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パガニーニ  愛と狂気のヴァイオリニスト

Der Teufelsgeiger003

Der Teufelsgeiger
2013年
ドイツ

バーナード・ローズ監督・脚本・撮影
デイヴィッド・ギャレット、フランク・ファン・デル・ハイデン音楽


デイヴィッド・ギャレット、、、ニコロ・パガニーニ 、製作総指揮
ジャレッド・ハリス、、、ウルバーニ(パガニーニ のマネージャー)
アンドレア・デック、、、シャーロット・ワトソン(パガニーニ の愛した娘、オペラ歌手)
ジョエリー・リチャードソン、、、エセル・ランガム(ジャーナリスト)
クリスチャン・マッケイ、、、ジョン・ワトソン(イギリスの指揮者、シャーロットの父)
ヴェロニカ・フェレ、、、エリザベス・ウェルス(ジョンの内縁の妻、オペラ歌手)


パガニーニと謂えばフランツ・リストがピアノに編曲した”ラ・カンパネラ”と来てしまうが、ここでは他にも弾きまくっている。
”ラ・カンパネラ”はピアノになっても超絶であるが、元のバイオリンでも当然、超絶である(笑。

主演のデイヴィッド・ギャレットは、何と「ストラディバリウス」を超絶技巧を駆使して劇中で弾きまくっている。
5億円とか。いやデイヴィッド・ギャレット恐るべし。
この映画は何といってもデイヴィッド・ギャレットの弾くパガニーニの演奏を聴く~観るに尽きる。
いとも容易く、左手でピッツィカートをはじきつつ、右手で弓をあやつる技巧に聞惚れるが、その躍動感と情熱に圧倒されもする。
それだけで成り立つ映画。やはりヴァイオリニスト兼モデルが主演であるから音も絵も凄い。

Der Teufelsgeiger004

アンドレア・デックの瑞々しさも後に残る。
彼女は自分で唱っているのか?
彼女の歌とパガニーニの演奏で聴かせる、彼のシャーロットに捧げた”アリア”の美しいこと。
この曲は劇中何度も流される。まるでテーマ曲みたいに。

Der Teufelsgeiger006

噺は、パガニーニに彼が唯一本気で恋をしたシャーロットと彼をヨーロッパの覇者に祀り上げたウルバーニとの絡みで進展する。
途轍もない才能に恵まれていながら、舞台の合間に袖で誰も注目しないバイオリンの曲芸弾きをしていたうだつの上がらぬパガニーニに或る夜、ウルバーニという紳士が訪ねて来る。
「君をすぐに世界的ヴァイオリニストにしてみせよう」「代償は?」「何もない」怪しい、悪魔的な契約を想わせる。
「君は有り余る才能と技術を持っているが、物語が無い」まさにそれを作る人間が名プロジューサーであろう。
パガニーニは勧められるまま書類にサインをしてしまう。
ファウストと悪魔メフィストフェレスの雰囲気そのもの。

しかし直ぐにミラノ次いでパリで大ブレイクする。
その勢いでイギリスに招かれる。
(イギリスの港の景観は凄い。一目で絵と分かる見事なものであった(笑)。
何処に行こうと、稼いだ金は酒と女とギャンブルに全てつぎ込んでしまい、常に金欠状態にある。
このだらしなさは~いや蕩尽の欲求は、天才芸術家にはよく見られるものではある。
(画家もこのパタンは多い。酒、女ではモディリアーニも負けてはいない(笑。いや愛への拘りは、と謂うべきか)。
そこでウルバーニの提案が面白い。ギャンブルで負けたくなければカジノを自分のものにすればよい。
それで頑張った分けではなかろうが、パガニーニは次々とコンサートを成功させ、遂に自分のカジノを持つ。

Der Teufelsgeiger005

演奏シーンは全て見どころである。
まずは、パブでの演奏は狂気である。ここでの熱狂の噂からイギリスに彼の名が浸透して行く。
屋敷の家財まで売り払って彼をイギリスに呼んだジョン・ワトソンのコンサートには、オーケストラが演奏を始めても出て来ない。姿を眩ませたかと思ったら、後ろの出入り口から通路に現れ弾きまくる。まるで演劇の出みたいに。
そして技巧の限りを尽くした演奏を繰り広げる。
コンサート(クラシック)で若い女性の黄色い声援と失神する姿は、もう現代で謂えばカリスマロックアーチストのステージに見るものではないか。
まあ、モーツァルトもそのような感じであったし、その当時であれば彼らこそ進み過ぎたコンテンポラリーミュージックのアーティストに相違ない。失神しても不思議はないのだが。
そしてシャーロットの歌~アリア~も加わり大変な盛況で終わり彼と彼女の才能が高く評価される。
だが天国と地獄の浮き沈みの激しい運命の人である。

強烈な支持があれば、それに対するアンチも現れる。
そのパガニーニを素行~女性関係~の面から風紀を乱すと断罪しようとする女性団体というのもえげつない。
この辺は投獄されたことも含めエゴン・シーレに近いものを感じる。
何ともイギリスに着くなりの悪魔の崇拝者呼ばわりの排斥運動である。受け容れ側との極度の温度差。こういう圧力団体は怖い。
そこにジャーナリストも絡み二人の悪い噂が広がり、彼だけでなくシャーロットも深く傷つく。

Der Teufelsgeiger001

ただウルバーニが何故、あのような策略を弄してパガニーニからシャーロットを遠ざけたのか。
その辺がわたしには理解できない。
ウルバーニの言うように、パガニーニと親密になると彼女が堕落しただろうか。
シャーロットは非常に心がしっかりしており、そうなるとは思えないが。
エセルと言いウルバーニにしても他の感情が渦巻いているように見える。
パガニーニのことを純粋に考えたのなら、寧ろ彼女と共にいることが彼自身を変えたのではなかろうか、、、。
、、、何とも言えないが、、、(爆。
それっきりの、失意のパガニーニのまま終わって逝く、、、。
シャーロットが意外とあっさりしていたので少しがっかりした。
(でも、彼女のコンサートで例のアリアは欠かせない曲となっていたようである)。


兎も角、デイヴィッド・ギャレットの凄まじい演奏を観るだけでも充分価値のある映画である。

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