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バットマン ビギンズ

Batman Begins001

Batman Begins
2005年
アメリカ

クリストファー・ノーラン監督・脚本

クリスチャン・ベール、、、ブルース・ウェイン / バットマン(ウェイン・インダストリーズの取締役に戻る)
マイケル・ケイン、、、アルフレッド・ペニーワース(執事)
リーアム・ニーソン、、、ヘンリー・デュカード / ラーズ・アル・グール(影の同盟の長)
ケイティ・ホームズ、、、レイチェル・ドーズ(検事)
ゲイリー・オールドマン、、、ジェームズ・“ジム”・ゴードン市警
キリアン・マーフィー、、、ジョナサン・クレイン / スケアクロウ
トム・ウィルキンソン、、、カーマイン・ファルコーニ(マフィアのボス)
ルトガー・ハウアー、、、リチャード・アール(現ウェイン・インダストリーズ取締役会長)
渡辺謙、、、ラーズ・アル・グール(影武者)
モーガン・フリーマン、、、ルーシャス・フォックス(応用科学部役員、バットマンガジェット開発者)


3部作を2,3,1の順に観たことになる。
全てに謂えるのは、アメリカン・コミックをよくここまで重厚なドラマに再現したと思う。
とてもリアリティがあり、マスクをつけたコスプレヒーロー物の胡散臭さは全く感じられない。
これは「猿の惑星」と同等のリアリティの強度だ。

そしてゴッサムシティに何故、ブルースが立ち上がったのか、蝙蝠の出で立ちなのか、銃で敵を撃たないのか、母のネックレスに拘るのかがよく分かる”Begins”譚となっている。
彼の幼い時に邸宅の庭にある井戸に落ち、底で蝙蝠の群れに襲われる。
これが長く彼の外傷経験となり彼の運命を大きく変える経験ともなる。
井戸から救い出すとき彼の偉大な父は「人はなぜ落ちる?這い上がるためだ」と彼に語る。
シリーズ中もっともガジェットやタンブラーなど装置類の説明や制作過程が示されていて、地下洞窟の件もどうして屋敷に組み込まれたのかも理解できる。
この第一部は無くてはならない。
これをはじめに、ダークナイト、ダークナイト ライジングと観れば非常に自然に無理なくその世界観に入って行ける。
三部作はまとめて観るとよいと思われた。

Batman Begins004 Batman Begins005 Batman Begins006

さらに何と我らがルトガー・ハウアーが出ている。「ブレードランナー」からの歳月は嫌でも感じられるが、独特の個性は彼ならではだ。
キャストの贅沢さという点では、この第一部は群を抜いている。
渡辺謙の役はちょっと残念であったが、大司教のような後光はしっかり射していた。
パニック・フライト」で恐ろしいサイコパスを演じていたキリアン・マーフィーがここでも怖い役を、、、。
非常に繊細な音楽家か詩人のような容貌である為、尚更狂気を強く孕む。
ケイティ・ホームズは志をもった強い女性を充分に演じていた。第二部にも引き続き出るべきであった。
二部の悲劇が更に色濃くなったはず。

Batman Begins003

そして長老トリオがそれぞれ圧倒的な存在感で物語を弛ませない。
特にここでは、終盤警部補に昇格したゴードンがバットマンのタンブラーを乗り回す活躍を見せる。
バットマンとの邂逅からの彼の変貌ぶりも見どころだ。
わたしだってタンブラー乗りたい。自動運転モードで走っていたが、それでも凄い乗り物だ。
カーチェイスやカーアクションも一番凄い。タンブラーであるから屋根の上を走りまくる。
(そのタンブラーを見た警官がそれを説明しようがないところが笑えた。名状しがたい奇妙奇天烈で凄い何者かなのだ)。


「人はなぜ落ちる?這い上がるためだ」大富豪のお坊ちゃまであるブルースが両親を貧者の凶弾により喪ってから、自ら身をやつし旅に出る。市場で盗みを働き刑務所にも入る経験も積む。一度落ちるところまで落ちたところで、彼はラーズ・アル・グールに邂逅し導かれる。

「恐れるな」父が目の前で殺される死に際にブルースに最後に語った言葉である。
この言葉は、彼が修行で訪れたヒマラヤの地で、ラーズ・アル・グールに徹底的に激しい修行を受けるなかで繰り返し言われることばでもある。
「恐れるな」、、、恐れを如何にみずからのものとしそれをコントロールするか。
彼に必要なのは、技や体力よりも精神であることを知る。
彼は只管修行を極めてゆく。そして恐怖を支配する術を悟る。それが蝙蝠の出で立ちにも表れてゆく。

「人間の本性は、行動で決まる」これはレイチェルがブルースに言った言葉であり、彼女がその後、バットマンに名を訪ねたときに帰って来た言葉である。
彼女はここで彼がブルースであることを悟るが、かえってその為にひとつの裂け目が彼らの間に入るところがリアルだ。
単純なアニメではこうはなるまい。「あなただったの~」とか言って抱き着いてハッピーな気分になったりするところがオチであろうが、レイチェルはゴッサムがこの先もずっと彼~バットマンを必要とし続けることも直覚する。彼に敬意を払い愛情は持ちつつも距離を置く。賢い女性なのだ。

Batman Begins002 Batman Begins007

ラーズ・アル・グールは過激な狂信的理想を掲げる組織を率いて、強力な幻覚剤を上水道に混入させ、水を気化させるマイクロ波を放射してゴッサム全ての人間を発狂させて殺そうと企み実行に移す。腐敗を極めた悪を一気に滅ぼすという思想なのだ。
確かにゴッサムは構造的腐敗で瀕死状態であった。
だがそのなかで、ほんの一握りの人間たちが奮闘していた。
ダークナイトはそのなかの何でもないひとりとして立ち上がることになる。
彼は亡き父が人々の為に作ったモノレールを破壊することで阻止するに及ぶ。

警察を敵に回しながらテロ組織から市民の生活を守ろうと孤独に過酷な闘いを繰り広げるダークナイトの姿は、華やかさはなく陰鬱で悲痛ですらある。


ダークナイトの基礎がしっかりと押さえられた導入編であった。
これを観ておかないと2部、3部だけではバットマンに感じる質量が違ってくると想われる。








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