏切り行為からも彼女はエイリアン側に寝返り?冷酷に人が刺せたのか。
もうほとんど人間的な部分は終盤は失せていたようだ。
ほぼエイリアンに同化してしまったものかも知れない。
夫が生前述べていたように、「様々な繋がり」である。

わたしにとって引っかかったところは、「潜在意識」の捉え方とその解放である。
それは「自分の覚えていない過去を追体験する」こと。
自分でも覚えていない記憶が思い出されることの重要性である。
わたしが日々少しづつ覚醒して行く実感をもつ時とは、それである。
恐らく自分にとっての起源を洗う時、遡行して今現在の意味を探るに、もっとも必要な過程となろう。
しかしこの物語では、文脈上イザベルの超常感覚を言いくるめる為に騙った出任せに過ぎない。だが、その言自体はわたしにとって重要な意味あいを持つ(いや誰にとっても)。

Shortwave002.jpg

最後、彼女は周囲の人間を刺し殺して去って行くが、あの傷だらけの血まみれの姿で何処に行く気か?
何だかイメージと煽りの氾濫するばかりの粗雑な映画であった。
あの別荘の極度な生活感の無さと言い、もう少し現実にも接触した上での幻想表現の方が噺のリアリティ~惹き込まれ度が高まるはずだが、、、。


キャストもまったく魅力に欠けていた。

パッケージには、作品が何処に出したとかたくさん書いてあったが、別に受賞とかは書いていなかったはず。
何ともお騒がせな映画である。
こんなものを作る金と暇があるなら、もっと他の事に役立ててもらいたい。





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