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深夜食堂

midnight diner001

2015年
松岡錠司 監督
安倍夜郎『深夜食堂』原作

小林薫、、、マスター
高岡早紀、、、川島 たまこ
多部未華子、、、栗山 みちる
余貴美子、、、塙 千恵子
筒井道隆、、、大石 謙三
菊池亜希子、、、杉田 あけみ
田中裕子、、、塚口 街子
オダギリジョー、、、小暮警官

韓国版や中国版も製作されたそうだ。
相当売れたマンガらしい。

TVドラマとして放映されていたそうだ。全く知らなかった。
わたしは滅多にTVは観ない。特にニュースは大嫌いだし。もう随分の間、科学・音楽特番くらいしか観ていない。

映画として改めて撮っているにせよ、TVドラマの雰囲気や世界観を尊重してまとめて映画にしているようで、特に映画の為の大きな変更や話自体のスケールアップとかはないようだ。
マスターの出すことになる料理の名前=題で噺も個々に分かれている。オムニバス調で進む。それぞれの逸話を無理に繋げたり関連付けたりしていない。小暮警官や馴染みの客はどれにも出て来るし、栗山 みちるは以後の逸話の終わりに登場するにしても、、、。何やら録画しておいたTVドラマを流して観たような感じである。
最近は録っておいたドラマをまとめて見るようなこともないので、ちょっと新鮮な気分で観た。

基本、マスターの美味しい食事でホッとして良い酒を交わしてのこころ温まる人情噺の展開というところだが、マスターが客の心の弱さを受け止め、彼らが自らの意志で一歩を踏み出せるように、さり気無く背中を押してゆく感じで進む、、、。

その中で「ボランティア」の件は抉り方が深かった。
ファッション誌のカリスマ編集長もしている知的雰囲気を醸す菊池亜希子がボランティアあけみ役である。
菊池亜希子は淡々とした空気感のある邦画のヒロインで異彩を放つが「森崎書店の日々」が特に印象に残っている。


ボランティアとしての関わる者とその無償の行為を受け取る側との間に生まれる幻想が大きく食い違うと面倒なことになる場合がある。相手に抱く幻想は勿論、皆異なるのが当たり前(非対称)だが、面倒となる食い違い方がある。
それを自分に対する特別な好意と受け取る場合だ。一度そう受け取ったことでその幻想は拭いきれない反証の効かない感情的なものに高まることも多い。その男性~大石は故郷~被災して自らが頑張らなければならぬ地を離れて、あけみに求愛しにやって来てしまう。
考えるまでもなく、ボランティアで訪れた地で献身的に働くその直向きな姿に恋をした男性に言い寄られるというケースはあってもおかしくはない。

しかしボランティアで働きに来たと言ってもその動機と目的、心的状況はひと様々であろう。
もしかしたら現状が立ち行かなくなり遠くの地に逃避の為に来た被災者並みの心境のボランティアもいる可能性もある。
ボランティアであるからと言って、無償の行為に喜びを感じ、慈悲の念に充ちたこころの余裕を備えているとは限らない。
更に恋愛の情に応えられる場合はもっと可能性は低いはず(というか、これは別問題~異なる位相の幻想となる)。
あけみは自分がどういう気持ちで被災地に追いやられて行ったか、そしてわたしのボランティアである立場をあなたは利用したと言って大石に対し怒りをぶつける。
そうなのだ。われわれは余りに人をステレオタイプに見過ぎている。
この仕事に就いているならこういう人だろう、、、などという推測はほとんどの場合効かない。
現実はそんな単純で薄っぺらなものではない。
人は生きた情報の複雑な束なのだ。
大石は酔っぱらってそのまま寝込んでしまったあけみの姿を見て我に返る。
その姿はボランティアでも理想の女性像でもなく、悩み複雑な想いを宿した一個の人間(実存)がただ眠っているだけであった。
このセグメントは印象に残る秀逸なものであった。

他にも男女間の恋愛感情の非対称性の際立ちをさらっと騙るものとか、東北出身の一文無しとなった少女がマスターの元で一念発起する姿や、、、色々あったが面白味としては、オダギリジョーの小暮警官の一挙手一投足が受けた。存在だけでも癖になる面白さであり、こういう人が脇を固めると中弛みはしない。

全体として人情の機微を淡々と描くものであるが、そのなかでちょっと馴染まない噺もあった。
「骨壺」の件は、必要ないと思った。

田中裕子(塚口 街子)の絡む骨壺のエピソードは、どうも納得が出来ない。
骨壺がどう伏線を張って流れてゆくのかと思っていたら、ただがっかりするだけであった。
田中のあの大袈裟でワザとらしい演技が異様な雰囲気を醸すだけでおよそ意味がない。
わたしには突然現れた変なおばさんとしか映らなかった。

余貴美子は高級料亭の女将が実に似合うと思う。
小林薫のマスターはピッタリであり、絶妙な間が特に良い。
常連客達もそれぞれに良い味を出して溶け込んでいた。
全体的に見れば雰囲気の好い面白い邦画である。

midnight diner002



続編もあるらしい。TVで長くやって来たならまだ沢山のエピソードが残っているはずだ。
機会があれば観てみたい。





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