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ジャッキー ファーストレディ最後の使命

Jackie005.jpg

Jackie
2016年
アメリカ

パブロ・ラライン監督
ノア・オッペンハイム脚本
ミカ・レヴィ音楽

ナタリー・ポートマン 、、、ジャクリーン・ケネディ(ジャッキー)
ピーター・サースガード 、、、ロバート・F・ケネディ(ボビー)
グレタ・ガーウィグ 、、、ナンシー・タッカーマン
リチャード・E・グラント 、、、ビル・ウォルトン
ビリー・クラダップ 、、、ジャーナリスト
ジョン・ハート 、、、神父

テキサス州 ダラスで外遊中のJFKが1963年11月22日に後方からの狙撃により暗殺された。
それから4日間のケネディ夫人の物語である。

JFK暗殺はいまだに未解決のままだ。
様々な議論を呼んだものだが、オズワルド単独犯で直ぐに口封じのように殺され背景も何もないということで収まってしまっている。
(2017年10月26日に「ジョン・F・ケネディ元大統領暗殺事件に関する機密文書」の公開がトランプ大統領によって約束された。3000以上の公開文書の精査が進んでいるというが、新事実が幾つもあがっているようだ。そもそも隠されてきたこと自体が問題であろうが)。

ここでは、ジャクリーン・ケネディの視座からJFKを失った妻としてのこころの内が静かに鬼気迫る強度で明かされてゆく。


ジャッキーの取り仕切ったホワイトハウスの改修とその紹介番組の白黒TV画像と、JFK暗殺後の回想を交えた記者のインタビューに応える場面を交互に見せることで展開する。
記者との記事を巡る会話はかなりの緊張感ある駆け引きとも言えるものであった。
記者としては当然、世間受けする面白く興味を引く話としたい。だがジャッキーはそれを許さない。

映像の趣向は画質も含めかなり凝っていた。
その1960年代が、ファッション、車、飛行機、TVなどに感じとれるものだ。
実際の銃弾を受けたケネディの頭部とジャッキーの取り乱す姿がリアルに映されているところはショッキングであった。
(白黒の引いた映像はニュース番組で観ているが)。

ジャッキーのその時々の内面を表す強烈な印象の顔アップが連なる。
顔のみで場面を繋いでいるようなところもあった。この演技は特筆もの。
音楽もとても映像のコンテクストにフィットしている。
特に静かに神の不在に憤るジャッキーの心理に沿った音の流れはそのロケーションと共に感じるものは大きかった。

Jackie003.jpg

血痕が飛び散ったピンクのスーツでケネディの死体と共に空港に降り立つ。
実際、車に乗ったまま、頭を撃ち抜かれた夫を膝に抱き脳と血の溢れ出るのを抑えながら走り続けるその「時間」とは、どんなものであろうか、、、!

リンカーン大統領と同様の壮麗な葬儀を行うことにする。
8ブロックもある長い大通りを馬を連ねて棺と共に静かに行進するのだ。他の要人、各国の参列者たちと共に。
ケネディ大統領(ケネディ家)は、謂わば王室のないアメリカにおいてそれに代わる位置(象徴的な意味)も占めていた。
しかし彼女は、容疑者のオズワルドがすぐに暗殺され、一度は参列者や周囲の安全の為、車で厳かに葬儀場へ移動することに変更する。だがその直後にやはり取り消す。
夫の最後の大舞台なのだ。それは葬儀次第で決まる。
ファーストレディとしての最後の使命を果たさなければならない。
邦題そのままであるが、その通りだと思う。
(多分にジャッキー自身のプライドの問題でもあろう)。

Jackie001.jpg

悲しみと苦悩と葛藤と重圧がどれ程のものか想像など出来ない。
しかも立場上、すぐにホワイトハウスを引き渡さなければならない。
暗殺された大統領の夫人の辿る道は過去の例を見ても非常に過酷なもののようである。
決意と覚悟を夫の死後、すぐにしなければならなかった。
参列者、招待者、葬儀の形式の決定からその他、多くのやらねばならぬ差し迫る仕事、、、。
一般の家庭の主婦などからみるとどれ程、多くの責任ある仕事を急かされることか。
死者~夫を偲んでいる余裕など与えられない。
それにしても、棺と共に歩くことが、極めて危険な儀式~行動でもあるのだ。
確かにいつどこから狙撃されるかも知れない、アメリカという国なのだということを改めて実感した。

Jackie002.jpg

「あの時、誰かに撃って欲しかった。そして、夫のところに自分も行ければ幸せだろうと思った」
と神父に語る。
そして彼女は神父にだけ、「他人には何も覚えていないと言っていたが、私はその場面を鮮明に覚えている」と伝える。
ナタリー・ポートマンは決して感情を顕にして激しく訴えたりしないが、静かに運命、神に対する強い憤り~抗議をする。

神父のジョン・ハートは、全ては神の愛によるもの。罰ではない。神の御心はわれわれには計り知れない、、、に終始する。
こう言ってしまえば、それまでだ。
神父なのだから仕方はないにしても、、、。

Jackie004.jpg

ジャッキーのような立場でなくとも、誰でもこのような不条理に直面する。
これから見れば、些細に思える事でも。

わたしは、その時、宗教に頼る気持ちは微塵もない。
(しかし、神と措定するしかない何者かの存在は、宇宙論の「人間原理」などをみても感じざるを得ない)。


ジョン・ハートと謂えば、「コンタクト」、「エイリアン」ではないか。
何れもSFの大傑作である。
(またSF観たくなった、、、勿論見応えのあるSFだが、、、)。





ナタリー・ポートマンには、是非あの「コンタクト」のような(レベルの)SF映画をやってもらいたい。
ジュディ・フォスター以外では彼女しかいない。

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