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愛を綴る女

Mal de pierres001

Mal de pierres
2016年
フランス・ベルギー・カナダ

ニコール・ガルシア監督・脚本
ミレーナ・アグス原作
ジャック・フィエスキ脚本

マリオン・コティヤール、、、ガブリエル
ルイ・ガレル、、、アンドレ(帰還兵)
アレックス・ブレンデミュール、、、ジョゼ(ガブリエルの夫)


如何にもフランスの映画である。
「結石」か?
それと南仏とはラヴェンダーなのか、、、。その畑が広がっているではないか。
「プロヴァンスの贈り物」もラヴェンダーであった。それを窓辺に置いておくとサソリがこないとか、、、?

一昨日の軽めのマリオン・コティヤールとは打って変わって、とても危なくエキセントリックで重い。
わたしの知る限り、最も軽いマリオンさんはリック・ベンソンの”taxi”(プジョー406がやたらとカッコよい(笑)であるが、そこから見るとどれ程重いか、、、。
しかし過剰に重苦しくもなく淡々と進み、洗練されていてお洒落(スタイリッシュ)でもある。
この辺の美学で内容がかなりきつくても惹き込まれてしまうに充分なものが在る。

Mal de pierres002

情緒不安定で激しく直情型のガブリエルの扱いに苦慮し、両親は自分の農園に働く堅実なジョゼに娘を任せようとする。
結局二人は結婚することになるが、絶対にガブリエルは彼を愛する気はないという。
それからの結婚生活は、ジョゼにとっては砂を噛むような生活であったか、、、。
彼女は夫を拒み、あくまでも自分の恋を追い求める。そうしたなか、彼女は「結石」で独り療養所生活を送ることとなる。
ジョゼは、高い療養費も工面し、彼女を救うため献身的に尽くす。
その施設でガブリエルは病に苦しむ帰還兵に恋する。彼は日々苦痛に苛まれており、彼女に魅力を覚えても受け容れられる状況ではない。だがお互いの好意は確認し合う。
その士官は或る日、救急車に乗せられ病院へと運ばれてゆく。
丁度その前日、夫も彼女の見舞いに訪れ、その士官とも語り合っており、彼女がその士官の乗る救急車を狂ったように追いすがって駆けてゆくところも見届けている。
療養所を去って病院に運ばれると大概、亡くなることがこれまでの流れのようであったが、その夜(アンドレは)君に会いに来た、と言って彼女の元にやって来る。彼女はとても喜び感動する。その夜、ふたりは初めて結ばれる。
彼女は退院することとなり、夫が新築したピアノのある綺麗な新居に戻るが、士官のことを変わらず愛する彼女は手紙を書き続ける。
子供が生まれるとき、彼女はアンドレの子であると信じていた。
手紙をいくら綴っても返事は来なかったのだが、、、。

後に、ジョゼから衝撃の事実が告げられる。
あの夜、眠れなくて戻って来たのは自分であったと。
そして、息子のコンクールでやって来た場所がかの士官の住むアパートの傍であることを知り、彼女はタクシーを降りそこを訊ねる。するとアンドレの部下に出くわし、彼が病院ですぐに亡くなっていたことを知らされる。
事態の全貌を彼女は把握するが、一つ気になることがあり、鞄に潜めてあったアンドレと一緒に撮った写真を確認してみた。
驚くべきことに、その写真には彼女一人しか写っていなかったのだ。
(これにはこちらもギョッとする。鞄にその写真をしまう時、綺麗に二人で写っていたからだ。つまり彼女のその時の意識のあり様~表象である)。

Mal de pierres003

「君に生きてもらいたかった」
わたしもそうだ。
もうどうしょもない、もうお手上げだと思うことが連続していても究極的にその意識で繋がり続けている。
過去帳から遡って今の本人に関わるような、、、上杉精文氏みたいだが、、、そんな相対し方しかない相手はある。
言うに及ばぬ、うちの場合娘たちであるが、ジョゼの場合のガブリエルだ。

ここでは基本的に、ジョゼは息子が自分の子である確信の元、彼女の不貞を耐えられた~見守れたと言える。
しかし、のっけからガブリエルの性格とその精神状態は良く分かっていたにせよ、あの療養施設において彼女にはアンドレと夫との区別がつかなかったのだろうか、それほどの精神状況であったのか、、、統合失調症の幻覚状態にあったことになるのだろうが、、、見方を変えれば夫はそれをうまく利用したとも謂える。
そして息子が長じてピアノコンクールに出場するまでとなるが、彼はそのことをずっと黙っていた。
「君に生きてもらいたかった」からである。

Mal de pierres004

亡くなった帰還兵が療養所で弾いていた「舟歌」(チャイコフスキー)を息子に弾かせる。
これは夫のジョゼも知らない彼女の秘密の想いである。
こういう秘密は、きっと誰もがもっているものかも知れない。
息子はそれを弾いてコンクールで二位に輝く。

「これがあなたの生まれ故郷なのね」とガブリエルがジョゼに優しく微笑みかけるラストシーンで、こちらもホッと安心する。
ここで「結石」が初めて溶けたのだ。
彼女の中に永く巣食ってきた何か~苦しい拘り~から解放されたのだ。


マリオン・コティヤールという女優はどのような役でもはまり役という感じに熟してしまうが、「たかが世界の終わり」の穏やかで静かな役がとても懐かしい(好ましい)?気がした(笑。
ジョゼ役のアレックス・ブレンデミュールの抑えた禁欲的な演技は光った。
その人相がタルコフスキーを想わせ、余計に重厚さを増した(笑。


それにしてもこれくらいのレベルのSFはないのか(怒。。
(まだ拘っている(笑)。

神々のたそがれ」の衝撃がじわじわと来ている、、、。








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